技術的お話
ビジョントレーニング(ブロックストリングス)
嫁が「最近プリズムレンズの割合多くなってない」
って言うから、
「NHKのガッテンの最終回ででサギングアイ(後天的斜視)の事やってたからじゃ?」
って答えたけど、集計をしてみたら、そう割合は変わっていませんでした(笑)
実際プリズムレンズを入れる場合には、検査も時間がかかるし、それよりもお客様に説明して納得してもらう時間が相当かかりますので、多く感じるのかも知れません。
斜位等で、両目が上手に使えなくなっている場合、一番トレーニング(練習)しやすい方法が「ブロックストリングス」
このブログで何回も出てきている内容ですが!!
当店では、紙に印刷したのを無料でお渡しして、使い方を説明していたのですが・・・
この度、販売用の「ブロックストリングス」をご用意しました!!!!!
(今までは簡単なので百均で自分で作って下さいって言ってたのですが)
紙の印刷物は無料なんですが、紐にブロックを付けたのは有料にしました!!!
みて判る通り、百均の紐に、TOKAI(手芸センター)のビーズ・・・
原価にして、1つ330円ぐらいですが、330円だとありがたがらなく、練習しないので!!
「5千円にします!!!!」
ごめんなさい嘘です(汗)
330円か550円にしようと思っているのですが、どうしましょうか(笑)
(タダだとすぐポイしそうなので5千円にしようか(しつこい))
紐の色も、
色の波長により屈折率が変わるので、図の通りなのです・・・・
(青は緑よりも内側に入り黄色は赤と緑の間なのですが、この図みたいに極端ではありません)
(虹の色を思い出すと理解しやすいです)
「せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し」 (赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)
近くは、青や緑の方が楽に焦点が合いやすいかな?とも思ったのですが、赤の方が調節がしやすくなる???
外斜位系は赤系で、内斜位系は青系が良い???
中間色の黄色が良いの??
ま、お好きな色を選択で大丈夫な気がします(笑)
ちょうどタイムリーな昨日の実例をここで書こうと思ったのですが、明日のブログに回します(笑)
[コメントする]お年頃 思春期 少女
平成14年(2002)生まれ、19歳の女子のメガネ・・・
最初のメガネは、2009年7歳の時、遠視と近視のミックス乱視(眼科処方箋)
次のメガネは、2010年 8ΔIN のプリズム (眼科処方箋)
2011年にも同度数で制作
2013年に球面度数を上げてプリズム量を減らして(別の眼科処方箋)
2015年にコンタクト併用との事で球面乱視共に上げてプリズムを外す(2番目の眼科処方)
2017年に度数乱視共に上げる(3番目の眼科処方)
で今回2022年に当店で度数を測定し、新たに製作していただきました。
今回測定すると、それなりの近視と強めの乱視、大き目の外斜位・・・
かかりつけ眼鏡店としては、7歳から19歳までの変化は解るのですが、3つの眼科さん毎に微妙に処方度数の考え方が違うのですね・・・
測定の時に「何かスポーツしてる?」と聞いてみれば、
「チアやってました!」
「あのJETS」
「ハイ!」
ついこないだ「世界の果てまで行ってQ」でガンバレルーヤが加入した放送をやったばっかで、
「出来る!出来る!絶対出来る!♪」で感動したばっかなので、「それやってた?」って聞いてみたら「ハイ!(笑)」
と(嬉)
大きな斜位があると距離感があいまいになる場合があるので、スポーツの競技を聞くのですが、
「チアだと、上から落ちてくる子を支えたりしたりするんじゃ?」と尋ねたら
「私、踊りの方なんで!」
「じゃあ大丈夫か(笑)」となった・・・
(踊り以外がどんなパートか気になったが視力測定には関係ないのでスルー(笑))
強めの乱視と大きい外斜位があるものの、小学生低学年時代に、乱視も斜位も眼鏡で矯正していたおかげで、両眼視機能はしっかりあります。
(両眼視機能があるのと良好にあるのとは違うのです)
(幼少期の発達の段階でしっかり機能させないと弱視になる恐れがあります)
両眼視機能を良好にするためには、プリズムを入れたいところですが、コンタクトレンズにプリズムを入れる事は不可能なので、今回はプリズムは入れません。
(プリズム度数を入れなくても、調節性輻輳を利用した球面調整の方法もあります)
今回はブロックストリングスを利用したビジョントレーニングで、両目の使い方を練習(トレーニング)してもらいます。
今回はどっちかというと練習というより鍛える感じ・・・・
「40歳以上ぐらいになったら、プリズム復活してもいいかもね」と伝えると
ケラケラ笑ってくれました!
19歳には21年後の40歳は想像できないかも知れませんが、55歳の僕からするとあっという間です(笑)
(結婚しても引っ越しても一生かかりつけ眼鏡店にしてくださいね)
(データーは厳重に管理しています)
もう1例
2009年生まれの13歳 女子
裸眼視力は両眼で0.05で中強程度の近視乱視ですが、眼鏡、コンタクト共に作った事がありません。
眼位も左眼が斜視の状態でした・・・・
都市伝説とは言わないですが、「眼鏡を使うと更に目が悪くなる」と思ってる方がかなりいます。
確かに目に対して合ってなさすぎる眼鏡を使用していると、更に悪くなる事は考えられますが、しっかりした度数の眼鏡を正しく使用していれば、度数が安定する事の方が多いと思います。
-2.5Dの近視眼の遠点は40㎝で、近方を見る場合は無調節でピントが合うのです。
が眼は近接性調節が働いてしまう場合が多く、更に近い距離にピントが合うので物を近づけてみる癖が付きます。更に遠方に焦点を合わす事が出来ない為に、水晶体のマイナス調節(調節の反対)が働かず、近視が進行するスパイラルに入ってしまいどんどん近視化してしまう事が考えられます。
小中校生は外に出て、遠くを見ながら遊ぶことが、一番の近視抑制になるのですが、現代のコロナ禍では外で遊ぶことが無い生活が普通なのでしょうか・・・・
(紫外線を浴びる事が近視抑制になると、海外の文献に書いてあると日本の眼科医師会は書いてますが、原文を読むと屋外に出る事が近視抑制になると書いているように読めます)
(ニワトリの眼に紫外線を当てると近視抑制の研究データはあるみたいですが、人間では無い目なので・・・)(だいたいニワトリが近視か遠視か老視かって・・・そりゃ外敵から身を守る事が無い飼われてるニワトリは近くのエサがよく見える近視の方が良くない?)
話を戻して・・・・
13歳女子の左眼外斜視状態(左眼が目標物に視線が合ってない状態)も、装用テストしている(その間にお父様の視力測定)うちに、眼位も輻輳近点も問題なく機能しだしました。
一応、ブロックストリングスによるトレーニングの方法を指導しましたが、適正なメガネをしっかりかける事が一番のトレーニングだと思います。
長ーい文章をここまで読んでいただいてありがとうございます!!
(読むのは5分も掛かりませんが、書くのは・・・2時間以上かかっていたりします)
当店には、ゆりかご時代から墓場時代までの世代の素敵な商品をご用意していますので、一生のかかりつけ眼鏡店としてご利用お願いします!!
(ゆりかごから墓場の言葉は、第二次世界大戦後のイギリスの政党が使ったスローガンらしい)
[コメントする]両眼視機能レンズ
メガネのハートランド武生店は、サングラスにも力を入れています!!
当店を新規で御利用いただくきっかけの一つに、度付きサングラスをを作りに来ていただく事があります!!
(意外とサングラスに力を入れてる眼鏡店は少ないのです)
当店では、度数を測定する際、全員に眼位の測定もルーティーンで行っています。
(今と一緒の度数で良いと言われても、責任上しっかり測らせていただいてます)
当然、度付きサングラスの場合も眼位の測定はするのですが・・・・
眼位のズレが発見された場合が、ちょっとややこしいのです。
常用するメガネと違って、度付きサングラスは常用しないで、その目的の時に付け替えるメガネとなります。
今回の事例は、現在常用しているメガネは他店購入で、プリズム度数が入っていません。
眼位を補正するプリズム度数入りレンズと、プリズム無しレンズの併用は基本的に無理で、どちらかに合わせるしかないのです。
今回はTALEXの偏光度付きサングラスをお買い上げいただきました!!!
で、プリズムはどうしたのでしょうか????
↑度付きサングラスを上から見ると、右レンズと左レンズの差が解るでしょうか?
プリズムレンズは表記も「Δ」(三角形)となり、光→Δ↘ レンズの分厚い方(ベース)に光は屈折します。
右レンズはベースが上で、左レンズはベースが下
結果、度付きサングラスと同時に、現在の常用メガネ(無色)のレンズもご注文いただきました。
同じ日に、オークリーのフラック2.0に無色の度付きレンズをご注文いただいた若者(はたち)も、上下の眼位異常が検出されたのですが・・・・
↑(写真は別に使用したフラック2.0の画像です)
まだ調整余力もあり、スポーツの競技も陸上の短距離(中距離だったかも)だったので、現在使用のメガネと同度数で作らせていただきました。
(距離感が重要な競技なら別の選択肢を押したかも)
メガネレンズは医療機器と指定されてるぐらい、身体の調子を狂わせたり、
(狂うの反対語を検索したら、冷静とか沈着)
(ここで使うにはこの対義語は違うな)
調子よくしたりします・・・・
(この表現薬機法に抵触していないか💦)
思うのですが、メガネはあっちで買ったりこっちで買ったりするものではなく、自分に合ったかかりつけメガネ店を見つけた方が良いと思います!!!!
是非当店をかかりつけメガネ店の候補の一つに!!!
せっかくなので、愚痴を一つ二つ・・・・
(メガネ店の心の声)
先日お客さんが、「今回他店で作るから、このメガネ調子良いのでこの度数を教えて?」と来店
プリズムが入った遠近レンズなので他店は度数が解らなかったのか???
(作ったけど合わなかったのか?)
別の例
過去に当店で作っていただいたお客様、再来店
その時、眼位異常は解っていたけどモノビジョン的な眼の使い方をしていたので、プリズムは入れなかったのですが・・・
前回は他店で作っていて、片眼のみベースアップのプリズムが・・・・
モノビジョンにプリズム入れても効果がないし逆効果の場合もありますし・・・・
色々試した結果プリズム無しで・・・・
検査が嫌いなお客様に時間がかかってしまいすみませんでした(汗)
[コメントする]オリンピック と メガネ Ⅱ
昨夜の女子カーリング凄かったですね!!
決勝は20日の午前中です!
点数競技じゃなく対戦競技は、夏のオリンピックに対しても少ないので、対戦競技のカーリングはズート見てられます!!!
ルールは何となくわかっても、最後の1・2投まで、どうなっているかは解説者がいないと全然解りません(笑)
そのカーリング女子、9か国36人中12人がメガネをかけているそうです!!
韓国の「メガネ先輩」は平昌で有名になりましたね!!
メガネの理由は、「乾燥しているので目が渇いてしまうため」とネットでは流れていますね(2次情報)
確かに目標点や石の動きを凝視するため瞬きが減って、乾くのかも知れません・・・・
コンタクトレンズならなおさらです。
それ以外にもレンズには、効果が出る事もあります。
スピードスケートの「小平菜緒」選手は
「4年前、発売された時にはまだ度付きでこのレンズを作る事ができなかったのですが、北京五輪に間に合うかのように度付きのレンズでも注文できるようになりました🙌
私が感じるスピードスケートで着用する際のメリットは2つ。
・薄暗い室内でもコントラストがしっかりするため、赤いレーンの線がクリアのレンズよりはっきり見える。
・大会やオリンピックなどの証明がいつもより明るい場合も、眩しさを抑えてくれて(黄色い光をカット)限りなくクリアな視界で滑ることができる」
インスタグラムから引用
https://www.instagram.com/p/CY03Q5mLDZE/?utm_source=ig_embed&ig_rid=f5a3a0f4-efe7-4644-a7b2-989002133931
オークリーの「ローライトカラー」レンズの事を絶賛しています!!
当店でも取り扱いがあり、小平選手と同様の「度付きレンズ」にカスタムする事が可能です!
他のメーカーでも
福井(鯖江)のレンズ研究所で生まれた「ネオコントラスト」レンズ
眼が眩しく感じられる一部の波長だけを落としたレンズです
偏光レンズのTALEXからは、「モアイ」レンズ
眩しさを抑えコントラストを上げて、乱反射まで抑えてくれます!!
冬季オリンピックの室内会場なら、数多くの照明が付いており、足元も氷が張られていたら、目にかかる負担は想像出来ます。更に最近はLED等の照明が増えてきていて、強力な高波長の光が多く発せられていると思います。
(青色発光ダイオードは凄すぎる発明なんですが、人間の眼はすぐには進化出来ないので道具を使うべし)
当店店頭には、様々なレンズの体験・体感が可能です!!!
[コメントする]プリズム度数を使った両眼視
当店では10年以上前から両眼視機能まで考えたメガネ作りに取り組んできました。
綺麗ごとを書くと、
眼鏡を使用するお客様にとって快適になるように・・・・
眼鏡専門店なら、当たり前である事・・・・
ですが・・・・
プリズム度数はそう簡単ではないのです・・・・
短期的な商売(儲け)として考えたら、深く考えずプリズムの事をスルーした方が賢いやり方だと思います。
未知の部分も多い人間の身体の事ですから、絶対的なマニュアルを作る事は出来なく、深い知識と経験値が必要になってきます・・・・
僕にそれが備わっているかと聞かれると・・・・
まだまだ全然わからない方が多いと思います。
が、当店のお客様のご協力のおかげで、それなりの経験値は上がってきています。
今回ご紹介する2例は、
かなり過去にプリズムメガネを使用したその後の特殊事例
(買い替えの2回目3回目のプリズム度数メガネは記事にしにくいのです)
1例目
フレームはオンビートさんのチタンシートをレーザーで切り取り、溶接することなく仕上げた初期型ですね!!
8年前に購入いただいています。
当時入れた度数が
RV=S+3.5 1.5ΔOUT
LV=S+1.5 1.5ΔOUT
このお客様、両眼視がマストな職業で、深視力を合格するため当店に相談に来店いただいたような気がします。
当時この度数で30代、片眼づつの裸眼視力は良好でしたから、メガネの選択肢は普通ありません。
(遠方遠視眼は調節力が旺盛な30代までは裸眼視力は良好になります)
(遠視は網膜より後方に焦点が合いますが、水晶体で調節する事によりピントがあいます)
この方の度数の数値だけの変化を見たら、両眼とも同じ変化のように見えますが・・・・
当時に調整した度数は、あえて使用している左眼を雲霧的な遠視の過矯正にして、使用していない右眼を強制的に使用するような度数にしました。
当然裸眼で見るより見えにくいメガネになります・・・・
これは時限的な方法で、数カ月して右眼も機能しだしたら度数を替える予定でした・・・
(本人にも説明して了承済みのはず)
気がつけば8年が経過していました(汗)
ただ8年間しっかりこのメガネを使用し続けていただけていました。
遠視系の不同視(左右の度数の差が大きい)場合、度数の強い方の眼は、遠くも近くも見えにくいため度数の少ない方の眼しか使わない現象が起こります。
視機能が発達する幼児期(8歳ぐらいまで)に、片眼をほとんど使わないと、視機能自体が阻害され一生視力が上がらなくなる恐れがあります(弱視)
この方も幼児期には「アイパッチ」による訓練はちゃんとしていた記憶が合って、弱視にはならずに片眼づつの矯正視力は良好です。
ただ、両方の眼を正しく使う両眼視は良好ではありません
(30年ぐらい前のアイパッチによる訓練は両眼視まで考えた訓練はほとんど無かったかも知れません)
(両眼視の訓練はブロックストリングスが一番簡単で効果的です)
(ブロックストリングスはこのブログで何回も説明しているので今回は割愛)
結論は、半強制的に使っていた右眼が近視化して、雲霧をかけていた左目の雲霧と解く度数になりました。
両目が安定しだした事で上下のプリズムも検出できました。
普通内斜位の場合の輻輳近点は近くなるのに、寄せ目が上手く出来ません。
(8年前も不思議がってたとお客様に指摘された)
(その場合注意しないといけないのは、調節性内斜位)
(本来は正視もしくは外斜位なのに遠視の未矯正により調節が入り内斜位になる現象)
(小さい時期に斜視手術を受けている場合にも多い)
近い将来は、近用専用眼鏡が必要なると思います。
(遠近両用で、遠用と近用のプリズム度合いが変えられると便利なんだけど)
(一度インセット量をあえてメイイッパイにした遠近を作って見たかったので試したい)
(この度数でインセットをメイイッパイにしても誤差の範囲か・・・・)
大分長くなったけど頑張って2例目・・・・
10年前に上下のプリズムレンズを入れたが、
RV=S-6.25C-1.0AX5 3ΔUP
LV=S-7.25C-1.25AX155 3ΔDOUN
2週間後にプリズムを外して再制作していました。
10年前の事なんで、まだまだ我々の経験値が低かったのか、あっさりレンズ交換した記録が残っていました。
(今の我々の経験値なら、慣れそうもない(使いこなせない)方にはプリズムレンズを作りません)
つい最近、このお客様が超久々に来店いただいて・・・・
「白内障の手術をしたら、物が二つに見えるようになった」
との事です。
たまにあるのですが、白内障の術後に複視になるケース
この方の場合は完全に、元からあった斜位が、眼内レンズを装着して、メガネの度数が緩くなった事と、老化した水晶体が人口水晶体(眼内レンズ)にしたために、しっかり見えるようになったためだと容易に考えられます。
普段から「かかりつけ眼鏡店」を持っていると経年変化が解って大変良いと思います。
(当店はかかりつけ眼鏡店にとっても適してると思いますが(笑))
(もちろんかかりつけ病院もたいせつです)
10年前にかけれなかったプリズムメガネ・・・・
今回はすんなりかけれるようになりました。
(かけれる理由かけれない理由は沢山あるのですが割愛)
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