技術的お話
お客様からの問い合わせ(ブルーカット編)
お客様から5月19日のメールより引用↓
「先月、子供の眼鏡を購入させていただきましたが、
既にご存知かと思いますが、日本眼科学会など
6団体からブルーライトカットレンズが子供の眼に
悪影響を及ぼす恐れがあると報道されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72624d09f1c06ec1679c0a7a3bcd2e826244b83d
弱視で病気もあるので、これ以上悪くならないようにしたいと思いますので、
直ぐにでもブルーライトカットじゃないレンズに変更したいのですが、
先月購入したばかりで予算的にも厳しいので教えてください。
① 実際はどうなのでしょうか?不具合、影響はあるのでしょうか?問題ないのであればこのまま使いたいと思います。②③のご回答は必要ありません。
② また、何かしらの影響がある可能性があるのであれば、アンダー15の保証は適用されるのでしょうか?
③ 保証適用外であればレンズはおいくらになるのでしょうか?
長くなりましたが、以上3点よろしくお願いいたします。」
————-お客様のメールから原文のまま引用しました。————————–
4月14日に眼科医師会の発表を受け、当社の見解をいち早く17日にこのブログで発表しました。↓
https://heart-land.jp/archives/42170
(14日は水曜日で定休日だったのでちょっと出遅れた(笑)
その後「日本医用光学機器工業会」が19日に以下の見解を発表
眼科医師会6団体の発表で、メガネ業界は騒然となって、なぜこんな発表があったのか?と理由付けする噂が流れまくって・・・・
(噂の真相は裏が取れてませんので書きませんが・・・)
眼科医師会の総意とはとても思えません!!!
ただ、眼科医師会の発表を受けて、成長期のお子様を持つ親御さんの気持ちは痛いほど解ります。
このお客様のメールの文面からもひしひしと伝わりますし、こんなにきちんと纏まった分を書くのにそれなりの時間を要したと思います。
(ただ、このお父様のメールをいただく前に、お母様からの当店公式ラインからの問い合わせで既に解決してたのです)
(ご両親とも本当に良い親御さんですね)
(その当店公式ラインを利用して、お母様にご主人のメールの転記をご了承いただきました)
(ラインって凄く便利なのでライン社のデータ管理はホントお願いします)
結論から書きますと、
当店で購入いただいた成長が止まる18歳まで、購入1年未満であれば、オプションでブルーカットコーティングを付けられた方は、お申し出いただけば無料でお取替えさせていただきます。
(既に数組の方の申し出を受けて無料交換完了しております)
(当店ではアンダー15歳以下の保証を付けてますが今回は18歳まで対応してます)
(アンダー15保証はホームページ店長挨拶内のアフターサービスをご覧ください)
当店のメガネレンズ購入いただいていて、ブルーカットのオプションを付けた方を集計してみますと、約2割の方が選択いただいています。(18歳以下の方の選択割合は少し減ります)
「眼科医師会発表の一文」
②小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものです。なかでも十分な太陽光
を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まります*3。ブルーライトカット眼鏡の装
用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません*4
この一文が不安を煽りますね・・・
17日にブログにも書きましたが、ブルーライトカット眼鏡は、ブルーライトと呼ばれる波長の1割程度しかカットしないのに・・・・
当店でブルーライトカットレンズをオプションで購入された方なら解ると思いますが、ブルーライトカットによる眼病予防効果があるなどとは絶対言わないし、PCやタブレットをほとんど使用してない方にもおすすめしておりません。
当店では、ブルーカットコートの販売実績が約2割に対して、UV420等レンズの販売実績はほぼゼロです。
「日本医用光学機器工業会」が書いてる通り、ブルーカットコートを施す事により「コントラストの向上と光の散乱を和らげる効果」を実感されている方は大勢います。
との理由から、1年以内の18歳以下のブルーカットコートを選択された方に、個別にこちらからアクションする事はしませんが、お申し出いただけたらよろこんで無料交換いたします。
(割合は低いとはいえ、相当の数になりますので・・・・・)
(本当に本当に有害なら業界全体がリコールの流れになっています)
当店が推奨している、近視抑制の方法は!!!
「村国山の鉄塔を見る事です!!」
その時村国山でパラグライダーをしてたらBESTなんですが・・・
このくだりは、当店で購入してくれた小中学生ならほぼ聞いてると思いますが(笑)
あの鉄塔に当店の広告看板を付けたいくらい(笑)
[コメントする]母の日 & レッドグリーン
5月の第二週の日曜日は、母の日です!
当店も母の日バージョンディスプレイ!!
このハートのディスプレイ・・・・
はい何回も使いまわしてますが・・・・
なにか問題でも・・(汗)
赤の補色(反対色)は緑です!
色は色によって屈折率が違うため、色を感じる事が出来るのです!!
(書いていてもちゃんと伝える事が出来ないし自分でも想像が出来ない)
世の中は化学で出来ていて、その化学を人類は有効利用しているのです・・・
(学校のお勉強は社会では役に立たないという人もいますが・・・全員がお勉強しなくなると日本は滅びてしまうのです)
当店もしっかり化学を利用して視力検査に利用してます・・・
(超簡単な光学ですが)
当店では絶対全員に行ってる「レッド・グリーン」テスト
光の波長を利用したテストです
検査の途中に「6か9」どちらが見やすいですか?
と尋ねるんですね
答え方が面白いのは「6か9」と聞いてるのに・・・
多い答え方が「赤」
少数が「左」
たまーに「8」
別にどう答えようと大丈夫なんですが(笑)
これは光の色による屈折率が違う事を利用した検査なんです
緑色の方が屈折率が高いので、正視の場合、緑色が網膜の前に、赤色が後ろに結像します。
緑色の方の「9」とか「3」が見やすいと答えた場合は、近視の過矯正を疑わないといけません。
(当然調節する水晶体の状態を考慮しないといけませんが)
(クロスシリンダー検査は若干緑にしないといけません・ここ絶対試験に出ます)
緑色よりも更に屈折率が高い色が、青~紫
発光ダイオード(LED)で青色を発明した日本人がノーベル物理学賞を受賞したのは記憶に新しい事です!!
この屈折率(パワー)の高い青色が出来る事により、白色が表現でき、画期的に液晶画面が発展しましたね!
で、出てきた問題が、このパワーの強い青い光が眼に有害ではないか?・・・・
それで、ブルーカットレンズが出てきたのです!!
(次は医師会がブルー光線は児童の眼を近視化させる?が出てきた(笑))
まどっちにしても、屈折率の高い(拡散率も高くなる)青い光を少しでもカットした方がコントラストが良くなって、くっきり見えるようにはなります!!!
もう一つ赤色緑色で別の検査に
ウォース4灯を利用して、当店では被験者全員に確認しています。
これは光の屈折率を利用した検査では無く、反対色を利用して、
右目に赤のフィルター、左目に緑のフィルターをかけます。
すると右目では赤(◇)と白(〇)が赤く見えて、緑(+)が消えます。
左目では、緑(+)と白(〇)が緑で見えて赤(◇)が消えます。
左右の目を同時に使って別々の検査が出来るんです。
こちらの質問は「全部でいくつ見えてますか?」なんですが・・・・
正解をだしたい方は、凄く考え込むのですが・・・・
決してひっかけ問題を出している訳ではありません(笑)
右目しか使っていない方は「二つ」
左目しか使っていない方は「三つ」
両眼融像視をしている方は「四つ」
両眼複視を起こす恐れのある方は「五つ」
と答えるのが正解です。
考え込む方は、図形が三種類あるので混乱するのでしょうね・・・・
昔はすべて丸(〇)だけでした。
確かに途中で、「丸はいくつありますか?」とか「プラスはいくつありますか?」とかの細かい
確認方法が出来ますが・・・
今日は母の日にまつわる、ためになるお話でした(汗)
ついでに光の屈折で、空に出る虹ですが、必ず外側(上側)は赤で、内側は紫色になります!!
(屈折率の高い青色系が内側になります)
ただし二回屈折する二重虹(外側)は逆になります。
[コメントする]薬機法(医薬品医療機器等法)旧・薬事法
https://heart-land.jp/archives/39550
↑昨年このブログで書いた視神経萎縮症の記事を見て問い合わせがありました。
当社公式ラインページから始まって直電まで・・・・
「ご主人が遺伝性の視神経萎縮症と診断され、運転免許を更新が出来ない状態でいる事」
眼鏡で出来る事は限られる事やブログに書いた内容と同じ事ぐらいしか話せません。
(去年のブログで何を書いたか覚えていませんでしたが、見直したらほぼ同じ事でした)
ブログに書かなかった情報としては、どこの眼科にかかっていたとか、ちょとだけ具体的にそのお客様が経験して話してくれた事をお伝えする事ぐらい・・・
絶対言ってはいけないことは「メガネでなんとかなるかもしれない」とか「当店で一度見てみます」とか・・・・
当店のこんなブログまでたどり着いたという事は、本当にお困りだと思うのですが・・・・
なにも出来ません・・・
他にもそういう問い合わせをしてくる方もいらしゃいますが、既に色々調べていて自分の中では解っているとは思います。話を聞いて欲しいだけのような気もしますが・・・
薬機法では、このように制定されています。
「医師以外の者ー相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行うが、一般的な医学的な情報の提供や、一般的な受診勧奨に留まり、相談者の個別的な状態を踏まえた疾患のり患可能性の提示・診断等の医学的判断を伴わない行為。」
厚生労働省ホームページから抜粋
当社公式ラインページでやり取りしてましたから、そのお方ご主人と間違えて当社のライントークに
「電話したけど、できるとははっきり言われない。眼鏡屋が出来る事は限られるてー。」
ちゃんと真意が伝わってる事が確認できて、逆に間違えて入れてくれてよかったです。
生活に直結する視力に係っているメガネ稼業ですが、どうしても視力が出ない場合等本当に無力感を感じます。
お医者様はそれ以上でしょうが。
僕ももっともっと勉強してより快適なメガネを販売出来るように精進します。
ちなみに日本では、誰でもお客様指示の元メガネの度数を決める事が出来ますが、諸外国では、業務独占の国家資格にて厳しく規制されている国が多いのです。
[コメントする]ブルーカットレンズの影響・・・
4月14日に眼科学会以下6団体が、小児のブルーカット眼鏡に対する慎重意見書が発表されました。
それを受けてマスコミがいろんな報道をしています。
この先は僕の個人的見解で、否定も肯定も批判をするものではありません。
日本には言論の自由があると信じています。
その中に
②小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものです。なかでも十分な太陽光
を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まります*3。ブルーライトカット眼鏡の装
用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません*4。
(詳しくは眼科学会のホームページをご覧ください)
その根拠のページ*3
https://www.dovepress.com/the-role-of-time-exposed-to-outdoor-light-for-myopia-prevalence-and-pr-peer-reviewed-fulltext-article-OPTH
このページをザックリ読んで見ると・・・・
「屋外=太陽光」
僕の読解力が低いのでしょうか???
太陽光を浴びると(屋外で活動すると)近視が抑制されると書いています・・・・
(なぜ屋外にいる事が太陽光だけに結びつくのか?)
僕がこのブログで個人的見解で近視抑制を書いているのは、遠方視(マイナス調節)することによって近視進行の抑制が出来るのではないか!!!
(‘カテゴリー‘技術的お話の中の、水晶体の調節機能とメカニズム三部作を見てください)
屋外=太陽光では無く、
「屋外=遠方視」
とはならないのでしょうか????
太陽光を浴びながら、遠方を見ずにスマホを凝視し続けても近視は抑制されるのでしょうか?
(声明文)ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません
*4。
https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/should-you-be-worried-about-blue-light
根拠となるこのページには、タブレットのブルーライトよりも太陽光の方が完全に多いと当たり前の事が書いてあります。
眼科医師会の一番最初の文に
ブルーライトは可視光線の一部(波長 380~495nm 前後の青色成分)
とありますが・・・・・
ブルーカットレンズ(無色に近いレンズ)は、この周波数の光線を100%カットするレンズではありません。
せいぜいその領域の10%ぐらいをカットするレンズです。
(レンズ自体は400ナノメータ(紫外線領域)ぐらいまではほぼカットしますが、目とレンズの隙間や全体のカット率を考えて)
その周波数の可視光線を大きくカットするためには、濃い色を付ける必要があります。
ちょっと前に流れた「紫外線カットされていないサングラスは、瞳孔が開くから危険!?」
とありましたが、瞳孔が開くほどの濃い色が入ったサングラスで紫外線をバンバン通すレンズが有ったら(持ってこいや)大発明です!!!!
(完全なフェイクニュースです)
過去にこのブログで画像付きで実験しております。
https://heart-land.jp/archives/37386
「劣化したサングラスが紫外線を通す!?」
というフェイクニュースを論破した記事でした。
強い紫外線が眼に対する悪影響がある事は、誰も否定しませんし絶対的事実だと思います。
その紫外線に近いブルーライトをほんのちょっとだけカットするレンズが、小児の近視進行のリスクをそんなに高めるのでしょうか????
ちょっと前にも眼科医師会は「両眼視眼鏡」について同じような声明文をだしていますね・・・
この時期に声明を出すことは・・・・
よっぽどメガネ屋の事が嫌いな方がいるのでしょうか???
弁護士会・医師会・日本教職員組合・福井県眼鏡協会・○○協会・○○協会etc・etc
・・・・
権威のある団体なので・・・・よろしくお願いします!!
(決して否定・避難している訳では無いです)
(内部の声の大きい人の意見が反映しやすいのでは)
このような記事は書かない方が身(僕)のためなんでしょうね(汗)
あくまで個人的見解で・・・・す・・・・
ちなみに当店では、スマホもPCもしない小児のブルーカットレンズ使用率はかなり低いのですが・・・・リコールの流れにでもなったら眼鏡業界は大変です・・・・
レンズメーカーのエビデンスに基づいた見解がほしい・・・
追記・・・
SNSで眼鏡屋さんの意見をチラ見してみると・・・・
「ブルーライトカットレンズは懐疑的だと思ってたんだよ・・・」
との意見が散見されますが・・・
論点は、「ブルーライトカットレンズが、小児の近視進行のリスクが有ると言ってる事」
誰かがそう言ってるからでは、メガネ屋(プロ)の意見ではありません・・・
デマ、同調圧力、フェイスニュース、炎上、袋叩き、差別、ヘイトスピーチ・・・
コロナ禍で加速している気がします・・・・
[コメントする]不同視(左右の視力(度数)が大きく違う事
三十数年前、僕が眼鏡学校で習ったのは、左右の度数差を必要以上につけない・・・
その差は2ディオプトリーぐらいが限界である・・・
その一つの根拠に左右像の大きさが違って見えて、融像に支障が出る・・・
その大きさの差が5%・・・
30年前の事なので、間違って覚えているかもしれませんが、当時はあまり考えずにそのオキテを守ってました。
眼鏡店によってはその教えを先輩から引き継いで、今でも実践しているところもあるとかないとか。
人間の脳は、個人差はありますが、良くも悪くも適応してしまうのです。
左右の度数差を付けるメリット・デメリットをよく考えて、その人に快適なメガネを提供する事が眼鏡店(眼鏡士)の役割ではないでしょうか。
今回ご紹介する一例は、
右S-2.0DC-1.25AX90
左S-7.5DC-3.00AX85
左右差等価球面値で、6.4ディオプトリー
この方、眼病等によって後天的に左右差が発生しております。
(右目は無水晶体眼)
不同視眼の一番の問題は、不等像視では無く「周辺視野のプリズム効果」
左右同じような度数なら、左右レンズで相殺してしまうのですが・・・
今回の場合、右側方視をする場合「ベースインプリズム」が起こりますし
左側方視する場合、「ベースアウトプリズム」が発生します。
左右の側方視はまだ脳と目が対応できますが、上下はそうはいきません。
下方は、右目「ベースダウン」が起こり
上方は、右目「ベースアップ」が起こります。
このお方もともと上下プリズムをお持ちなので、下方視は調子が良く、上方視は複視(物が二つ見える)を起こしてしまいます。
球面設計レンズならプリズム効果を計算して、アイポイントを上に上げれば良いのですが・・・
非球面設計レンズなので、最初からプリズムを入れて、アイポイントはしっかり目の高さに合わせます。
決して複雑なプリズム関数の計算が出来ない訳ではありません(笑)
厳密には、自力では計算できませんが、自動計算してくれるアプリが計算してくれます。
東海光学の特注レンズ「ファインエッジ」は、分厚い縁厚部分を面取りでカットし、
その部分に反射防止多層膜コーティングを施すので、左右差の厚みがそれほど気になりません!
当店で眼鏡フレームをトレースして、そのデータをインターネットで工場に送信、そのデータによりレンズ工場でメガネのフレームの形にカットするシステムがあるから出来るワザ!!
どうしても若干大きく仕上がってくるので(小さいのは絶対NG)当店で大きさの微調整をするのですが・・・
流れの癖で、レンズエッジに面取りをしてしまいそうになりますが、エッジ部分は反射防止コーテングが施されているので、面取りはNGなんですね(笑)
こういう特殊事例は稀ですが、どんな度数でも、どんなフレームでも、常に使う人の生活環境や目の状態を考えて、当店では!快適なメガネになるように色々な提案しております!!!
ただ、ユーザーの理解と協力があってこそ、最終的には快適なメガネになる場合もあります。
(人間の脳の良くも悪くもなれちゃう事と凄く関係してます)
昨日のあるお客様に対する説明は良くなかったと大変反省しております(苦笑)
人間には心と頭があって・・・・
正確には、生まれた時から持っている本能と後天的に学んだ脳
心でしっかり理解していただかないと、頭も拒否反応を起こしてしまう事があります(持論)
まだお渡ししていませんが、最終的に使いこなしていただいて快適になれば良いのですが(願)
(この不同視のメガネのお客様の事では無く累進レンズのお客様の事です)
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