No11 フレネル膜(プリズム眼鏡)
某大学病院眼科の処方箋
右・20△IN 左25△IN
個人情報を隠しているのが、フレネル膜本体です。
実際25プリズムのレンズを制作するととんでもない厚さになり、小っちゃい25プリズムのレンズをいっぱい一列に並べたら、薄い25△のフレネル膜になります。
これを円形に並べると、カードルーペになります。
話が逸れました・・・・
当店で、過去フレネル膜を使用ている例は、小児のプリズム矯正、事故等後天性眼位異常で、いずれも眼科処方箋です。
当店の検査でプリズムを処方する場合は、度付レンズにプリズムを組み込んでしまいます。
が、25プリズムもは組み込んだレンズの製作は無理ですし、片眼25プリズムもの強度のプリズム自体を処方した実績も処方する勇気もありません。
当社で測定をしていなくて、お客さんにお話を聞いただけですので詳しくは解りませんが、眼科で斜視の外科的手術を希望しており、事前に複視が出ないかのチェックをするためのメガネらしいです。
一般的に人間の目は、左右に一つずつあり、右目の像と左目の像がほぼ一緒なら、一つの物と判断し融像し一つに見えます。左右の像の視差から立体視が生まれ、近い遠いが判断出来ます。
見る機能は、9歳ぐらいまでに仕上がり、生まれながらに眼位異常・左右の視力差・眼瞼下垂等で片目しか使っていない場合は、使用していない目は弱視となり、見る機能自体が育ちません。
現在の日本の医療システムでは、様々な乳幼児健診で弱視になる可能性はほとんど無いと思います。(9歳までの弱視矯正用の眼鏡も医療保険が適応されます)
このお客様の目を当社で測定している訳では無いので詳しくは解りませんが、交代制斜視等成長期に片目づつかわりばんこに使用していた、とか、幼児時期にアイパッチ等で訓練していた場合は弱視にならずに両目共に片眼矯正視力は良好にでます。
ただし、強い斜視の場合、融像視ましてや立体視は出来ないと言われています。
人間の目は、右目で見た像と左目で見た像が非常に近い(形・距離)像の場合は一つの像ととらえ、融像します。
左右の像が違っていたりすると、二つのものと捉え、二つに見える(複視)場合と、大概は片方の画像が脳で抑制がかかり、不要な像は見えなくなります。
試しに片目の前にペン等で遮ってみて下さい。ペンが透けて見えなくなってませんか?
先天性強度交代制斜視の場合、片目は抑制がかかっている場合がほとんどで、成人してから手術やプリズム眼鏡等で左右の像が融像出来る距離にした場合、複視が生じる場合が多いように思います。
もし、左右の画像が融像しても、今までは単眼で楽に見ていたものが、脳と目が必死になって両眼視を強いられて、逆に疲れてしまう場合もあります。
両眼視機能検査で「寝た子をおこすな」とも言われている由縁です・・・・
斜視目は、人からの見られ方にもコンプレックスにもなる事が多いです。
前にも書きましたが、日本の医療システムの乳幼児健診で、発見される場合がほとんどですが、両眼視がちゃんと出来ているかは、親も注視する必要があると思います。
これ書いてて思ったのですが、360度方向の視野を持つ草食動物は、両眼視視野が10度しかないと書かれてます・・・・完全な固視ズレですな・・・・・
テレビを見ていても、固視ズレしてそうな有名アスリートも見かけますが、空から見る目という広い視野を持っているのでしょうか(笑)
話がずれてますね・・・・・
で、眼鏡が仕上がりました!!
メガネ持ち込みのフレネル膜のみのオーダーだったので、リスクを最小限にするために「表面の貼り付け」でよいとの了承を貰っていたのですが・・・・
見た目と当店プライドからちゃんと裏面に貼りました!!
この方の今後が非常に気になります・・・
うまく行ってくれれば良いのですが
PS
この眼鏡を嫁に掛けさせ、カバーテストをしてみたところ、当たり前ですが強い内斜視の動き&強烈な複視・・・・