遠近両用レンズとは
メガネ屋さんって「遠近両用レンズ」ってキーワードはよく使います。
でも「水陸両用車」は、誰が聞いても、水上と陸上の両方走れる車なんですが、エンキンって??
語源は、遠方と近方を見れるレンズなんですが、この感覚が判るのは、大人になってからです。
メガネ屋さんがいう大人の年齢は!!!約45歳からなんです・・・
この表で見ると、45歳の調節力は3Dちょいぐらい・・・・
昔から言われている「本は30㎝離して見るように」の30㎝を見るために必要な調節力は1÷3の3.33Dで、もうギリギリ・・・・スマホなどはもっと近くなる傾向があるので、25㎝としたら必要な調節力は1÷2.5の4Dなので、ピントが合わない場合が想定されます。
(大人になった45歳の調節力で計算しています)
大人になる前の年齢の方は、エンキン両用って言われてもピントは来ないはずですよね(笑)
昔々の遠近両用レンズは、焦点距離が遠方と近方の2つの焦点距離にだけ合わせたレンズで、レンズが二つに分かれた二重焦点が主流でしたが、現在の遠近両用レンズは「累進レンズ」とも呼ばれるように、遠方から近方までを、徐々に度数を変えた中間距離を含むレンズ設計となっています。
車の変速ギアに例えると、ハイとローだけでは無く、数拾段のギアをオートマチックのように徐々に変えていく感じですね(余計解りにくくなりますね)
ただ、ビデオカメラのように二枚のレンズの距離をずらして焦点を合わす訳では無く、1枚のレンズの上方部分と下方部分に違う度数のレンズが入る設計になっています。
世界で初めて開発したのがフランスのエシロール社で1959年。
僕がメガネ業界に入った約40年前には、そのバリラックスレンズの改良版バリラックスⅡがHOYAレンズとタッグを組んで、日本市場を圧巻していました。
価格も1組(左右)6万円ぐらいしてた記憶がありますね。
当時累進レンズは、レンズ表面が球面状でない事で、通常のレンズ研磨では出来ない為にレンズの型を作ってそこに素材を流し込んで成形していました。
当然レンズ設計は限られるし、型代の価格も高くなります。
(現在のレンズ設計と当時のレンズ設計は雲泥の差です)
現在の高スペックのレンズは、1枚1枚表も裏もフリーフォームで削りだしていますので、レンズ設計も自由に出来ますし、度数やメガネフレームの形状によって、最適な設計に変える事も可能になりました。
技術の進歩により、次に求められるのは、そのレンズを使うユーザーに最適なレンズを選択出来る技量となります!!!
折角高スペックなレンズでも、度数やレンズの設計を間違って選択してしまうと、逆効果になりかねません・・・
遠くから近くまで見える「遠近両用レンズ」には主に次の4パターン
上に書いた通り、レンズの上方部分と下方部分に異なる度数を入れる事で、焦点距離を変えているんですが、フリーホームで作る事でレンズ毎にその割合を変える事が可能になりました。
(この表は、当店が加盟しているボランタリーとHOYAレンズがオリジナルで設計したレンズです)
向かって左側の設計が、遠方の割合が広くて、右側に行くほど近方の割合が広いレンズ設計になっています。(右側3つが中近両用と呼ばれてるレンズ設計です)
またレンズメーカーはHOYAさんだけではありません・・・・
レンズの素人であるお客様に最適なレンズをお勧めするのは、メガネ店の重要な任務だと思いますし、それが出来ないと顧客満足度を上げる事が出来ません。
当店では、色々視環境について細かい事も聞き取りしているのはそのためです。年齢等も興味本位で聞いている訳ではありません(笑)
二人づれで来店されているお客様に、お二人の関係性を聞くことはありませんのでご安心下さい(笑)
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