2020年1月
寝た子を起こすと・・・・
人間の眼は左右に離れて二つあり、違う角度から見た微妙に違う像を一つに融像させて立体的に見ているのです。
ただ、左右の眼位が大きく違っていたり、度数が大きく違っていたりして、片目でしか物を見てない状態(モノビジョン)の方も一部おられます。
片目づつの矯正視力は良くても、左右の位置や大きさが違って融像出来ずに右眼左眼バラバラに二つに見えると不都合なので、脳は二つの内一つの像を消す(抑制)のです。
モノビジョンの方も生活する上では何の問題もありません・・・・
距離感が必要なスポーツや一部の仕事では不利ですが・・・・
前置きが長くなりましたが、
モノビジョンの方の寝ている片目を無理やり起こすと、複視(物が二つに見える)になったり、空間認識がおかしくなったり、眼精疲労を引き起こしたりする場合が多いので「寝た子を起こすな」と言われる事があります・・・
今回の事例
弱度遠視で左右差があり、大きい外斜位と上下斜位があります。
遠視は調節力でピントを合わす事が出来るので、裸眼視力は良好です・・・・
が、調節力が豊富な若いうちは問題無かったのですが、老眼の出る大人になると色々問題が出てくるのです・・・・・
遠視で眼精疲労が出るのは眼鏡業界では当たり前の事ですが、単純に遠視部分だけを矯正すると両眼視に問題が生じる場合があります。
外斜位がある遠視眼の場合、輻輳調節を使って凄い視力(2.0とか3.0)が出るとか(笑)そういう人に遠視だけ矯正してしまうと逆効果だったりします。
この方今まで使っていた眼鏡は、遠視だけを矯正したもので運転時等にだけ使用していました。普段からモノビジョンで見ているので遠視だけの矯正でも何も問題はありません。視力が良くない左側の視力も矯正されて視野は広くなります。
例えは良くありませんが、顔の左右側面に眼がある草食動物の見え方ですかね??? 獲物との距離が重要な肉食動物は顔の正面に左右眼があります。
話は変わりますが、プロのスポーツ選手でホークアイ(空の上からグランド全体を見ている感覚)の優れている方は眼位が広い方かな・・・・と、某有名競馬騎手や某有名サッカー選手のテレビ越しで見る眼を見て思っていたのですが、ノールックパスをガンガン決めるバスケットボール選手にはそういう見た目の眼の方はいませんよね・・・バスケットボールにはフリースローや3ポイントシュートがあり、距離感が非常に重要ですもんね。
今回はお客様の眼の状態を説明させていただいて、「寝た子を起こす」フレーズを気に入っていただき!?起こす事になりました・・・・
(当然起こさない選択肢もあります)
本日お渡しだったのですが(眼鏡の写真撮り忘れ)
お渡しの時「あっこういう事か・・・」と強い違和感
良くも悪くも違和感は今までと違う事を脳が感じて、発生します。
度数が目に合って無いのではなく、今までと違う見え方に違和感が出るのです。
今までは片目片目の見え方を脳が処理していたのを、両目の像を脳が融像して処理するのだから、脳の負担も大きくなります。(一般の方は普通に脳が処理してます)
慣れるのを優先するなら、プリズム入りの近用眼鏡→プリズム入りの遠用眼鏡(常用が必須)→プリズム入りの遠近両用と段階を踏んで慣れてもらうのも一つではあるのですが、覚悟と装用テストの感じを見て一気に行った方が良いと思っての提案でした。
慣れるのに一番脳が頑固な年代ではありますが・・・・
遠近両用を使いこなすには今しかないような気がします!!!
でも、どうしてもダメだったら一回だけは無料でレンズ交換出来ますのでご安心ください(笑)
[コメントする]消毒アルコール
テレビのワイドショーでは、新型コロナウイルスの事で持ち切りですね・・・
当店では、インフルエンザを含めて万全の対策を今のうちからしております!!
お客様が触れる、オートレフケラやフォロプターにアルコール消毒を!!
フィッテングにも、スタッフの手を消毒してからフィッテングいたします!!
お客様もいつでも消毒出来るようにカウンターの端に設置しました!!
空気洗浄機も2台(シャープ&ダイキン)稼働しております!!!
置くだけでウイルス除去するといわれるのを設置して
希望者にはマスクを配布します・・・・
まあ・・・・・
ブログネタですね(笑)
でもやらないよりはやった方がよいです・・・・
追記
検眼時には、安心安全のためマスクをさせていただきますのでご了承下さい。
[コメントする]ニューマシンとプリズムレンズ
昨年末にレンズ加工機を新しくしました!!
さすが最上位機種です!!
今までの機械では出来なかった事が、出来るようになりました!!
当店では、両眼視機能測定に力を入れていてそれなりの数のプリズム度数レンズを加工しています。
プリズムレンズとは、光を平行に曲げるレンズで眼位の補正に使用します。
プリズム度数が強いと片側だけレンズが極端に厚くなります。
上の上の作図したプリズムの図のままの形ですね(笑)
今までの機械だと、レンズが厚すぎて削る砥石よりも幅が出てしまったり、トレースの数値がエラーを出したりしてましたが、あっさり問題無く削れます!!
分厚い角の部分も、デザイン面取り機能でカットし鏡面加工でツルツルピカピカにして薄く目立たなくします。
ある程度は手摺りバフかけでも出来ますが、面取りのカーブとフレームのカーブがキレイに一致しないと不細工な仕上がりになります。
機械だとみごとに一致!!
そうとうな度数のレンズですが、きれいに出来上がりました!!
「-8.00で9Δout」制作範囲外のオーバー手配の度数ですが、そう強い度数に見えないように出来上がりました!!
この方この3年間で、三本目のプリズム眼鏡です。
三年前まではコンタクトで視力矯正しており、車をよくこすったり、仕事にも支障が出ていたそうです。
ちなみに息子の同級生のお姉ちゃんで平成生まれの医療関係の人です。
当店では、両眼視機能でそれなりの問題を抱えた方に、プリズム度数を入れた眼鏡を製作しております。プリズムを入れる割合は全然高くないですが、それでも結構な人数の方にプリズムレンズを愛用していただいております。
そのほとんどの方が、当店の商圏内の方です・・・・
人口密度が高くないこの地でも、両眼視に問題を抱えている方々がそれなりにいらしゃいます・・・・
(眼位異常は病気ではありません)
両眼視に問題を抱えてる本人も、自覚はあっても原因や理由は知らないのです。
決して当店の近隣だけに多い訳ではありません・・・・・
でもほとんどの眼鏡店が両眼視機能に力を入れておりません・・・・
確かに両眼視機能検査は知識とノウハウと経験が必要です。
視力が上がるだけの眼鏡は簡単に作れますが、快適に見える眼鏡は奥が深いのです・・・・
僕も最初の頃は、おっかなびっくりで、今でもビクビクです・・・・
一歩間違えると快適な質の高い見え方になってもらうつもりの度数が、逆効果の眼鏡になってしまうからです。
日々精進!!!
次の事例は・・・
次回にしましょ・・・・
[コメントする]新成人 By 鯖江市
「めがねのまちさばえ鯖江市」では、成人式で新成人にメガネが贈られるんです!!
今年で3回目で、今年も目に合った度付レンズを入れてほしいと新成人さんがフレームを持参していただいてます。
[ 20years old Anniversary 2020 ]
今年の新成人は2000年生まれなんですね!!
ニュースによると男女各3色三型18種類が約650人に贈られたとの事です。
[コメントする]二十歳なのに老眼!?
当店の電子カルテ(紙カルテ含)は1998年からの蓄積があります。
現在の眼を測るのには、数年前の眼のデーターは大いに参考になりますが10年以上前の古い眼のデーターは、現在の眼を測る上ではそう重要ではありません。
が、論文を書くには興味深い資料が蓄積されています。
今回の事例のY君20歳
初めて当店でメガネを購入いただいたのが、2006年の14年前(7歳)
眼科さんの処方箋で、右眼がゆる目の遠視眼・左眼が強目の遠視眼
(眼科で調節麻痺目薬を使用しないと正確に測れない例)
生まれたての赤ちゃんの眼はほとんど見えてなく、成長する過程で視機能も発達します。眼の発達時に眼を使わないと視機能に影響を及ぼします(弱視等)
遠視性の不同視(左右差が多い)場合、遠視が強い方の眼が視機能に影響がある場合が・・・・
Y君に話を戻して、その9年後2015年(16歳)にも眼鏡を購入
その時の度数は、右眼ほぼ正視(+0.25₌視力0.1)
左眼ゆるい遠視(+1.25C+0.5₌視力0.5)
完全矯正値の視力が右眼1.2左眼0.7よりも遠視側に度数を入れてます。
たぶんその時にメガネをかけていなかったため、眼の状態をしっかり説明をし、視機能や近見を考慮して裸眼視力よりも落ちる視力の眼鏡を常用してもらうようにしました。
2016年(17歳)にも眼鏡購入
しっかり掛け続けてくれて、視力が出にくい左眼も0.8まで出るように!!
今回2020年(20歳)眼鏡ご注文いただき・・・・
メガネをかけて無いので聞いてみると・・・
Y君「高校卒業して専門学校時代は眼鏡をかけていません」
俺「高校の時も裸眼でも見えていたのに眼鏡を掛け続けていて、卒業してからは何故掛けていないの???」
Y君「・・・・・・」
ま、色気が出る年齢的に解らない訳ではありませんが・・・・
右眼軽い近視・裸眼視力0.3矯正視力1.0
左眼遠視・裸眼視力0.1矯正視力0.5
最初近方視力も悪く輻輳近点も30㎝と全然遠い・・・
(眼筋をほぐすトレーニング後の輻輳近点と右眼の近方視力は改善されました)
固定クロスシリンダーとクロスグリッドで調節力を測定した時は問題が無いように見えた測定値も・・・・・
当店の調節機能測定マシンで測定してみると、
右眼は調節力はあるものの、近方視に問題がある・・・・
左眼は調節して近方の像にピントを合わすことが出来ず・・・
こういう場合は、遠方用と近方用の眼鏡の複数所持か、遠近両用眼鏡。
二年間左眼を使用して無かっただけで、今後眼鏡を掛け続けて自覚的なトレーニングで回復する事を願ってアシストレンズ(単焦点と遠近レンズの間のレンズ)で製作する事に!!
当店で「ブランドセットコーナー」のフレームを選べば、「アシストレンズ」も「遠近両用レンズ」も「薄型単焦点レンズ」も18,000円(税抜)で測定込みでお買い上げいただくことが出来ます!!!
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