特殊レンズ加工
緊急事態宣言、あけましておめでとうございます!
今となっては、緊急事態ってかなり大袈裟な言い方に聞こえますが・・・
あける前と後は、新年があけた時と同じようなものなのでしょうか?
特殊なデジタルとアナログなレンズ加工実例2例を紹介します。
デジタル編
段落ち的なステップ加工
普通のレンズ縁の加工はヤゲンと呼ばれる山状の加工をして、フレームの溝に合うようにするのですが・・・
今回は山の内側だけ、ザックリ削り取ります。
なんの為にこの様なレンズの縁加工をするというと、オークリーのサングラスは、万が一レンズが外れた場合、レンズが眼の方に行かないようにフレームの溝の目側(内側)だけ高くしてあります。
度の無い厚みの薄いサングラスレンズの場合だと、その内側の高い溝に干渉する事なく収まるのですが、度数が入ったふち厚が厚めのレンズだと、その部分に干渉してしまってレンズが収まらないため、その部分のレンズを削り取る必要が出てきます。
(オークリーのフレーム特性を良く理解していないメガネ屋さんでレンズ加工は注意が必要です)
当店のレンズ加工機は、
設定をしっかりすれば、機械が3D(立体的)できっちり削ってくれます!!
(この設定値を導くため初めて加工するフレームの場合は何度も試し摺るが必要になります)
(レンズ加工機械には、のべ何枚レンズ加工したかカウンターが付いているので、加工機メーカーはそのお店の繁盛状態が解るのですが、当店の場合試し刷りが多いため加工機メーカーはちょっと誤解してるかも知れません)
加工したフレームは、オークリー・アイジャケット・リダックス
(1994年に発売されたアイジャケットをアップディトした新型フレーム)
レンズのフレームカーブに合わせた、度数補正・プリズム補正を施した、ハイカーブ内面非球面レンズです。
レンズカーブは度数を考慮して若干浅めですが、レンズヤゲンカーブをフレームカーブに合わせ、歪やレンズ外れが無いようにきれいに加工しています。
当然プリズム補正は、その方の両眼視を考慮した補正値になっています。
色々考えてちゃんとしているのが伝わればOKですが伝わってますでしょうか?
アナログ編
けっこう強度のプラスレンズの遠近両用調光レンズ
プラスレンズはレンズ径を考えないと、とても分厚いレンズが来てしまいます
この画像は過去に何回も使用した画像です
上から2番目と、4番目が同じ度数ですが、発注を間違えると、こんなに厚みが変わってしまう例ですが・・・・
今やこんな事はあまり起こりません・・・・
最近はフレームをトレースしたデーターをデジタルで送ると、レンズ厚みを含め、端端までのレンズ設計までフレームに合わせたレンズがカットして届くのです!!!
ただ・・・・若干大き目で・・・・・
こんなに天地が狭く、角角したフレームは、フレームサイズに対してレンズがちょっとでも大きいと、ネジを締めるとレンズにヒズミが出てしまいます。
(角が無くまるくて大き目のレンズシェープだと分散されてヒズミが出にくいです)
裸眼では解りませんが、特殊フィルターを通して見てみると・・・・・
向かって右側がヒズミが出ている状態、向かって左側がヒズミを除去した状態
右側も最初はもっとひどかったのですが、除去してる途中にこのブログ写真を撮ろうと思いまだましの状態です。
レンズヒズミ除去作業には、フレームの修正(補正)も使うのですが、
ご覧のリム厚の為、フレーム修正はほとんどムリ・・・・
で、レンズをちょっとずつ、手で削っていきます!!!
(これがアナログです)
けっこうなプラスレンズなので、分厚いところと薄い所、8角形デザインですので角(頂点)が沢山あります。
手で削れば、薄い所は削れやすいし、角は無くなりやすいです・・・
ミクロの世界を手で感じて削る訳ですね!!!!
(ミリの単位の下がマイクロ(ミクロ)ですが、なにか)
昭和の僕の場合は、眼鏡学校でガラスレンズをダイヤモンドレンズカッターでカットし、カギ箱(死語)でガリガリして、セラミック砥石で手摺りしてたので頑張って出来ますが、これを若い人に承継する事は可能なのでしょうか・・・・・
眼鏡士の実技試験(加工)も平刷り(ヤゲンを作る前)から始めてたのが、ヤゲンの若干大き目からになったのも時代の流れ(加工機の進化)ではないでしょうか。
外からは解らない見えにくい事ですが、大変重要なことなので、手を抜かずに頑張っています!!!!
なにとぞ応援よろしくお願いします!!!
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