メガネのハートランド
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スタッフブログ

プリズム度数を使った両眼視

技術的お話

当店では10年以上前から両眼視機能まで考えたメガネ作りに取り組んできました。

 

綺麗ごとを書くと、

眼鏡を使用するお客様にとって快適になるように・・・・

眼鏡専門店なら、当たり前である事・・・・

 

ですが・・・・

 

プリズム度数はそう簡単ではないのです・・・・

短期的な商売(儲け)として考えたら、深く考えずプリズムの事をスルーした方が賢いやり方だと思います。

未知の部分も多い人間の身体の事ですから、絶対的なマニュアルを作る事は出来なく、深い知識と経験値が必要になってきます・・・・

 

僕にそれが備わっているかと聞かれると・・・・

まだまだ全然わからない方が多いと思います。

が、当店のお客様のご協力のおかげで、それなりの経験値は上がってきています。

 

今回ご紹介する2例は、

かなり過去にプリズムメガネを使用したその後の特殊事例

(買い替えの2回目3回目のプリズム度数メガネは記事にしにくいのです)

 

1例目

 

フレームはオンビートさんのチタンシートをレーザーで切り取り、溶接することなく仕上げた初期型ですね!!

8年前に購入いただいています。

 

当時入れた度数が

RV=S+3.5 1.5ΔOUT

LV=S+1.5 1.5ΔOUT

 

このお客様、両眼視がマストな職業で、深視力を合格するため当店に相談に来店いただいたような気がします。

 

当時この度数で30代、片眼づつの裸眼視力は良好でしたから、メガネの選択肢は普通ありません。

(遠方遠視眼は調節力が旺盛な30代までは裸眼視力は良好になります)

図

(遠視は網膜より後方に焦点が合いますが、水晶体で調節する事によりピントがあいます)

 

この方の度数の数値だけの変化を見たら、両眼とも同じ変化のように見えますが・・・・

 

当時に調整した度数は、あえて使用している左眼を雲霧的な遠視の過矯正にして、使用していない右眼を強制的に使用するような度数にしました。

 

当然裸眼で見るより見えにくいメガネになります・・・・

 

これは時限的な方法で、数カ月して右眼も機能しだしたら度数を替える予定でした・・・

(本人にも説明して了承済みのはず)

 

気がつけば8年が経過していました(汗)

 

ただ8年間しっかりこのメガネを使用し続けていただけていました。

 

 

遠視系の不同視(左右の度数の差が大きい)場合、度数の強い方の眼は、遠くも近くも見えにくいため度数の少ない方の眼しか使わない現象が起こります。

視機能が発達する幼児期(8歳ぐらいまで)に、片眼をほとんど使わないと、視機能自体が阻害され一生視力が上がらなくなる恐れがあります(弱視)

 

この方も幼児期には「アイパッチ」による訓練はちゃんとしていた記憶が合って、弱視にはならずに片眼づつの矯正視力は良好です。

ただ、両方の眼を正しく使う両眼視は良好ではありません

(30年ぐらい前のアイパッチによる訓練は両眼視まで考えた訓練はほとんど無かったかも知れません)

(両眼視の訓練はブロックストリングスが一番簡単で効果的です)

(ブロックストリングスはこのブログで何回も説明しているので今回は割愛)

 

結論は、半強制的に使っていた右眼が近視化して、雲霧をかけていた左目の雲霧と解く度数になりました。

両目が安定しだした事で上下のプリズムも検出できました。

 

普通内斜位の場合の輻輳近点は近くなるのに、寄せ目が上手く出来ません。

(8年前も不思議がってたとお客様に指摘された)

(その場合注意しないといけないのは、調節性内斜位)

(本来は正視もしくは外斜位なのに遠視の未矯正により調節が入り内斜位になる現象)

(小さい時期に斜視手術を受けている場合にも多い)

 

近い将来は、近用専用眼鏡が必要なると思います。

(遠近両用で、遠用と近用のプリズム度合いが変えられると便利なんだけど)

(一度インセット量をあえてメイイッパイにした遠近を作って見たかったので試したい)

(この度数でインセットをメイイッパイにしても誤差の範囲か・・・・)

 

大分長くなったけど頑張って2例目・・・・

10年前に上下のプリズムレンズを入れたが、

RV=S-6.25C-1.0AX5 3ΔUP

LV=S-7.25C-1.25AX155 3ΔDOUN

2週間後にプリズムを外して再制作していました。

 

10年前の事なんで、まだまだ我々の経験値が低かったのか、あっさりレンズ交換した記録が残っていました。

(今の我々の経験値なら、慣れそうもない(使いこなせない)方にはプリズムレンズを作りません)

つい最近、このお客様が超久々に来店いただいて・・・・

「白内障の手術をしたら、物が二つに見えるようになった」

との事です。

 

たまにあるのですが、白内障の術後に複視になるケース

 

この方の場合は完全に、元からあった斜位が、眼内レンズを装着して、メガネの度数が緩くなった事と、老化した水晶体が人口水晶体(眼内レンズ)にしたために、しっかり見えるようになったためだと容易に考えられます。

 

普段から「かかりつけ眼鏡店」を持っていると経年変化が解って大変良いと思います。

(当店はかかりつけ眼鏡店にとっても適してると思いますが(笑))

(もちろんかかりつけ病院もたいせつです)

 

10年前にかけれなかったプリズムメガネ・・・・

今回はすんなりかけれるようになりました。

(かけれる理由かけれない理由は沢山あるのですが割愛)

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