何歳まで進む?
先日視力測定をする時に、お客様から「いったい、いつまで進行するの?」と質問を受けました・・・
検査する前の第一声だったので・・・
一瞬間が開いて・・・
「死ぬまでかも・・・・」と答えてしまったのですが・・・
(反省)
一瞬の間に色々考えていました。
ふつうお年寄りからこの質問が来るときは「老眼」の事がほとんどなんです。
「老眼」とは、加齢による毛様体筋の調節力不足なんですが、
成長が止まった時から、加齢(老化)が始まり、40歳過ぎにスマホ(25㎝)を見る事に必要な4Dを下回り、70歳で調節力がほぼ無くなるので・・・
「70歳ごろまで」が正解なんですが・・・・
そのお客様は、その年齢を超えてそうな感じだったので上の答えに。
若い方に質問された場合は、「成長が止まるまで」と答えるのが正解
生まれた直後の眼軸長は17㎜程度で、正視眼なら遠視(網膜より後ろで焦点)調節を使ってピントを合わせてたのが、眼球が成長する事により眼軸長が伸び正視に・・・
また、最初から正視や近視の場合は、眼軸長が伸びる事により近視化します。
で今回測定し製作したレンズがこちらの度数のレンズ!
前回の度数が
RV=S-0.25C-1.50AX80 ADD2.75
LV=S±0.00C-2.00AX125 ADD2.75
今回の度数が
RV=S±0.00C-2.25AX75 ADD2.75
LV=S+0.25C-2.00AX120 ADD2.75
と、2年間で度数も調節力もそう変化していないのだが・・・・
本人の進んだ感覚は、眼位量が上下で1Δ左右で2Δ増やした方が良くなった事。
乱視度数は、最終的にはしっかり合わせた方が良いのですが、人間の眼と脳が補正をかけるため、その人の状況をよく把握しないとうまくいかないのです。
普段メガネを常用していない方(単性乱視等)に強めの乱視矯正をしてもダメな場合が多いのです。
今後常用するのかしないのか。常用するならしっかり目の方が良いのか緩めから始める方が良いのか。ユーザーに理解してもらった上に体感していただき、今一番良い度数を導いていきます。
乱視だけでは無くプリズム度数や加入度数、球面度数、レンズ設計までも同じように考えなければいけません。
度数を測定するだけの時間はそう掛からなくて、マニアル化もそれほど難しくは無いのですが、そこから後の度数決定は、たいへんな知識と経験が必要な気がします。
後輩に、一つ一つの事例は、何故この度数に決定したかはちゃんと説明出来るのですが、同じパターンなんか一つも無く、一つでもお客様の状況が違えば、違う度数になる場合があるのです。
難しい話になりましたが、「何歳まで進む?」の今回の事例は、進んだというより、「より適正な度数にアップデイトした」が答えで・・・・
「死ぬまで変化する」ではなく「何歳になっても修正が必要なんですよ」か
「生きている限り成長しているのですよ」かな・・・
(もっと良い答えがないものか?)
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