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スタッフブログ

白内障手術後のメガネ

技術的お話

白内障とは、眼の中の水晶体の混濁が原因で視力が低下する病気です。

特に多いのが加齢に伴う加齢白内障です。

(僕が若い時に習った名称は老人性白内障だった気がする)

 

眼球は唯一外から直接観察できる臓器で、眼科医師が覗けば診察出来ます。

 

白内障の手術は、濁った水晶体を取り除き、人工水晶体と言われる度の付いたレンズを眼内に入れる手術で、最近では日帰りで行う眼科さんもありますね。

 

その眼内レンズには度数がありますので、その度数を決定する場合必ず患者さんの意見を聞かれます。

 

人工水晶体には調節力が無いため、遠くに焦点を合わせるのか近くに合わせるのか?

今までのままで行くのか?等々・・・

左右同一時期に手術する場合と、片方の眼だけする場合等があります。

 

その眼内レンズの度数を調整すれば、今まで近視で遠く(近く)を見るためにメガネをかけていた方が、メガネをかけなくても遠く(近く)を見えるように事も可能です。

 

ただ、度数が強いメガネをかけていた方が片眼だけ手術をする場合には、注意が必要です。

(片眼だけ眼内レンズでメガネが要らない度数の眼内レンズを入れると左右の度数差が付き過ぎる為)

 

で、今回の事例・・・・

 

88歳のおばあ様

8年前からの当店の顧客様です。

軽い遠視眼で、当時の裸眼視力は問題が無かったのですが、物が二つに見える複視状態との事で当店でプリズム度数が入ったメガネをご注文いただいております。

8年間で5本のメガネをご注文いただいていて、徐々にプリズム度数を増やしたメガネを注文いただいています。

 

約1年前に作っていただいたレンズが

これで、度数はS+0.5C+0.5AX180加入が+2.0のそう度の強くない遠近両用ですが、片眼で8Δ両眼で16Δのベースアウト(内斜位)のプリズム度数が入っているため、耳側のレンズの厚さが厚くなります。

 

でこの方(まだ入院中)が手術前に眼科医師に「遠くを見えるようにしますか?近くを見えるようにしますか?」と聞かれた時に・・・・「近くが見えるように・・・」と答えたそうです。

 

眼鏡作製技能士の方ならこの答えがどうだったかは直ぐに理解できるとおもいますが・・・

 

このおばあちゃんの周りの白内障手術をした方々は、手術後メガネ無しで良く見えるようになった方ばかりで、年齢的に近くをメガネ無しで見えた方が良いと考えるのは間違いではありません。

 

ただ、大きい内斜位(眼位異常)がある場合は、眼内レンズで屈折異常を修正しても、内斜位値までは変わりません・・・・

 

でも大丈夫です!!眼内レンズの度数に合わせたΔ(プリズム)メガネをかければ、遠くも近くもしっかり見えるはずなのでご安心いただき退院ごのご来店をお待ちしております。

(1年前の矯正視力は0.5ぐらいだったので、手術後に作るメガネはもっともっと視力が上がる事が予想されます)

 

ほとんどの方は大丈夫だと思いますが、特別な度数のメガネをかけている方は、白内障手術前にかかりつけ眼鏡店にも相談すると良いかも知れませんね!

(メガネが要らなくなることをあえて阻止しようとするメガネ屋さんはいない事を願いたい)

 

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