枠替え
眼鏡小売り業界で言う「枠替え」とは、今使用しているメガネのレンズを使って、フレームを新しいフレームに入れ替える事です。
今回は、写真上のフレームから、そのレンズを用いて、下のフレームに入れます。
当然、今使っているフレームよりも小さく無いとレンズは使用できません。
今回は、強度近視の遠近両用・・・
強度のレンズ更に遠近両用となると、眼の幅(PD)レンズの角度(水平)左右の高さのズレは許されません。
右側のレンズは機械でギリギリかかって削れたのですが、左側のレンズは何故か機械の計測が出来ずにSOSが僕にきて、完全(フリーハンド)手摺りモードです・・・・
レンズを全く削ったらいけない部分と思いっきり削らないといけない部分があり、難易度はMAX!!!
(上のメガネと下のメガネの形状が違いすぎますね(笑))
ブログネタにしようと思って、写真を撮った状態はある程度全体の形を整えてる段階です。
(写真下のレンズ)
このような砥石でレンズを削って行くのですが、レンズ加工機の進歩で、レンズの面取りぐらいにしか手摺り機は使用しないため、荒摺りの砥石は付いていません・・・
(当店の最上位のレンズ加工機は面取りまでも加工出来ます)
現在僕自身はレンズ加工はほとんどやっていないのですが、ややこしい手摺り加工だけは回ってきます。
昔取った杵柄で!!!!
問題なく仕上がりました!!!
(フレームは鶴瓶さんも愛用しているユニオンアトランテックUA360)
全く削ってはいけない部分はそうなんですけど、その削ってはいけない地点のギリギリ両サイドはちゃんと削らないと隙間が出来てしまう事を削りながら思い出しました(笑)
この技術の承継は、座学だけでは伝える事は困難で・・・・その技術が必要な場面もそう多くないのです。
機械で削った右レンズは、全く削ってはいけない部分は、元のレンズの鏡面(艶出し加工)が残ったままですが、手摺りの左レンズは、薄皮一枚分(数ミクロン)削れてしまいます。
(この後両方のレンズをしっかり整えます)
国家検定「眼鏡作製技能士」の実技試験にもレンズ手摺り加工の試験があるのですが、難易度は・・・・
よく物づくりの現場で「職人の技術」の話が出てくるのですが、近い将来にはテクノロジーがその上を行ってしまうのでしょうね・・・・・
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