論文!? 網膜に調整機能!
実際論文を書いたことが無いので、勝手なイメージでいつものこのブログの様に書いてみる。
日頃お客様の度数を測っていると、調節(ラグ)(リード)をルーティーンで全員の方に測っていると、白内障術後(人口水晶体)の方も調節ラグ&リードが出る事がある。
調節力の無い人口水晶体(眼内レンズ)なら、完全矯正後の眼にプラスレンズをかけた場合の焦点距離は、+2.5Dの場合は40㎝、+3.0Dの場合は33㎝になるはずで、ラグ&リードは生じないはず。
調節ラグと調節リード
(眼鏡光学出版 眼鏡学ハンドブック)
同、眼鏡学ハンドブックによると、
近視進行中に眼内で何が変化するか?
で、近視が進行するのは、水晶体の屈折によるものか、眼軸長によるものかの議論が40年前からあって、眼軸長の長さが測れるようになった現代では、眼軸長が長くなる事で大部分が説明出来るようになっています。
(約40年前眼鏡学校では、仮性近視が近視になると習った記憶があるぞ・・・(水晶体説))
(ところで当時皆が言っていた仮性近視ってなに?死語?)
眼軸長が長くなる現象は、近方視が多い現代において、水晶体の調節だけではピントが合わしきれない為に、眼軸が伸びてピントを合わせるようになる現象
そこで、本題!!
「眼軸が伸びるのなら、水晶体では無く、網膜にも調整機能があるのではないか?」
と仮説を立ててみた!
角膜の屈折力は約 40D,水晶体の屈折力は約 20D で眼軸長は約24㎜
計算すると、眼軸長が1㎜長くなるだけで4Dの変化がおこる。
(過去に勉強会で計算しました)
メガネの度数で1段階の0.25Dは0.06㎜変化しただけで変わるのである。
たった0.1㎜でメガネの度数でいうと約2段階変わるのです。
そこで人口水晶体眼と天然水晶体眼を両方もつ被験者が近くに居るので実験してみました!!
(昨年8月に網膜剥離の為左眼だけ人口水晶体に当店の店長がしています)
まず被験者に近方33㎝が一番焦点が合う度数が(完全矯正値を右+1.0D左+0.25D)
右(健康眼55歳)+3.25Dで一番見やすい距離33㎝(0.75D調節)
左(人口水晶体眼)+3.00Dで一番見やすい距離33㎝(0.0D調節)
近づけてボヤケ出す距離
右+3.25D で27㎝(1.5D調節)
左+3.00D で27cm(1.0D調節)
離してボヤケ出す距離
右+3.25D で40㎝(0.0D調節)
左+3.00D で37㎝(-0.17D調節)
調節幅
右眼 0~+1.5D
左眼 -0.17~+1.0D
この数値だけ見ると、人工水晶体眼でも調節幅がある様に見える・・・
クロスシリンダーと十字視標を用いた調節反応を見ると、
40㎝で
右眼は、+1.75D
左眼は、+2.5D
と期待値通りの数値・・・・
当店には、他覚的に調節を測れる機器があるので試して見ると
なんと!調節幅は無水晶体眼の方が、水晶体眼の倍ある!!!!
(0.1Dと0.2Dなんで、誤差の範囲ですが・・・)
ま、どっちも調節力が弱すぎて(笑)
ただ微動のグラフが、無水晶体眼の方が頑張り用が無いためか一定・・・・
更に当店で新規導入した、他覚測定装置!!
OPDスキャンⅢ!!
(まあまあの車が買える価格です)
もしかして、角膜の状態がタマタマ遠近両用コンタクトの様に度数が2種類出ている??
(そんな事は自然にはあり得ませんが)
ま、高次収差もそう無く凄く良い状態です!!
最後に、自覚での強制調節をフリッパーで試してみました!
もう健康な右眼の調節力も少ないので±1.0のフリッパーは無理なので(汗)
±0.25と±0.5で試したのですが、右眼は±0.5までは頑張れたのですが、無水晶体眼の左眼は、マイナスレンズは全然だめで、0と+0.5までは頑張れる!!!
以上の事を踏まえて・・・・
検体は1例だけですが・・・・
なんとなく見えてきました!!!!
【網膜は、前位置にはずらせませんが、後ろ位置には、ほんの僅かにズラス事が出来るのではないか!?
それで年数をかけて眼軸がだんだん長くなる!!!(特に成長期)】
あくまで仮説ですが・・・・
まんざらでは無いような気もする!!!
若年で無水晶体眼の検体があれば激しく求みます。
(外傷性・アトピー性・白内障等、眼内レンズの手術歴がある方)
この、引用した眼鏡光学出版㈱ 発行 「眼鏡学ハンドブック」
難しい事が色々書いています。メガネ屋をしていて知りたいことがだいたい書いてあるので、かなりお勧めです!!
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