近視の内斜位
当店では両眼視まで考慮して、メガネの度数を決めています。
人間の眼が一つだけならすごく簡単なんですが、人間の眼は左右に二つあって、その二つが連動しあっているので、考慮する事が沢山あるのです。
近視・遠視・乱視・老視は片眼だけでも測定出来ますが、文字通り両眼視は両眼同時にしか測定出来ません。
基本的な両眼視機能検査というのは、左右眼の遠・近方の眼位・輻輳・開散・調節を測定します。当店では、度数測定する場合、全員にルーティンで眼位・調節は測定して、必要と思う方には輻輳力・開散力も測定しています(輻輳や開散力測定は目に負担がかかりますから)
今回ご紹介する例は「近視の内斜位」
測定データーの写真は小さいため、興味のある技術者の方は拡大してみてください。
まずは、内斜位で注意しないといけない事は、調節性内斜位
本当は内斜位では無いのに、近くを見る時のような目の動きで、調節と輻輳を起こして一時的に内斜位になっている状態の事。
これ、コロナ禍が始まった初期の頃、学校も休みになり外出も近視で家の中に引きこもって近くばかり見ていた小学生に出た事は、4年前のこのブログでも報告しております。
このお客様は18歳の男性で、二年前にメガネを作った時にも、内斜位の説明をしている事は当店のカルテにも記載されていました。
斜位とは、
寝ている時とか意識の無い状態には左右別々の方向を向いている左右眼が、同じ点を見る時に同じ方向を平行に見る事で、最初の状態と後の状態の差が斜位量です。
このズレが全くない人は本当にいなくて、誰でも多少なりとも調整をして物を見ています。
その左右のズレが凄く大きい場合は、眼筋に負担がかかる為、眼筋力を鍛えるか、
プリズムレンズで負担を軽減する事が出来るんです。
(このブログでこの図を何回使った事か(笑))
この図の場合は外斜位で、内斜位の場合は内側にズレています。
人間の眼の調整力は、寄せ目(輻輳力)のほうが、広げ目(開散力)より強いので、内斜位眼の方が厄介な眼ともいえるのです。
たぶん100年以上前に人間の眼の輻輳力や開散力を何百人も調べた外国の偉い方「モーガンさん」が出したデーター!!「モーガンの標準値」
当店のシステム機器の中にも収録されています。
輻輳力#9が19Δに対して、開散力#11が7Δ・・・・
確かに輻輳力が圧倒的に多いのですが・・・・・
100年間もこのデータを参考にしているのは、その後もさほど変わっていないせいなのか???
100年前の欧米人の状況と、現代の日本人の状況ではだいぶん違うと思っているのは僕ぐらいでしょうか(謎)
常々、斜位量をゼロに矯正してからの、現代人の輻輳余力と開散余力の数値、数百人分を集計したいと思っているのですが(真剣)そのデーターを纏めれたら「新マルヤマの標準値」となずけられるのでしょうか(笑)
(モーガンはプリズム矯正なしで測定しているので、内斜位者より外斜位者の方の人数が多ければ、輻輳余力は小さくなり、開散余力が大きくなってるはずです)
ただ、110年前の100メータ走のタイム「ドナルドリッピンコットが10秒6」現在の世界記録が「ウサイン・ボルト9秒58 2009年」と、人間の身体能力って、100年ぐらいじゃそう大きく変わらん気がする・・・(100mで1秒ってすごく大きいのでしょうが、たった1秒しかともとらえられます)
えっと、前置きの文章で頑張りすぎたので、本題に入る前に、次回に続きます(汗)
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