メガネのハートランド
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失敗事例 by 調節

技術的お話

メガネを作るのに、度数を測ります。

 

視力が上がるだけの度数を測るのは、そう難しくは無いのです。

 

ただし快適でしっかり見える度数を測るのは、そう簡単ではありません。

 

一番厄介なのが、調節機能

 

図

遠方の像を網膜の中心窩に焦点を合わせるために、角膜と水晶体のレンズで屈折させるのですが、角膜の度数は変化しませんが、水晶体の度数は変化するのです。

 

図

上方の図は、正視の方の遠方視

下方の図は、近くを見ている時の近方視

 

携帯のカメラでも一眼レフでもビデオカメラでも、遠くの物に焦点を合わせた後、近くの物に焦点を合わせるとボヤけて、オートフォーカス機能が働いてピントが合う・・・

今のところ人間の眼の機能より早いオートフォーカス機能は無いと思います。

 

この水晶体が膨らんだり縮んだりしてピントを合わす機能が「調節」機能!

 

人間の眼の機能は、機械みたいに単純にフォーカスしている訳では無いので検査に当たって一番厄介なんです。

 

検査している時に、水晶体がどの状態になっているかを正確に想像把握していないと、ちゃんとした眼鏡が出来上がりません・・・

 

さらに眼は二つあり、眼位や輻輳等によっても調節が連動されるのでより複雑です。

(視機能は自律神経に支配されているので、脳や心の状態にも連動されます)

 

 

過去ブログ ↓ 負の調節

https://heart-land.jp/archives/38839

 

「日本眼鏡学会ハンドブック から引用」

「第4章 調節

調節安静位

どこを見る事もなくボーッと見ているときには、遠点にピントが合った状態ではなく、それよりも若干近くにピントが合っている。これは生理的調節緊張状態とよばれてるが、そのときのピントが合っている位置は調節安静易とよばれる。

調節の名称

調節安静居位から近方に向かう調節を正の調節(単に調節)とよび、調節安静位から遠方へ向かう調節を負の調節とよぶ。」

引用終わり

 

正の調節は自律神経の副交感神経を使い負の調節は交感神経を使用します。

ただこの事(負の調節)は眼鏡業界にはあまり知られていません・・・・

(最近の論説なのか?)

 

水晶体の状態を考えつつ、負の調節をちゃんと意識していれば、近視の過矯正はそうおこらないのですが・・・・

 

 

で失敗例・・・・

 

 

コロナでの緊急事態宣言が出た自粛期間中の一部の学生さんのメガネを制作するのに検査・・

 

その時期このブログでも、ピントフリーズを注意する事を何回か書いた記憶があるのですが・・・

 

当然、調節を剥がす方法を数種類試して、大丈夫だろうと決定した度数が・・・・

 

調節を剥がし切れて無かった事例・・・2件・・・・

ピントフリーズ現象による視力低下・・複数件

 

恐るべき緊急事態宣言・・・ステイホーム・・・・

 

社会的不安の中で、家の中に留まり遠方を長時間見ない生活が続くと、子供たちの眼はこうなるのか・・・・と、まざまざと感じた期間でした。

 

TVでは季節性の風邪が流行っていると不安をあおっております・・・

外出時には感染予防対策を・・・・・・

 

 

 

追記

記事の中に書いた負の調節的な微調節・・・・

水晶体だけでなく眼伸でも若干おきてると仮定してみる

計算上角膜から網膜までの長さが1㎜変わると約4D変化する。

0.5Dなら0.25㎜変化するだけで微調節が出来る。

調節不可能な人工水晶体(眼内レンズ)を装着した人でも若干微調節していると思ってるのは僕だけでしょうか・・・・

 

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