ハナモリ インジェクション編
金属フレームの鼻パットは大概金属アームで作られていて、それを調整すれば自身の鼻の形状に合わせれるのですが、プラスチックフレームの場合、鼻パットが低くて自身の鼻の形状に合わない場合があります。特に海外仕様のフレームの場合などは、鼻の高い欧米人の鼻に合わせる形状になっている場合が多いので、鼻の低い日本人の鼻の形状に仕様変更が必要になる時があります。
このブログで何回もハナモリの記事は書いていますので、是非ハナモリで検索してみてください・・・・僕も検索してみましたが・・・・なんとへたくそな記事内容にびっくりしました(汗)
ハナ・モリ「HANA MORI」
↑6年前に書いた記事ですが、文面を読まなくても写真で解る記事です。
過去のハナモリの記事はだいたい溶着が可能な、セル生地かアセチ生地でした。
今回紹介するハナモリは、溶着が困難なインジェクション生地の場合の一例
僕の私物のオークリーのインジェクションフレーム
だいぶん前に購入した物で、現在はほとんど使用してないので、サンプルにしてみました。
色々出っ張ってるところを削り取り・・・
右側と左側を別の形状のアームを取り付けてみました。
溶着タイプの鼻パットのアームなら穴を開けないで出来るので、やり直しが容易ですが、穴を開けて固定する今回の場合は、取り付ける位置も重要になります。
[コメントする]べっ甲フレーム
持ち込みのべっ甲フレームにレンズを入れる依頼がありました。
過去にこのブログで何回か鼈甲フレームの記事を書いているせいか、べっ甲フレームの修理等の問い合わせ等は色々とお受けしています。
景気の良い時代には販売実績も結構あったりします。
現在も30年以上も前からのプライベートなお付き合いがある、長崎のべっ甲アクセサリー製造業者さんが、べっ甲のメガネフレームを作りたいとの事で色々プロジェクトにかかわっていたりするので、べっ甲フレームも得意ではあるのです。
今回持ち込まれたオール甲と呼ばれる、総鼈甲フレーム
お客様が言うには30年前ぐらいに購入したとおしゃってますが、製造したのはもっと前だと思われます。(飾りカシメピンは10金の感じ)
写真は再研磨後なので、ピカピカして新しく見えますが・・・・
どこのメガネ屋さんに行ってもレンズを入れる事は断られたそうです。
そりゃあそうだろうと思います・・・・
オール甲を扱った事が無かったり、べっ甲フレームの価格を考えるとリスクは取りたくありませんよね。
当店も完全なウエルカムでは無く、もしレンズ加工中にフレームに問題が生じた場合には修理代等がかかる事等ご理解いただいた場合に限り受けさせていただいています。
(フレームの状態によってはお断りする場合もあります)
(若干の虫食い箇所も確認してもらったのですが、再研磨でほとんど目立たなくなりました)
なんの問題も生じる事無く、きれいに仕上がりました!!
写真のフレームはずいぶん前の物ですが、
鼈甲フレームを新しくオーダーメイドで製作も出来ますので、ご予算に余裕のある方は是非ともご用命ください!!
[コメントする]乱視とは
メガネ屋さんでメガネを作る為に検査する時、
↑こんな視標を見せられて「時計で言うと何時数字の線が濃く見えますか?」
とか、
こんな視標を見せられて「1番の見え方と2番の見え方とを比べてどちらが鮮明に見えますか?」
との検査を受けた事があると思います。
どちらも乱視の自覚検査の時に行う検査です。
(当店では時計の視標の検査はほぼ行っていません)
眼鏡技能製作士の国家検定では、上記のどちらか一つを選択して受験します。
座学で主に学ぶ「乱視」とは、
よく球技のボールに例えられて「バスケットボール」みたいな眼球が乱視が無くて「ラクビーボール」みたいな眼球が乱視だと言われています。
角膜を正面から見た時に、レンズの縦のカーブと横のカーブが違っていて、焦点の合う位置が違う場合ですね。上記の画像で言うと右上の「乱視」で、網膜に対しての焦点の位置で、更に分類が解れます。
一応検査の原理を書くと、放射線(時計)の乱視の出し方は、雲霧(焦点を網膜の前方)をかけ、濃く見えるラインにマイナス乱視の軸を合わせて、濃さを均等にしていく方法。
当店が主に行っている方法は「クロスシリンダー法」で
プラスの度数とマイナスの度数が均等に入った乱視レンズを用いる検査方法で、今から100年前に考案された方法です。
だいぶん前に考案された方法ですが、いまだにこれ以上の自覚検査は無いと思います。
もちろん原理は解っていますが、ここに書くと大変で、書いてもあまり意味が無いので割愛しますが、理屈が解って検査しているのと、理屈が解らずマニアル通りに検査するのとは精度が全然違うと思いますが・・・・・タブン原理が解って検査している方は少数だと思っているのは僕だけでしょうか(笑)(アクマデコジンテキケンカイデス)
このクロスシリンダー法は原理だけでは無く、経験値と想像力が問われる検査です。
自慢すると、40年前の眼鏡学校時代の3か月の眼科研修で、派遣された大学病院での検査には他覚検査機(オートレフ)はよっぽどじゃ無いと使用させてもらえず、テストレンズだけで何十人の眼を測っていく作業を経験しました。学生の勉強の場でもある大学病院だったからこそ当時は他覚機器を使用する事に限定的だったのだと思いますが、ズワーと並んだ患者さんの眼を次から次とパズルを解くみたいに視力を出していくのは結構楽しかった記憶があります。
タブン何人もいる検査員でダントツに早く視力が出せたと思います。
大学病院の眼科に来る患者さんは、(矯正)視力自体が出にくい方が多くて、そこでの検査は、最高視力がどれだけ出るかだけが重要で、メガネの度数の処方とは違うので早ければ早い方が良いのです。ただドクターに解りやすい用にカルテに度数と視力の変化も記入してましたので、最高視力の最弱度をしっかり意識して検査していました。
眼鏡制作技能士の実技の国家検定には、他覚機器の測定数値も示されているので、実技試験で他覚値を示さない方がしっかり実力が解ると思うのですが(笑)難易度が極端に上がってしまいますね(汗)
話が逸れました・・・・・
本題は座学で学ぶ乱視は、機械で製作したような眼の話で、実際の眼はそう単純ではないのです。
当店で導入している測定機器の中にこんな機器があります。
角膜に同心円上の光を反射させて、角膜の形状をスキャンする機械です。
「OPD-ScanⅢ」
これで測定すると、座学で学んだ「乱視」とずいぶん違う眼をお持ちの方が散見されます。
この方などは、極端に言うと乱視の軸が3つもあるのです。
機械も(円錐角膜疑い38.9%)の表記
オートレフ的な数値は、乱視の平均値的なものを出すので、水平方向にマイナス軸(直乱視)が表記されますが、クロスシリンダーではアッチに寄ったりコッチに寄ったりで、最高視力も全然違う乱視の角度でも出るのです。
(Aの角度の乱視もBの角度の乱視もCの角度の乱視も同程度の視力が出てレフの数値では視力が出ないという複雑さ)
上記の普通の乱視では、乱視の角度が大きく変われば視力差が大きく出るので、乱視の角度を大きく変えても視力が出る事は普通ないのです。
クロスシリンダーを用いた検査で違和感がある場合のOPDスキャンの数値はこのような複雑な場合が多いのです。
ただ、そのような乱視に完璧に対応できるメガネのレンズは現在は無いので、後は対処療法的な優先順位の順にでレンズを選択していきます。
ちなみに、上のような形状の方の視力は、しっかり1.0以上出ているのです。
ただ、同じ1.0の視力でも、見え方が違うのです。
例えばの例であげると、画素数の違い的な・・・・
当店では、顧客満足度を少しでも上げようという思いから検査機器にも投資をしています。
NHKで放送されてから問い合わせが多くなった
NHKあしたが変わるトリセツショーから引用
↑この機器や、今回の機器!!
今回紹介しているOPDスキャンは、まあまあの車が買えるお値段なんですよ・・・・
当店の検査機器の検査は、メガネを購入してもらうための検査なので、高額な機器を使用しても検査代としての料金はいただいていません。
(検査だけを目的とした検査はしていません)
メガネ代金が割高になっている訳でもありません。
(普通のメガネ屋さんの料金体制です)
今回の機器は補助金を活用はしていますが、それなりにメガネを販売しないと経営が成り立ちませんし、活用した補助金以上に税金も納めないといけません・・・・
何が言いたいかは、お察し下さい(笑)
お察しいただけたとは思ってますが・・・・・
ハッキリ書くと色々頑張っていますので当店でメガネを買って欲しい(笑)
[コメントする]マイナスドライバー
写真のメガネフレームのブリッジ(鼻)の部分にマイナスネジ4本でプラのパーツと金属のパーツが留めている状態がご覧いただけているでしょうか
見た目的にもカッコヨクするために、プラスネジでは無くマイナスネジを使用する事が多いのです、しかも写真のネジは金色の竜頭になっていますね。
これは、銀色のネジに金メッキを施したものです。
当店では、お買い上げいただいたメガネはレンズを入れて、お渡し前にすべてのネジは締め直してから、最終フィッテングをします。
でこういう飾りネジ的なマイナスネジは、ネジ頭の太さとピッチがピッタリ合ったネジ回しで締めないと、ネジの頭が不細工にへこんだりメッキが剥がれたりしてしまう為注意が必要なんです!!
こういうネジは製造の段階でも緩めにしか締めていない気がするのは僕だけでしょうか(笑)
店頭では、ピッチに合うマイナスドライバーを更に研ぎ直してから、締め直してからお渡ししています。
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