メガネのハートランド
福井県鯖江市産の眼鏡を販売。認定眼鏡士のいるお店。
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ニューマシンとプリズムレンズ

昨年末にレンズ加工機を新しくしました!!

さすが最上位機種です!!
今までの機械では出来なかった事が、出来るようになりました!!

当店では、両眼視機能測定に力を入れていてそれなりの数のプリズム度数レンズを加工しています。

プリズムレンズとは、光を平行に曲げるレンズで眼位の補正に使用します。

プリズム度数が強いと片側だけレンズが極端に厚くなります。

上の上の作図したプリズムの図のままの形ですね(笑)

今までの機械だと、レンズが厚すぎて削る砥石よりも幅が出てしまったり、トレースの数値がエラーを出したりしてましたが、あっさり問題無く削れます!!

鏡面面取り割合を30%50%の試し削り

分厚い角の部分も、デザイン面取り機能でカットし鏡面加工でツルツルピカピカにして薄く目立たなくします。



ある程度は手摺りバフかけでも出来ますが、面取りのカーブとフレームのカーブがキレイに一致しないと不細工な仕上がりになります。
機械だとみごとに一致!!

そうとうな度数のレンズですが、きれいに出来上がりました!!


「-8.00で9Δout」制作範囲外のオーバー手配の度数ですが、そう強い度数に見えないように出来上がりました!!

この方この3年間で、三本目のプリズム眼鏡です。
三年前まではコンタクトで視力矯正しており、車をよくこすったり、仕事にも支障が出ていたそうです。

ちなみに息子の同級生のお姉ちゃんで平成生まれの医療関係の人です。


当店では、両眼視機能でそれなりの問題を抱えた方に、プリズム度数を入れた眼鏡を製作しております。プリズムを入れる割合は全然高くないですが、それでも結構な人数の方にプリズムレンズを愛用していただいております。
そのほとんどの方が、当店の商圏内の方です・・・・
人口密度が高くないこの地でも、両眼視に問題を抱えている方々がそれなりにいらしゃいます・・・・
(眼位異常は病気ではありません)
両眼視に問題を抱えてる本人も、自覚はあっても原因や理由は知らないのです。

決して当店の近隣だけに多い訳ではありません・・・・・
でもほとんどの眼鏡店が両眼視機能に力を入れておりません・・・・
確かに両眼視機能検査は知識とノウハウと経験が必要です。
視力が上がるだけの眼鏡は簡単に作れますが、快適に見える眼鏡は奥が深いのです・・・・
僕も最初の頃は、おっかなびっくりで、今でもビクビクです・・・・
一歩間違えると快適な質の高い見え方になってもらうつもりの度数が、逆効果の眼鏡になってしまうからです。

日々精進!!!



次の事例は・・・

次回にしましょ・・・・

二十歳なのに老眼!?

185セット

当店の電子カルテ(紙カルテ含)は1998年からの蓄積があります。

現在の眼を測るのには、数年前の眼のデーターは大いに参考になりますが10年以上前の古い眼のデーターは、現在の眼を測る上ではそう重要ではありません。
が、論文を書くには興味深い資料が蓄積されています。

今回の事例のY君20歳
初めて当店でメガネを購入いただいたのが、2006年の14年前(7歳)
眼科さんの処方箋で、右眼がゆる目の遠視眼・左眼が強目の遠視眼
(眼科で調節麻痺目薬を使用しないと正確に測れない例)

生まれたての赤ちゃんの眼はほとんど見えてなく、成長する過程で視機能も発達します。眼の発達時に眼を使わないと視機能に影響を及ぼします(弱視等)
遠視性の不同視(左右差が多い)場合、遠視が強い方の眼が視機能に影響がある場合が・・・・

Y君に話を戻して、その9年後2015年(16歳)にも眼鏡を購入
その時の度数は、右眼ほぼ正視(+0.25₌視力0.1)
左眼ゆるい遠視(+1.25C+0.5₌視力0.5)
完全矯正値の視力が右眼1.2左眼0.7よりも遠視側に度数を入れてます。
たぶんその時にメガネをかけていなかったため、眼の状態をしっかり説明をし、視機能や近見を考慮して裸眼視力よりも落ちる視力の眼鏡を常用してもらうようにしました。

2016年(17歳)にも眼鏡購入
しっかり掛け続けてくれて、視力が出にくい左眼も0.8まで出るように!!

今回2020年(20歳)眼鏡ご注文いただき・・・・
メガネをかけて無いので聞いてみると・・・
Y君「高校卒業して専門学校時代は眼鏡をかけていません」
俺「高校の時も裸眼でも見えていたのに眼鏡を掛け続けていて、卒業してからは何故掛けていないの???」
Y君「・・・・・・」

ま、年齢的に解らない訳ではありませんが・・・・

右眼軽い近視・裸眼視力0.3矯正視力1.0
左眼遠視・裸眼視力0.1矯正視力0.5
最初近方視力も悪く輻輳近点も30㎝と全然遠い・・・
(眼筋をほぐすトレーニング後の輻輳近点と右眼の近方視力は改善されました)

固定クロスシリンダーとクロスグリッドで調節力を測定した時は問題が無いように見えた測定値も・・・・・

当店の調節機能測定マシンで測定してみると、


右眼は調節力はあるものの、近方視に問題がある・・・・
左眼は調節して近方の像にピントを合わすことが出来ず・・・

こういう場合は、遠方用と近方用の眼鏡の複数所持か、遠近両用眼鏡。

二年間左眼を使用して無かっただけで、今後眼鏡を掛け続けて自覚的なトレーニングで回復する事を願ってアシストレンズ(単焦点と遠近レンズの間のレンズ)で製作する事に!!

当店で「ブランドセットコーナー」のフレームを選べば、「アシストレンズ」も「遠近両用レンズ」も「薄型単焦点レンズ」も18,000円(税抜)で測定込みでお買い上げいただくことが出来ます!!!








ヨークトプリズム

以前、県外在住の学生さんが当店でメガネを購入される時に、今使用中の眼鏡(他店購入)に左右共にベースダウンプリズム(同方向)が入っていた事がありました。
通常両眼視を考えた上で入れるプリズムは左右逆方向のプリズムを入れます。
(左右プリズムの場合は鼻側をベースイン耳側をベースアウトとなり、両眼ベースーインでもプリズム方向は左右逆方向になります)

当店では行うことの無い左右共ベースダウン処方に、何か意図があるのか解らないため、懇意にしていた眼鏡学校の先生に質問をしたことがありました。

引用
同じ方向にプリズムを入れることを「ヨークトプリズム」と呼びます。
目的&使用例
①同名半盲(右側or左側どちらか半分の視野欠損)での視野補填に使われます。欠けている方向にベースを入れます。
②眼球運動がある方向のみ苦手なケース。例えば前回の丸山さん(質問)の例ですと。左右ともベースダウンが入っている人だと下方視が苦手でそちらの視野を補う目的で入れます。
③偏った空間視
床がどうしてもせり上がって空間知覚するなら左右ともベースダウンを入れます。
④眼振が視線方向で不安定なとき、安定する視線方向と同じになるよう。プリズムを入れます。

キクチ眼鏡学校 吉原先生との2016年のメールより引用

ネットでヨークトプリズムと検索しても何も引っかかりませんが、英語で検索すると海外のサイトが引っかかります。(以前FBで同業者さんが検索してくれました内容は英語で解りませんが画像で何となく解る)

前置きが長くなりましたが、今回の事例は、黄斑膜を患って左右眼ともに中心部分の視野が欠損していて、ちょっとでも良いので眼鏡で見えるようにならないかとの事。
既に眼科にかかっていて治療中で、当然当店では病気の事は解りません。
が、メガネを作る事は出来ます。
視野欠損と言う事で、上記のヨークトプリズムの事を思い出しテストレンズで試してみました。
上下左右4パターンで、同じ方向に中くらいの量のプリズムを入れてみる。
「何となく上方向と右方向が良い」
次に右斜め上を試してもらうとそれが一番いい感じがする。
次にプリズム量を増減してみました。
一番よさそうなプリズム量にして、自分で回して左右のプリズム方向のベスト地点を探してもらいました。
この方法があっているかどうかは解りません・・・・

最後にプリズムが有った方が本当に良いのかを、ある場合と無い場合を比較確認してもらって、出来上がった眼鏡です。

普通当店で斜め方向のプリズムを入れる場合は、外側に何プリズム、上側に何プリズムと表記します。(縦と横を別々に測る為)直角三角形の底辺と高さですよね!!直角三角形の斜めの角度が方向で斜めの長さがプリズム量です。
三角関数が出来ないと眼鏡屋にはなれません(笑)
サイン・コサイン・タンジェントだったかな・・・・
写真のレンズ袋のP8.00 P軸145 の所ですね!!
これから底辺と高さを割り出さないといけません!!!!

が、最近のメガネ屋さんのデジタル機器は進歩していて、

座標入力しておけば、普通に印点を打つだけなんです。
(完全に同業者向けブログになってますね笑)

また、眩しさも感じていて、コントラストも上げたい事から「東海光学さん」の遮光レンズ(CCP)を使用しました。
約30色の色から、本人に一番最適なカラーを体感いただきながら決めるレンズですね。

この遮光レンズは、視覚障害の手帳を有していて条件に合えば、公的な補助を受けれることもあります。


このほぼ同じ方向に入れたプリズムがどのくらい有効かは本人しか解りませんが、後付けですが僕なりに考えると、
見たい方向に視線を向けると、中心の視野が欠損しているので見たい方向と違う方向を見て周辺視野で見ている。
あえて固視ズレをおこして周辺視野で見る(固視ズレの表現が適当かどうかは解らない)
見たい方向の、1m先で8㎝(10m先で80㎝)斜め下を見ている(下方視)する事により眼位が安定する。
今回のブログの内容は、一般の方には難しいと思いますが、書く事でアウトプットになって、一番僕が役に立ってます!!!
(こういう内容は読むのは短時間ですが、書くのは相当時間がかかります)
(最後まで読んでいる人ははたしているのか)


レンズの熱クラック

技術的お話

PL法(製造物責任法)が始まった頃は、プラスチックレンズのマルチ(多層膜)コートの使用上の注意を、お渡しの時に説明してました。

「プラスチックテンズの反射防止(多層膜)コーティングは熱に弱く、素材のプラスチックと金属コーティングの熱膨張率が違うためにひび割れが起きる現象の事を熱クラックといい、夏場の車中の放置だとか、サウナとか焚火だとかに注意してください」みたいな・・・


今回のお客様、サウナにメガネ着用のまま入られて・・・・

写真では解りにくいですが、コーテングがバキバキです・・・・

高温のサウナに入っていたらこうなったそうです・・・・・

特殊フィルターを通してレンズを見てみると、レンズ自体が変形してしまってます。(当店で販売・加工したメガネは全て歪計でチェックしてます。販売時にはこのような変形はありませんでした)

僕が眼鏡業界に入った時は、ガラスレンズとプラステックレンズの割合が半々ぐらいだったのが、現在はよっぽどの指定が無い限りプラスチックレンズとなってます。(安全面・重さ等から)

当店オリジナルの取り扱い説明書には詳しく解説しておりますが、周知の事実だとなってきているので、説明は簡素化されているのが事実です。


初詣などの焚火にも注意してくださいね・・・・

スマホ老眼(ピントフリーズ)

技術的お話

最近、スマートフォーン等の普及でスマホ老眼等が問題になっております。

長時間画面の小さいスマホの画面を凝視し続けることで、ピント筋(毛様体筋)が収縮した状態が常態化して、元の状態に戻らない状況です。

正視で無限遠を見ている状態



正視で近方視をしている状態

眼は近くを見る時に、水晶体というレンズを膨らましてピントを合わせているのです。

当店に設置しているオートレフケラという測定器で、他覚的(覗いてるだけ)で測定した結果です。
13歳中一の女の子です。
見方は、12月8日 一回目14時19分 右S-2.00 (近視の度合いで数値の大きい方が視力が良くない)(乱視等は割愛)
が、9分後の14時28分 右S-1.00 と半分の数値になっています。
(こんだけ度数が変わっているのに角膜のカーブと度数は変化なし)

これは、近くを見ている状態のままの水晶体(二番目の図)がフリーズして、戻りきらずに他覚検査をしてしまうと、実際の眼よりも強く(S-2.00)出てしまい、調節(フリーズ)を解除してやる事により、本来の度数(S-1.00)が測定出来た事を示します。

当店が使用しているレフケラ(ARK-1s)は比較的新しい機種で、調節が入らないよう雲霧を自動的に行っている機種ですが、それでも上のデータみたいに数値が大きく変わって出る事があります。

ピントフリーズしたままの状態を気が付かずにそのままメガネを作ってしまうと・・・・・・
実際の眼の状態よりも強すぎる度数のメガネになり、近視が進んでしまう原因の一つになりかねません。

当店のスタッフは、そうなら無いような測定方法をとってますし、そうなら無いように注意して測定しています。
(特に弱年齢層のお客様には、近視抑制のアドバイスをなるべくしています)


この内容のブログを書こうとした数日後の別のお客様

12歳の女の子
12月13日 1回目17時40分 2回目11分後の15時51分

通常時間を離して2回づつオートレフケラ(他覚測定器)をする事は無いのですが、ブログで紹介しようと思い測らしてもらいました。

12歳の女の子の方は、13歳の女の子よりも強めに調節を外す作業を行ったのですが、結果は1回目の測定とほぼ変わらず・・・・
(ピントフリーズでは無いと)

眼科では、調節麻痺剤(目薬)を点眼して、お薬により調節を解除して測定する場合があります。

当店では、低年齢の児童の初めての眼鏡の場合や、眼科受診を先にした方が良いと判断した場合等は、まず眼科さんの受診をお勧めしています。




技術的お話
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