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ハナモリ インジェクション編

オークリー

金属フレームの鼻パットは大概金属アームで作られていて、それを調整すれば自身の鼻の形状に合わせれるのですが、プラスチックフレームの場合、鼻パットが低くて自身の鼻の形状に合わない場合があります。特に海外仕様のフレームの場合などは、鼻の高い欧米人の鼻に合わせる形状になっている場合が多いので、鼻の低い日本人の鼻の形状に仕様変更が必要になる時があります。

 

このブログで何回もハナモリの記事は書いていますので、是非ハナモリで検索してみてください・・・・僕も検索してみましたが・・・・なんとへたくそな記事内容にびっくりしました(汗)

 

ハナ・モリ「HANA MORI」

↑6年前に書いた記事ですが、文面を読まなくても写真で解る記事です。

 

過去のハナモリの記事はだいたい溶着が可能な、セル生地かアセチ生地でした。

今回紹介するハナモリは、溶着が困難なインジェクション生地の場合の一例

僕の私物のオークリーのインジェクションフレーム

だいぶん前に購入した物で、現在はほとんど使用してないので、サンプルにしてみました。

 

色々出っ張ってるところを削り取り・・・

 

右側と左側を別の形状のアームを取り付けてみました。

 

溶着タイプの鼻パットのアームなら穴を開けないで出来るので、やり直しが容易ですが、穴を開けて固定する今回の場合は、取り付ける位置も重要になります。

 

 

 

 

 

 

 

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乱視とは

技術的お話

メガネ屋さんでメガネを作る為に検査する時、

↑こんな視標を見せられて「時計で言うと何時数字の線が濃く見えますか?」

とか、

こんな視標を見せられて「1番の見え方と2番の見え方とを比べてどちらが鮮明に見えますか?」

との検査を受けた事があると思います。

 

どちらも乱視の自覚検査の時に行う検査です。

(当店では時計の視標の検査はほぼ行っていません)

眼鏡技能製作士の国家検定では、上記のどちらか一つを選択して受験します。

 

座学で主に学ぶ「乱視」とは、

よく球技のボールに例えられて「バスケットボール」みたいな眼球が乱視が無くて「ラクビーボール」みたいな眼球が乱視だと言われています。

 

角膜を正面から見た時に、レンズの縦のカーブと横のカーブが違っていて、焦点の合う位置が違う場合ですね。上記の画像で言うと右上の「乱視」で、網膜に対しての焦点の位置で、更に分類が解れます。

 

一応検査の原理を書くと、放射線(時計)の乱視の出し方は、雲霧(焦点を網膜の前方)をかけ、濃く見えるラインにマイナス乱視の軸を合わせて、濃さを均等にしていく方法。

 

当店が主に行っている方法は「クロスシリンダー法」で

プラスの度数とマイナスの度数が均等に入った乱視レンズを用いる検査方法で、今から100年前に考案された方法です。

だいぶん前に考案された方法ですが、いまだにこれ以上の自覚検査は無いと思います。

 

もちろん原理は解っていますが、ここに書くと大変で、書いてもあまり意味が無いので割愛しますが、理屈が解って検査しているのと、理屈が解らずマニアル通りに検査するのとは精度が全然違うと思いますが・・・・・タブン原理が解って検査している方は少数だと思っているのは僕だけでしょうか(笑)(アクマデコジンテキケンカイデス)

 

このクロスシリンダー法は原理だけでは無く、経験値と想像力が問われる検査です。

 

自慢すると、40年前の眼鏡学校時代の3か月の眼科研修で、派遣された大学病院での検査には他覚検査機(オートレフ)はよっぽどじゃ無いと使用させてもらえず、テストレンズだけで何十人の眼を測っていく作業を経験しました。学生の勉強の場でもある大学病院だったからこそ当時は他覚機器を使用する事に限定的だったのだと思いますが、ズワーと並んだ患者さんの眼を次から次とパズルを解くみたいに視力を出していくのは結構楽しかった記憶があります。

タブン何人もいる検査員でダントツに早く視力が出せたと思います。

大学病院の眼科に来る患者さんは、(矯正)視力自体が出にくい方が多くて、そこでの検査は、最高視力がどれだけ出るかだけが重要で、メガネの度数の処方とは違うので早ければ早い方が良いのです。ただドクターに解りやすい用にカルテに度数と視力の変化も記入してましたので、最高視力の最弱度をしっかり意識して検査していました。

 

眼鏡制作技能士の実技の国家検定には、他覚機器の測定数値も示されているので、実技試験で他覚値を示さない方がしっかり実力が解ると思うのですが(笑)難易度が極端に上がってしまいますね(汗)

 

話が逸れました・・・・・

 

本題は座学で学ぶ乱視は、機械で製作したような眼の話で、実際の眼はそう単純ではないのです。

当店で導入している測定機器の中にこんな機器があります。

 

角膜に同心円上の光を反射させて、角膜の形状をスキャンする機械です。

「OPD-ScanⅢ」

 

これで測定すると、座学で学んだ「乱視」とずいぶん違う眼をお持ちの方が散見されます。

 

この方などは、極端に言うと乱視の軸が3つもあるのです。

機械も(円錐角膜疑い38.9%)の表記

 

オートレフ的な数値は、乱視の平均値的なものを出すので、水平方向にマイナス軸(直乱視)が表記されますが、クロスシリンダーではアッチに寄ったりコッチに寄ったりで、最高視力も全然違う乱視の角度でも出るのです。

(Aの角度の乱視もBの角度の乱視もCの角度の乱視も同程度の視力が出てレフの数値では視力が出ないという複雑さ)

 

上記の普通の乱視では、乱視の角度が大きく変われば視力差が大きく出るので、乱視の角度を大きく変えても視力が出る事は普通ないのです。

 

クロスシリンダーを用いた検査で違和感がある場合のOPDスキャンの数値はこのような複雑な場合が多いのです。

ただ、そのような乱視に完璧に対応できるメガネのレンズは現在は無いので、後は対処療法的な優先順位の順にでレンズを選択していきます。

 

ちなみに、上のような形状の方の視力は、しっかり1.0以上出ているのです。

ただ、同じ1.0の視力でも、見え方が違うのです。

例えばの例であげると、画素数の違い的な・・・・

 

当店では、顧客満足度を少しでも上げようという思いから検査機器にも投資をしています。

 

NHKで放送されてから問い合わせが多くなった

NHKあしたが変わるトリセツショーから引用

↑この機器や、今回の機器!!

 

今回紹介しているOPDスキャンは、まあまあの車が買えるお値段なんですよ・・・・

当店の検査機器の検査は、メガネを購入してもらうための検査なので、高額な機器を使用しても検査代としての料金はいただいていません。

(検査だけを目的とした検査はしていません)

メガネ代金が割高になっている訳でもありません。

(普通のメガネ屋さんの料金体制です)

 

今回の機器は補助金を活用はしていますが、それなりにメガネを販売しないと経営が成り立ちませんし、活用した補助金以上に税金も納めないといけません・・・・

 

何が言いたいかは、お察し下さい(笑)

 

お察しいただけたとは思ってますが・・・・・

ハッキリ書くと色々頑張っていますので当店でメガネを買って欲しい(笑)

 

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遮光レンズ

先日に遮光レンズの講習会がオンライン(ZOOM)で開催されたので参加いたしました。

 

講師は東海レンズさん。

 

遮光レンズとは、

1・まぶしさを抑える

2・暗くならない

3・コントラストを高める

 

開発はじめ1988年の頃は、網膜色素変性の患者さん用として眼科さんにアプローチを開始したレンズとの事。

 

まぶしさを感じる波長は、人間が見える可視光線の中でも、紫外線に近い短波長の領域です。

バイオレット光とかブルーライト光と言われている領域です。

 

当店にはすでに、この東海光学さんのCCPシリーズレンズの取り扱い店で、体験レンズは常備していて

実際にレンズを通して体感する事が出来ます。

 

光の波長(色)による見え方の違いなどもあり、当店ではかなり前からファッションだけではない機能的にサングラスの色を決めている経緯があります。

 

で、最後の質疑応答で質問してみました!

「このシリーズのカラーにはブルー系が無いのには意図がありますか?」

の返答は・・・

「ブルー系のカラーは黄色系の波長をカットするので・・・・」

 

上の図の遮光レンズの特徴を考えると、明るさを感じる中間波長領域は黄色系なので、そこをカットしてしまうと遮光レンズでは無くなってしまうという事でしょうか・・・・

 

TALEXの偏光レンズなどはいち早く波長(色)と偏光フィルターの組み合わせによるレンズを開発販売して来ていて、それを深く理解出来ているお店しか販売できないプロショップ制を取っています。

 

この東海光学の遮光レンズも限定の取り扱い制を取っています。

当店はしっかり取扱店になっていますので、ご相談は当店までお願いします。

 

また公的な補助が出る要件の場合もありますので、眼科さん等にご相談されてもいいと思います。

当店では公的な補助の対象者じゃない方のご相談にも色々受けていますのでお気軽にご相談くださいませ。

 

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成長期の調節ラグ

当店の検査内容には、遠近両用や老眼を測定する場合にはもちろん、若年層の方にも調節系の検査(調節ラグ)を必須で検査項目に入っています。

 

今回、成長期でお顔の顔が大きくなって、メガネが小さくなったと12歳中1女子

 

1.5年前(小学生)の時に購入いただいた、今のメガネの矯正視力が0.8とちょっとだけ落ちているのですが・・・・成長期としての変化はそう多くは無い印象です。

 

問題は上にも書いた調節ラグが・・・・

 

若年層は調節力が十二分にある為、近くを見る時に調節しすぎる傾向にあるのですが・・・・

 

この子の場合左右共に+1.75D・・・・まるで老眼(50歳)ぐらい・・・・

 

この場合疑わないといけないのは、調節のフリーズ現象・・・・・

(近くを見続ける状態が続くと水晶体が調節をしている状態で、その状態のまま測定してメガネを作ると近視の過矯正になってしまい近視化が促進されてしまう)(調節機能は自律神経に支配されている為、自律神経が安定していない時にも起こる可能性がある)

 

で、当店の秘密兵器、調節微動測定機で他覚的に測定してみました。

(全然秘密ではありません)

(某TV番組で紹介された測定機器です)

NHKあしたが変わるトリセツショーから引用

↑ここでも書きました。

 

驚きの測定結果がコレ・・・

 

普通この年齢ならば、カラー表示の数値が階段状に上がって行く場合がほとんどなんだけど、調節していない・・・縮瞳はレフの画面からも見て取れるほどなんですが、ブルブル無理している微動(赤く表示)は測定出来ずに、安定状態・・・

マサニ老眼・・・

 

最初の聞き取りの時に

「メガネはかけてる?」に対して「ハイ」だったので、

もう一度

「メガネはズーットかけてる?」に対しては、

「授業中とテニスの時だけ」

 

輻輳近点も問題なく、

念のため、近方視力も

問題無し・・・・

メガネをかけずに近方視して、無調節状態で近くを見る事の悟りを開眼したみたい・・・

 

当店では行っていませんが、若年層にも遠近両用レンズを使って、近視抑制を狙う方法もあるみたいですが・・・・

僕的には、調節とマイナス調節機能をちゃんと使ったうえで、近視抑制した方が人間の機能としては正しい気がするのですが・・・・どうなんでしょうか??

 

この子の場合、受験がある公立の中学校に通っているので、無調節で俯瞰的に教科書等を見る方が良いのでしょうか(笑)

 

色々書いていますが、当店は診察も診断もいたしませんし出来ません。

 

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NHKあしたが変わるトリセツショーから引用

技術的お話

まずは・・・・・

文化庁の「第32条第1項」から引用・・・・

 

【「引用」】(第 32 条第 1 項)
報道、批評、研究等の目的で、他人の著作物を「引用」して利用する場合の例外です。例え
ば、以下のような行為が該当します。
・報道の材料として他人の著作物の一部を利用する
・自説の補強や他人の考え方を論評するために他人の著作物の一部を利用する
【条件】
1 すでに公表されている著作物であること
2 「公正な慣行」に合致すること(例えば、引用を行う「必然性」があることや、言語の著
作物についてはカギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること)
3 報道、批評、研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること(例えば、引用部分と
それ以外の部分の「主従関係」が明確であることや、引用される分量が必要最小限度の範
囲内であること、本文が引用文より高い存在価値を持つこと)
4 「出所の明示」が必要(複製以外はその慣行があるとき)
※美術作品や写真、俳句のような短い文芸作品などの場合、その全部を引用して利用するこ
とも考えられます。
※自己の著作物に登場する必然性のない他人の著作物の利用や、美術の著作物を実質的に鑑
賞するために利用する場合は引用には当たりません。
※翻訳も可

「引用終わり」

 

ま、条文には著作権がないので引用しなくても良いのですが・・・

この条件を満たすように引用させていただきます。

 

2024年4月25日にNHKで放送された「あしたが変わるトリセツショー」

メガネの小売店業界ではザワついた内容でした(笑)

 

まず「8割はメガネがあっていない!?」と言われる根拠となった「調節機能解析装置」

あまり設置しているところは少ないと解説していましたが・・・・

当店には、しっかり設置しています!!

 

が、番組内みたいに、メガネが合っているか合っていないかの判断には使用していませんので、一度測定してみてだけのリクエストにはお答えできかねます事をご了承下さい。

 

この装置はこの番組に出演していた梶田先生と機器メーカーが開発した装置です。

測定は、眼に調節の負荷をかけて微動を測る装置で、結構身体に負担がかかるため必要と感じた方を主に検査しております。

 

「新感覚!極上メガネ」として紹介されたレンズ度数ですが、

(他覚値データも自覚値データも判りませんが)

アップされた画面だけで判断すると、近視レンズと乱視レンズとプリズムレンズと遠近レンズが装用されている様に見えますね。

 

出演者の「近藤千尋さん」の仮枠にも複数枚のレンズが確認出来て、内1枚は累進(遠近orアシスト)レンズだと思われます。

 

番組の取り扱い説明書(トリセツ)は下記のサイトからダウンロードできます。

https://www.nhk.or.jp/program/torisetsu-show/2024_megane.pdf

 

その中にある「毛様体筋くん」に負担をかけないとあります。

過大解釈しないように書きますが、ある程度は負荷をかけないと、「劣化!?」(言葉が解らない)する恐れもあります。

(適切な運動は必要です)

(楽をし過ぎてもいけません)

 

しかし、出演者の「石原さとみ」さん「近藤千尋」さんメガネをオシャレにかけこなしてますね!!

 

話が若干変わるのですが、毛様体筋(調節筋)に過度な負担をかけない事は、眼精疲労の軽減につながる事は間違いないのですが、成長期の子供に調節を抑制する事によって近視予防になるかどうかの研究がおこなわれています。

 

これも過大解釈する方がよくいて、近視のメガネをかけない方(度数が緩すぎるメガネ)が、近くを見る時に調節しなくても見えるから、眼が悪く(近視化)ならないのでは?

(メガネをかけると目が悪くなる説)

という方がいますが、近くを見る時には「近接性輻輳」(近くを見ている事に脳が反応)「融像性輻輳」(右目の像と左目の像を一つにするように脳が反応)と自律神経が勝手に反応します。

この反応を受けて若年年齢の方は調節が勝手に働いてしまい、焦点距離を近くにしてみるようになります。

 

僕が近視予防に最適だと思うのは、調節抑制では無く、番組内にもありましたが、

遠くを見る事!

ぼ~~ト見るのではなく、数百メータ離れた校舎の屋上の視力表(ランドルト環)を凝視するように見る事!(VTRでは片目を塞いでいる子供もいましたが両目で見た方が良いと思います)

 

図

とくに近くを見続けた後には、遠方視をして

図

水晶体を精一杯伸ばすようにした方が良いと思います。

 

近視でメガネをかけなかったり、緩すぎるメガネの度数では、遠方に焦点が合わない為、この働きがおこりません。

 

当店では、

図

無調節状態では、網膜の若干前に焦点が合うようにして、頑張って遠方を見る時に焦点が合うような度数になるように心がけています。

 

眼鏡業界にとっては、近視化が進んだ方が市場規模が拡大するのに、国内の市場規模がそう拡大しないのは・・・・・

 

 

 

 

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