技術的お話
NHKあしたが変わるトリセツショーから引用
まずは・・・・・
文化庁の「第32条第1項」から引用・・・・
【「引用」】(第 32 条第 1 項)
報道、批評、研究等の目的で、他人の著作物を「引用」して利用する場合の例外です。例え
ば、以下のような行為が該当します。
・報道の材料として他人の著作物の一部を利用する
・自説の補強や他人の考え方を論評するために他人の著作物の一部を利用する
【条件】
1 すでに公表されている著作物であること
2 「公正な慣行」に合致すること(例えば、引用を行う「必然性」があることや、言語の著
作物についてはカギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること)
3 報道、批評、研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること(例えば、引用部分と
それ以外の部分の「主従関係」が明確であることや、引用される分量が必要最小限度の範
囲内であること、本文が引用文より高い存在価値を持つこと)
4 「出所の明示」が必要(複製以外はその慣行があるとき)
※美術作品や写真、俳句のような短い文芸作品などの場合、その全部を引用して利用するこ
とも考えられます。
※自己の著作物に登場する必然性のない他人の著作物の利用や、美術の著作物を実質的に鑑
賞するために利用する場合は引用には当たりません。
※翻訳も可
「引用終わり」
ま、条文には著作権がないので引用しなくても良いのですが・・・
この条件を満たすように引用させていただきます。
2024年4月25日にNHKで放送された「あしたが変わるトリセツショー」
メガネの小売店業界ではザワついた内容でした(笑)
まず「8割はメガネがあっていない!?」と言われる根拠となった「調節機能解析装置」
あまり設置しているところは少ないと解説していましたが・・・・
当店には、しっかり設置しています!!
が、番組内みたいに、メガネが合っているか合っていないかの判断には使用していませんので、一度測定してみてだけのリクエストにはお答えできかねます事をご了承下さい。
この装置はこの番組に出演していた梶田先生と機器メーカーが開発した装置です。
測定は、眼に調節の負荷をかけて微動を測る装置で、結構身体に負担がかかるため必要と感じた方を主に検査しております。
「新感覚!極上メガネ」として紹介されたレンズ度数ですが、
(他覚値データも自覚値データも判りませんが)
アップされた画面だけで判断すると、近視レンズと乱視レンズとプリズムレンズと遠近レンズが装用されている様に見えますね。
出演者の「近藤千尋さん」の仮枠にも複数枚のレンズが確認出来て、内1枚は累進(遠近orアシスト)レンズだと思われます。
番組の取り扱い説明書(トリセツ)は下記のサイトからダウンロードできます。
https://www.nhk.or.jp/program/torisetsu-show/2024_megane.pdf
その中にある「毛様体筋くん」に負担をかけないとあります。
過大解釈しないように書きますが、ある程度は負荷をかけないと、「劣化!?」(言葉が解らない)する恐れもあります。
(適切な運動は必要です)
(楽をし過ぎてもいけません)
しかし、出演者の「石原さとみ」さん「近藤千尋」さんメガネをオシャレにかけこなしてますね!!
話が若干変わるのですが、毛様体筋(調節筋)に過度な負担をかけない事は、眼精疲労の軽減につながる事は間違いないのですが、成長期の子供に調節を抑制する事によって近視予防になるかどうかの研究がおこなわれています。
これも過大解釈する方がよくいて、近視のメガネをかけない方(度数が緩すぎるメガネ)が、近くを見る時に調節しなくても見えるから、眼が悪く(近視化)ならないのでは?
(メガネをかけると目が悪くなる説)
という方がいますが、近くを見る時には「近接性輻輳」(近くを見ている事に脳が反応)「融像性輻輳」(右目の像と左目の像を一つにするように脳が反応)と自律神経が勝手に反応します。
この反応を受けて若年年齢の方は調節が勝手に働いてしまい、焦点距離を近くにしてみるようになります。
僕が近視予防に最適だと思うのは、調節抑制では無く、番組内にもありましたが、
遠くを見る事!
ぼ~~ト見るのではなく、数百メータ離れた校舎の屋上の視力表(ランドルト環)を凝視するように見る事!(VTRでは片目を塞いでいる子供もいましたが両目で見た方が良いと思います)
とくに近くを見続けた後には、遠方視をして
水晶体を精一杯伸ばすようにした方が良いと思います。
近視でメガネをかけなかったり、緩すぎるメガネの度数では、遠方に焦点が合わない為、この働きがおこりません。
当店では、
無調節状態では、網膜の若干前に焦点が合うようにして、頑張って遠方を見る時に焦点が合うような度数になるように心がけています。
眼鏡業界にとっては、近視化が進んだ方が市場規模が拡大するのに、国内の市場規模がそう拡大しないのは・・・・・
[コメントする]成長期の方に伝えてる事
この5月のゴールデンウイーク時期は、学生さんが多く来店いただきます。
4月の進入学を過ぎての大型連休で、メガネの事を考える時期なのでしょうか。
近視の進行のメカニズムとしての一因として、近くばかり見ている事が上げられます。
人間の身体は、走ってばっかりいると足が速くなり、
勉強ばっかりしてると、勉強出来るようになります。
同じように、近くばっかり見ていると、近くが見えやすくなるんです。
(老眼は除かせて)
ちゃんカワイさんがTV番組でアフリカで遠くばかり見ていたら、遠方視力が上がった事実もあります。
(過去このブログで紹介した記憶が)
スマホ等のディバイスの発達で世界中で近くを見る時間が増え、世界中で近視が増えているのも事実です。
今日の(2024年福井新聞7面から引用)新聞にも「小中高生の視力低下深刻」となっています。
今日の新中学1年生の男の子、昨年小学生の頃に購入いただいていたのですが、この1年で凄く大きく成長されて、メガネが小さくなってしまって新しくしにいらっしゃったのですが、度数がそう進んでいないのです!!
更にその前のメガネと前回のメガネの8カ月間の進み方が早かったので、近視が進む原理と日常生活での眼の使い方やストレッチの方法をレクチャーしていたのですが、それをしっかり1年間実践していてくれたらしいのです!!!
(成長期で近視が進みそうな方にはだいたい話していて、最後のオチもいつも一緒なので、前にも聞いたと言われるとかなり恥ずかしいです(汗))
(普通は直ぐに忘れてるので何回でも使えるネタですが、覚えてくれててちゃんと実践してくれていると嬉しく思います)
次の事例
新中学2年生の男の子、さっきの方がテニスでこの子が野球!スポーツ少年は(も)良いですね(笑)
来店理由がメガネが見にくくなった事でしたが、1年前に作っていただいたメガネと度数自体はほとんど変わっていなかったのです。
ただ、それなりの上下斜位があったので、ブロックストリングスで抑制の確認と眼のトレーニングの方法を説明したら・・・・
「おかあさん!あれの使い方解ったわ!」と・・・
そうなんです、1年前にも眼の状態を説明して、当店の手造り「ブロックストリングス」を購入してもらってたんですね!!
さすが俺!?眼位の状態を見逃していなかった(笑)
プリズムレンズで補正する事も可能ですが、近い将来コンタクトレンズを使用するかもしれない事を考えれば、自力でトレーニングする事を選択されました。
ただ、ブロックストリングスの使い方がしっかり伝わっていなかった事には反省です。
今回メガネが見えにくくなってた一番の原因は、レンズが傷だらけになっていた事。
野球で、砂埃が付いたままレンズを拭いた拭き傷が肉眼でも簡単に確認できるぐらい・・・
砂埃は、一度流水で流してからレンズを拭くと全然違うのですが・・・・
なんか当店の啓蒙努力が実ってきて、当店で購入されている成長期の子供たちの目の進み方が少なくなってきているのか???
ん!?それって商売的には(笑)どんどん進んでいった方がメガネの購買サイクルが早くなるのか・・・
(長い目で見ると信頼がおけるメガネ屋さんで買いたいですよね)
(当店はアンダー15システムで、15歳以下のお子様の度数の変化は1年間何回でも無償で交換できるシステムがあるので、進まない方が当店にとっても有益かも(笑))
調節力が豊富な成長期のお子様の、メガネの度数は慎重になる必要があります。
メガネが初めてのお子様や、調節の介入が疑われるお子様等は、一度眼科を受診してから再来店もらう場合もある事をご了承ください。
[コメントする]他覚値 & 自覚値 パートⅡ
他覚値&自覚値 のパートⅠはこちら
他覚値 & 自覚値
今回はちょっと珍しい事例をご報告・・・・
他覚値(とくに左)
S-4.25C-0.25
自覚値
S-5.0C-0.0
(自覚値の方が強く出ています)
普通、他覚値より自覚値の方が強く出る事ってほとんど無いのです。
なぜなら、水晶体の調節が入ってしまうと他覚値が強く出てしまう事はありますが、その反対は無いからです。
(マイナス調整が強く入ったとしても、その度数で視力は出るはずです)
当店の自覚検査は、全員が他覚値から雲霧(度数を緩めた)をかけた状態から測定しだす事が必須になっています。緩めた状態から徐々に度数を上げていき、ある程度の度数になった時から度数を上げても視力が上がらなくなります。最高視力の最弱度が矯正度数の定義になっています。
普通は他覚の数値のちょい手前でその度数(視力が上がりにくくなる)になるのですが、他覚数値の度数でも0.7程度しか無く、更に度数を上げれば視力がもっと出だすのです・・・・
(他覚値の度数で0.7の視力の時はあるのですが、度数を更に上げても0.7かもしくは低下する事が多いのです)
おもわず、ピントフレーズ(調節が入ってしまった)時と同じように他覚値を取り直して見ました・・・
(他覚値より少なすぎる度数で視力が出た場合の確認)
当店の秘密兵器の角膜形状測定装置(OPDスキャン)で測定してみると!
「遠視眼矯正手術眼(80.8%)」と・・・・
念のためお客様に「レーシックみたいな眼の手術してませんよね?・・・」
当然答えはNOでした(笑)
今まで当店で「近視矯正手術眼」と出た方は100%の正解率なんですが(笑)
レーシック手術の場合、角膜の中心部分だけが扁平になっているのですが、
今回の事例は、角膜の中心だけが、ぽっこりしているのです。
(円錐角膜とは違います)
(診察や診断ではなく観察です)
前回のメガネは眼科さんにもかかっての処方箋でした。
(○○障の気はあるのとの診断だったらしい)
(けっこう度数には悩まれたらしい)
前の記事にも書きましたが、他覚機器(オートレフ)はある一定地点の測定値を(平均的に)数値化するために、複雑な形状(数値)だと、最適な度数とは違う度数に出ていて、今回は過剰に弱く出ていると判断して度数を決定しました。装用テストでは大丈夫そうでした。
(眼鏡店では近視の過矯正が一番NG)
(当店ではしませんが眼位の球面補正を狙って近視を過矯正にする場合もあります)
人間の身体って複雑に色んな所が係って難解で、単純な座学だけでは深く学べないです・・・
見えるだけのメガネの度数は、それなりに簡単に出せるのですが、快適なメガネの度数になると、測定値だけでは無く生活環境や用途によっても、変わって来るので相当な知識と経験値が必要なんですね・・・・
そんな事も将来は人工知能(AI)が数値化出来てしまうのでしょうか・・・・
[コメントする]他覚値 & 自覚値
メガネ屋さんでメガネを作る為に、度数を測定する時に最初の方でするヤツ・・・
あの気球がぼやけたり、ハッキリ見えたりするヤツ!
あの機械がオートレフメーターと呼ばれる機器で「見ているだけで」勝手に測定する「他覚機器」略して「AR」
その後に、両目で覗き込んで、「1番と2番」とか「赤6と緑9」とか「縦線か横線」どっちがくっきり見えますか?とお客様に尋ねて測定するのが「自覚検査」
僕がこの業界に入る頃にはARはある程度普及していたのですが・・・
研修に行っていた大学病院では、よっぽどの事がないと使わせて貰えなくて、ゼロからの自覚検査で、凄く鍛えられました(笑)
現在では国家検定の試験でも、ARの値は与えてもらえて、そこからの検査になってたりします。
添付した、レシートの右眼のデータを見てもらうと、
AR値 S-0.50C-1.25AX82°(他覚値)
#7値 S-0.75C-0.50AX145°(自覚値)
「Sの値は球面」で「Cの値は乱視」で「AXは乱視の角度」・・・・
だめだ、メガネ屋の新人研修でも理解してもらうには、相当に時間をかけないと理解できない無いようなのでこのブログ向きでは無い気がする(汗)
伝えたい重要な事は乱視の角度で、眼球をラクビーボールに例えるなら、ラクビーボールが縦に立っているか横に寝ているか、斜めになっているか・・・・
ま、どんだけ説明しても伝わらない気しかしない(笑)
近視や乱視の度数が若干変わっても、それほど影響が無いのですが、上のデータの様に乱視の角度が60°も変化すると、全然違う度数になってしまうのです。
では、他覚値と自覚値が違う場合どちらを信用するか?
もちのロン自覚値です!!
(よっぽど変な測り方をしない限り)
では、なぜ他覚機器は違う角度の数値を出したのか?
当店には、角膜形状をスキャン出来る他覚機器があり、その数値を見ると
強めの角膜乱視(153°)が、自覚値(145°)の近くに・・・
人間(生物)の目は、カメラのレンズとは違って人工物では無いので、色々なデコボコ(収差等)があって均一ではありません。
他覚機器はある一定の数値を取って平均化するので、正確に測定しててもメガネの度数として数値化すると、最良とは言えない数値が出る事もあるので、自覚検査も合わせて行います。
この内容は難しいですか?
眼鏡屋さんが受けるの研修や座学でも、基本的に教えられる事は、人工物的な数値の眼なんで・・・
乱視でも、メガネレンズによって焦点が一つに集められる様に習いますが、実際はそう単純ではないのです。
視力が出るだけのメガネの度数と、楽に見えるメガネの度数は違ったりもするので、信頼のおけるメガネ屋さんで・・・・
出来たら当店でよろしくお願いします。
[コメントする]不同視と近視と内斜位
2年前にメガネを初めて購入いただいたお客様(その時は女子高生)
2年後に来店いただきました。
主訴は「メガネが見えにくくなった気がする」
測定データは、今のメガネで両眼で0.6~1.0・・・
2年前に購入いただいたメガネの度数は
RV=S-4.0 1.5ΔOUT
LV=S±0.00 1.5ΔOUT
左眼は裸眼でも1.0の視力はあるのですが、利目(キキメ)は右眼で、今のメガネでの視力測定をしてて、利目の右眼で見ていた状態から左眼に切り替わる瞬間が検者の僕でも感じたぐらい。
(雲霧をかけた両眼開放による視力検査の様)
(融像視は出来ております)
2年前に初来店いただいた時の視力も左眼は裸眼でも良くて、日常生活は何の問題は無かったハズですが、自分自身で違和感があって常用出来るならメガネを作るけど、常用出来ないのならメガネが勿体ないから作らない方が良いとアドバイスして、ちゃんと高校生のうちは学校でも常用してくれてたそうです。(購入半年後に来店してくれてその時は良好な両眼視でした)
それが2年の間に、女子大生になったら・・・・コンタクトレンズを右眼だけに装着して学校に通うようになったのです。
俺も還暦があと数年のオッサンですが、乙女心が全然解らんわけじゃないですよ(汗)
逆に高校時代はメガネで良く過ごしてくれたと思います。
(プリズムメガネでのメリットをきっと感じてくれてたはずです)
で現在の状況をフルバリ検査でグラフ分析してみました。
当社が開発したアプリです。
グラフ分析するためには全ての項目(フルバリ)が必要ですが、AC/A比だけを出したい場合は、「PD・遠方斜位量・近方斜位量」の3項目、シェアード値を知りたい場合には「斜位量・余力」の2項目の入力だけで計算出来るようになっていますし、斜位量を入力すれば、余力値の参照値が出るようになっている優れもので、このアプリの販売もしています。
分析してみた結果、シェアード先生は「遠方6.3のベースアウト、近方2.9のベースアウト」が必要で、パーシバル先生は「遠方4.4のベースアウト、近方3.1のベースアウト」が必要だと言っていますね・・・・
(シェアード先生もパーシバル先生の計算式も理想的になる最低限の数値が出ています)
ただ、この数値は、完全矯正に近い仮の装用値での話で、遠方度数を落とせば必要プリズム量も変化します。
もし今回メガネを作るとなると、利目の近視の度数を上げて、プリズム量も上げないといけませんが、コンタクトレンズとの併用は厳しいかも知れません・・・・
(今の度数なら併用も出来ているらしい)
幸いに、開散余値は少ないですが、マイナス値ではありません!
ここはひとつ、開散力強化のビジョントレーニングを提案してみました。
トレーニングの意味合いは、練習なんですが、今回はムキムキ筋トレぐらい頑張りましょう(笑)
一番有名なのは「ブロックストリングス」でのトレーニング
簡単な作りですが、自分自身でどちらの目で見ているか自覚出来る優れもの!
(写真のは、百均の紐と手芸センターで購入した球のを店頭で500円で販売しています)
(当店のは500円で、アマゾンや楽天ではもっとお高いですが、自作すればもっとお安いです)
ブロックストリングスの紐の長さは、外斜位の場合はそれほど長くなくても良いですが、内斜位の場合は長さが必要です。
目先の商売だけを考えれば、新しい度数を提案すれば購入してくれたかも知れませんが、
コンタクトレンズの事も悪そうに告白してくれた、乙女心を踏みにじる訳には行けません!
もっと加齢して我慢が出来にくくなった時に、相談に来てもらう事にして、コンタクトレンズの度数をもう少し落とすことを提案してだけおきました。
あっ不同視の話が抜けましたけど、今回の事例は僕の経験値を上げて更にブログネタにする事でアウトプットが出来たので、今回メガネを販売しませんでしたし、誰もブログを読んでなくても何の問題もありません(汗)
こ難しい内容ですが、当店がちょっとでも信頼できるメガネ屋さんだと思った方は、当店の応援よろしくお願いします。
応援の方法は!メガネを当店で購入するのも良し、知り合いに当店の宣伝をするのも良し、SNSやグーグルマップでの評価を上げるのも良し、メガネのハートランド頑張ってるな!って思ってもらうだけでも良しです。
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