技術的お話
小児メガネの危険性!!
本日、メガネが初めてという小学6年生の男の子に来店いただきました。
普通、初めてメガネを作る小学生以下の児童ですと、眼科さんの処方箋を持ってこられる方が多いのですが、兄弟や家族の方が当店で購入いただいているので、来店いただいたみたいです。
まず、オートレフラクトメーターという機械で、他覚的に測定すると、ゆるい近視の数値。
(僕みたいなベテランになると、この数値だけでいろんなパターンの疑いが・・(笑))
で、問診
「黒板が見えにくい?」 「・・・ん~~黒板は見えるんだけど・・・・」
「近くが見えにくい?」 「・・・ん~~近くが見えにくいのかな・・・」
子供ですので、はっきり訴えられない
お母さんも、「なんか見えにくいみたい・・・」
遠方裸眼視力も、0.7、8ぐらいあるし、
近方裸眼視力もそこそこ良い
輻輳近点(目がちゃんと寄り目出来るか)も問題ないし
調節近点(どこまで近くで見えるか)もそう問題ない
ただ、近方眼位が・・・(あとで解説)
両目に雲霧をかけて(プラスレンズを入れて調節を抜く事)慎重に両眼解放で検査してみても、ある程度で視力が上がらなくなる・・・・
普通眼鏡店には設置していない、当社の秘密兵器(調節機能解析ソフトウェア)で調べてみようとすると・・・・
その機械を動かすPCの電源が入っていない(汗)
やっと、起動したかと思ったら、ウインドウズがアップデイトしだすし・・・(笑)
測定結果、FK-map(解析結果表示グラフ)が真っ赤っか!?
まあ、疑いが確信に変わりましたが、当然当店は医療機関ではありません。
「まずは、眼科さんを受診してからまた来てくださいね」と
「その際に、先生に調節系みたいな事をメガネ屋さん言ってましたと伝えて下さい」
お母さんが「調節系って??」って心配されてましたので、
「例えばスマホ老眼みたいな・・・」
って図を使って説明すると、
「ほら、あんたスマホのやりすぎやわ!!」
と怒られていたので、そうじゃない事を弁明をしておきました(笑)
一番不幸なのが、オートレフの結果だけ見て、近視のメガネを安易に作る事・・・・
商売熱心で知識があまり無い眼鏡店なら、近視のメガネを売ちゃいかねません・・・
たぶんこの子の目は、遠視が潜伏していて、常に頑張って調節しているので調節筋がフリーズしているのではないかと思われます。
最初に書いた眼位も、近見内斜位(調節性の内斜位)を示しています。
(目が必要以上に調節しているので、近くを見る時に寄り過ぎてしまう)
フリッパー(プラスレンズとマイナスレンズ)や、雲霧で、ある程度調節を取る事は可能ですが、やはり小児の場合は、眼科で目薬を使用しての検査、治療が本来ではないでしょうか!!
あくまで当店はメガネ屋であります。
ただ、快適な視生活を過ごしていただくために、全力で応援いたしております!!!
追記
このブログを書いた翌日に、中一の男の子が来店
使っている眼鏡が壊れたのと、見えにくくなったので、度数も変えたいとの事
測定すると、昨日と同じようなパターン・・・・
この測定器は、他覚値からの検査しか出来ないのが難点ですが・・・・
(メーカーさんには、自覚値(任意の度数)から出来るようにならないか要望中)
やはり、何らかの異常値・・・・
♯14B(クロスシリンダー)の検査でも、加入度が必要と出る・・・・
ちょっとだけ時間をかけて、雲霧やプリッパーや簡単なビジョントレーニングで、調節をなるだけ取り除いてやると、0.6、7の裸眼視力が出るように!!!
お母さんも「学校の検査ではいつもG(タブン0.1以下)だったのに・・・」
この子も、まずは眼科を受診してもらってからとなりました。
お姉ちゃんも、眼科さんで目薬さして治療していたみたいですので、DNA的に調節が苦手なのかもしれません。
あくまで、当店は眼鏡屋さんです。お客様と一緒に度数決定は出来ますが、診察も診断もできませんし、しませんのでお間違いなく(笑)
あと、眼機能は、自律神経と大きく関わりがありますので、子供の場合は特に精神的不安があると調節機能や、視野に異常が出る場合もあります。
このブログを書いててこの、調節機能解析ソフトは他覚値からしか出来ないと書きましたが、気になって「もしかしたら0からなら出来るんじゃ?」
と試してみたら・・・・
出来ました!!!!!
ただし、-5.25の僕の目では、御覧の通りのテスト結果(笑)
(誕生日も適当に入れてます)
[コメントする]かくれ斜視!?
当店は、両眼視機能検査等にも力を入れ、快適な視生活を応援しております。
(両眼視機能は、当社ホームページの眼鏡と眼の知識NO7にざっくり書いております。)
当店の通常の検査の中にも、ルーティーンとしてすべての方に簡単な眼位測定を入れております。
そこでの数値に異常がある場合又は希望する場合、お客様了承のもと精密な測定に入るのです。
(精密な両眼視機能検査は、時間がかかるのと、お客様の眼に相当な負担がかかるのです)
今回紹介するのが、強度近視の外斜位の例
強度近視でプリズム入りのレンズにした場合、通常けっこうなレンズ厚になってしまいます。
が、今回使用したフレームは「VioRou」のコンパクトなフレーム
に、世界一超高屈折なプラスチックレンズ東海光学の1.76
S-7.50C-0.75 5△BIN でも上からみても、ほぼ枠の厚さと変わらない!!!
このお客様、通常はコンタクトレンズのみだった為、相当な違和感が出ると思われたのですが、検査後の装用テストでも、お渡し直後でも、すんなり問題無くかける事が出来ました。
普通は、数十年間眼と脳が頑張って補正をかけてきたのが、プリズムメガネレンズがある程度補正をかけるので、脳がびっくりするケースが多いのです。
次に紹介する例が、
二十代男性
そこそこの外斜位をお持ちでしたが、輻輳力もそこそこ有るし(シェアードの基準にはちょっと足りてません)若いし、輻輳力の強化のビジョントレーニングで!とも思ったのですが・・・
レンズを選択するときに、「とにかくパソコン時が特に疲れる・・・PC用の前掛けレンズが離せないので、PC用のレンズにしてください!!」との事・・・・
ん~~それは、LED(液晶)の光のせいだけじゃないんじゃ・・・・
外斜位の場合、遠くを見る場合と、近くを見る場合では当然必要プリズム量は変わってきます。
眼の疲れが酷そうなのと、装用テストの感じがよさそうなので、プリズムレンズとビジョントレーニングと、PCの青色光カットのコーティングとキャリアカラーの合わせ技で!!!
強度近視の場合、レンズの中心よりちょっとずれるとプリズムが発生します。
そのため、常にプリズムを感じているからか、プリズムレンズに慣れるのも早いのかもしれません。
ただ、強度レンズの場合、しっかり目の幅等レンズの中心と目の中心をしっかり合わさないと、疲れる眼鏡になってしまいます。
太いプラ枠にする事でレンズの厚みをカバーしました。
[コメントする]HOYA キャリアカラー
HOYAのキャリアカラーの体感キットです。
実際に目に当てて、見え方の確認ができます。
通常のカラーと違い、特殊な染料で光をコントロールした色となっております。
色によって、波長の透過率が違うのです!!
一般的にまぶしく感じる光の波長は、紫外線に近い短波長光で、直線的な光のため目の奥の網膜までたどり着いたり、パワーが強いため散乱されて、眩しく感じたり、チラついたりします。
液晶の裏にあるLEDの光がこれにあたります。
あと、まぶしさだけをカットするなら、こんなに色の種類は必要ないのですが・・・
コントラストを上げるために、こんなに種類を用意しているのです。
色を付けると暗くなって見えにくくなると思いがちですが、自分に合う色のレンズを付ける事により、輪郭がにじんで見えていたのが、クッキリ見える・しまって見える事がコントラストを上げる事です。
グレー系の色が自然に見えて、茶色系の色がコントラストを上げやすいです。
また、白内障の初期(水晶体の濁り)によって、黄色っぽく見えるのが、赤系のレンズを通してみる事によって、補色され本来のカラーに近くみえたりします。
見え方の個人差や好みは千差万別ですので、実際に体感されないと、どの色が適しているかも分かりません。
興味のあるかたは一度店頭でご体感くださいませ!!!
[コメントする]加矯正 度数変化 ビジョントレーニング
先日、平成元年生まれ(28歳)の女の子が来店
今の眼鏡が見えにくくなったとの事
過去のカルテを見ると、ちょうど一年前(2015年)に当店で眼鏡を購入いただいておりました。
目の度数を測定すると、確かに近視の度数が進んでいる・・・・
2012年にも購入いただいているのですが、この一年での度数の進行がハンパ無い・・・・
眼球自体の大きさが変化する成長期ならよくある事だが、28歳の年齢からすると、ちょっと異常な感じ・・・・
目の使い方や生活環境を尋ねると、一日中パソコンを見ている職種らしい・・・
人間の状況適合力は、素晴らしく、近くばかり見ている環境だと、近くが見やすい目にどんどん適応していくのです!!!
いわゆる近視化・・・・で遠くが見えにくくなる・・・・・
近くばかり見ていると、眼の中の水晶体というレンズが、調節(膨らんだ)した状態で固定してしまう。もしかしたら眼軸長までもが、近くにピントが合いやすく変化しているのかもしれない・・・・
普通 誰もが、遠方視力が悪くなんかなりたくない・・・
で、どうしたら良いか・・・
ここで、ビジョントレーニング!!!
眼を動かす6本の眼筋と、それに連動する毛様体筋を、ほぐしたり鍛えたりするトレーニング!!!
(興味がある方は是非店頭にておたずねくださいませ)
普通ここまでで話が終わるのですが、この子の場合・・・・
問診の中で、通常はコンタクトで、コンタクトを外した時だけ眼鏡なんです・・・・
で、コンタクトの度数を聞くと、「-3.75」
(最近は使い捨てコンタクトが主流でパッケージに度数が書いてあるので、大体のユーザーが自分の度数を把握している場合が多いのです)
その度数は明らかに加矯正(強すぎる)のです・・・・
「眼科の先生その度数で良いって言った?」と尋ねると、
インターネットでコンタクトレンズを注文し、見えにくいと自己判断しちょっとづつ上げていった度数を注文していった結果だそうだ・・・
「・・・・・」
人の見え方は、個人差があり、0.7見えていれば良く見えると言う人もいれば、1.2見えていてももっと見えた方が良いと言う人もいる。
この子は明らかに後者だが、あまりにもなのです・・・・
僕が検眼でよく言うのが、「夜の運転で見やすい度数のレンズを入れるのは簡単ですが、毎日使う用の眼鏡で、夜の運転の時間の割合はどれくらいあるのですか?」
室内で過ごす時間が多い現代において、近視の度数は強すぎない方が良いと思います。
でも、極まれにあるのが「雨降りの夜の運転がどうしてもしずらいのです・・」
というクレーム・・・
「ハイ。喜んでレンズを(無料で)入れ替えさせていただきます!!!」(笑)
(本来は目的に合わせた複数の度数の眼鏡を使い分けた方が良いのですが・・・)
[コメントする]色覚検査表
現在、小学校での色覚検査が10年ぶりに復活しました。
そのせいで、検査表が不足して、当店に入荷するのも、約半年待ちました。
(学校を最優先にしてもらって、当店のを後回しにしてもらった為)
色覚検査表での検査は、いじめや差別の原因になるとのことで、学校での検査を10年間中止しておりました。
確かに僕らが小学校の頃は、この検査があって、どうしても読めない子に対して、悪気無くからかっていた子がいた記憶があります・・・・・
ただ、色覚異常と判定されても、なんら生活に不自由を感じる事もなく、何の問題も無いのですが・・・・
どうしてもなれない職業もあるのです。
色覚異常は持って生まれた個性で、今の科学ではなおす事は出来ません。
(コントラストレンズ等で補正する事は可能です)
パイロットや警察官になりたいと努力してきて、採用試験で、初めて色覚異常だと知る事は辛すぎます。
現在の検査方法は、昔みたいに集団で行う事をしないで、個別に他の児童に解らないようにするらしいです。
血液型のように本人がしっかり認知していれば、いいだけの事です。
とりあえず当店にも検査表はありますので、検査してみたい方はお気軽にどうぞ。
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