メガネのハートランド
福井県鯖江市産の眼鏡を販売。認定眼鏡士のいるお店。
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技術的お話

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フリーハンド手削り

武生店

メガネの強度プラスレンズは、ギリギリのレンズ径でレンズを制作した方が薄く軽くなるので、必須項目なんです。

 

レンズ

レンズの度数は表面と裏面のカーブの差とレンズの屈折率で決まります。

 

上の図は、レンズ径を大きく製作した1番上のレンズを必要径にカットしたレンズが二番目のレンズで、最初から必要径で製作したレンズが4番目のレンズ。

 

表面カーブと裏面カーブが同じなので度数は基本的に同じです。

(厚みがある上のレンズは若干サイズが大きく見えますが)

 

最近は必要最小径で発注するのではなく、フレームの形状をトレースしてデータで送信すればフレームに合わせた最適なレンズを制作したうえで、フレームの形状にカットしたレンズが送られてきます!!

 

一番薄い地点はペラペラの薄さです!!

(ただし度数自体が強度なのでどうしても中心厚さが出てしまいます)

 

HOYAレンズの場合はHELP加工と呼んでいるのです・・・・

そのままピッタリ枠入れ出来るのが理想なんですが、どうしても微調整が必要になります。

(フレームより小さくレンズが出来上がるとレンズがフレームに収まらなく外れやすくなるので、だいたいが大きく出来上がって来たレンズを手で削って仕上げます)

 

大き目のレンズを無理やりフレームに入れると、レンズに歪が発生するためにHELPで製作したレンズは必ず手摺りが必須になります。

(削ってしまってあるレンズは機械で削る事は出来ません)

 

手摺り用の電着砥石は、主にレンズの面取りに使うのでV溝が端の方に切ってあるんですね・・・

レンズ厚があるレンズは一部だけにヤゲンを付けるためにV溝が必須なんです。

(僕の手削スタイルは裏面を右手側にするのですが、レンズの厚みが厚いために反対のスタイルで削らないといけません)

 

機械で削る場合は、レンズの形状を機械が記憶しているので、削ってはいけない部分は絶対に削りませんが、フリーハンドで手削りする場合は注意が必要なんです。

 

一定の力(圧力)で削ってしまうと、まず、角(カド)が削れやすく、薄い部分は凄く削れて、厚い部分はなかなか削れません・・・・

 

この感覚(角と薄い部分を残すように削る)を後輩に伝えるのは容易ではありません・・・・

特に最近は機械の進歩で手削りする機会がほとんど無いために、経験値を積むことも出来ません。

(眼鏡作製技能士では手削りの実技試験がありますが、そう難易度は高くありません)

 

今回の手削りの難易度は!!!!

ほぼマックス!!!!

(この度数でフレームがもっと角ばってメタルフレームでガラスレンズだったら難易度マックスですね)

 

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10歳 スポーツメガネ

サングラス

10歳の女の子が、ソフトボールをするときに見えにくいとの事で来店いただきました。

 

昨年出来た、国家認定資格の眼鏡作製技能士の1丁目1番地は眼科との連携

初めて作る小学生のメガネは眼科受診が必須になっています。

(若年令は調節力が多いので、(例、遠視なのに近視のメガネを作るとか)色々な注意が必要で安易にメガネを作れません)

 

お話を聞くと、既に眼科さんは受診していて、寝る直前に目薬を差す等の治療中らしい

(若年令は調節力が多いので、調節力を麻痺させる目薬だと思われる)

 

で当店でも視力測定

他覚検査(オートレフ)ではほぼ正視だが、裸眼両眼視力は0.5でした。

(その後(後日)見方を変えると視力が上がりました)

そこで思い浮かぶのが、思春期の女子に多い心因性の視力障害

(当店でも数年に1人ぐらい見受けられます)

が、片眼視力は良好でした。

 

雲霧状態から丁寧に度数測定をしていくと、遠視が出てきて眼位は内斜位

 

ここで考えないといけないのが、調節性の内斜位かどうか

雲霧程度では表に出てこないもっと強めの遠視があった場合には、見ようとすればするほど調節が入り輻輳がおこり内斜位の数値は大きくなります。

 

両眼視機能検査を真剣に勉強している方ならピンとくる事例です。

 

残念ながら眼鏡作製技能士には、両眼視機能の問題はほとんど出ません。

眼鏡制作技能士1級は、片眼の矯正とカバーテストまで・・・

 

両眼視機能とは、両眼で遠方を見た時の眼位と両眼で近方を見た時の眼位、調節した時の輻輳量、輻輳余力・開散余力まで考慮して度数を決めていきます。

1D調節した時に何Δ輻輳するか等々

 

この表によると10歳の調節力は13D

(0歳~10歳までの調節力は無限大(笑))

 

 

図

幼児の眼球は小さくて(眼軸も短い)角膜水晶体の屈折力は大人と変わらないため、調節力が大きく、遠視の外斜位が生物学的にも成長や進化を考えると理想的ともいえます。

 

話をこの子に戻して・・・・

オーダーいただいたメガネがこちら・・・

左右共+0.5D3ΔOUT

 

遠視度数を上げれば内斜位量は減りますが、(調節が残ったままだと)遠視度数を上げると視力が落ちます。

Δ度数と球面度数のベストマッチングを狙った度数で仕上がりました!

矯正視力は1.2あり、立体視や深視力も良好です!!

 

成長によって度数が変わる事が予想されるため、オークリーさんの5年間度数交換保証が付いた純正レンズでかっこよく仕上がりました!!

 

念のため調節微動の機械で測定してみると・・・

レフラクトの値がメガネレンズより弱いのですが・・・・

まだまだ遠視が潜伏してそうな波形です・・・・

ちなみに、二軒の眼科さんで目薬を差して検査しています。

 

(ブログの中に、遠視や近視や斜位の用語が出てきますが、メガネで矯正できる事は病気では無いと思っています。ただ眼鏡作製技能士の試験ではそうでは無いのでお含みおきください)

 

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白内障手術後のメガネ

技術的お話

白内障とは、眼の中の水晶体の混濁が原因で視力が低下する病気です。

特に多いのが加齢に伴う加齢白内障です。

(僕が若い時に習った名称は老人性白内障だった気がする)

 

眼球は唯一外から直接観察できる臓器で、眼科医師が覗けば診察出来ます。

 

白内障の手術は、濁った水晶体を取り除き、人工水晶体と言われる度の付いたレンズを眼内に入れる手術で、最近では日帰りで行う眼科さんもありますね。

 

その眼内レンズには度数がありますので、その度数を決定する場合必ず患者さんの意見を聞かれます。

 

人工水晶体には調節力が無いため、遠くに焦点を合わせるのか近くに合わせるのか?

今までのままで行くのか?等々・・・

左右同一時期に手術する場合と、片方の眼だけする場合等があります。

 

その眼内レンズの度数を調整すれば、今まで近視で遠く(近く)を見るためにメガネをかけていた方が、メガネをかけなくても遠く(近く)を見えるように事も可能です。

 

ただ、度数が強いメガネをかけていた方が片眼だけ手術をする場合には、注意が必要です。

(片眼だけ眼内レンズでメガネが要らない度数の眼内レンズを入れると左右の度数差が付き過ぎる為)

 

で、今回の事例・・・・

 

88歳のおばあ様

8年前からの当店の顧客様です。

軽い遠視眼で、当時の裸眼視力は問題が無かったのですが、物が二つに見える複視状態との事で当店でプリズム度数が入ったメガネをご注文いただいております。

8年間で5本のメガネをご注文いただいていて、徐々にプリズム度数を増やしたメガネを注文いただいています。

 

約1年前に作っていただいたレンズが

これで、度数はS+0.5C+0.5AX180加入が+2.0のそう度の強くない遠近両用ですが、片眼で8Δ両眼で16Δのベースアウト(内斜位)のプリズム度数が入っているため、耳側のレンズの厚さが厚くなります。

 

でこの方(まだ入院中)が手術前に眼科医師に「遠くを見えるようにしますか?近くを見えるようにしますか?」と聞かれた時に・・・・「近くが見えるように・・・」と答えたそうです。

 

眼鏡作製技能士の方ならこの答えがどうだったかは直ぐに理解できるとおもいますが・・・

 

このおばあちゃんの周りの白内障手術をした方々は、手術後メガネ無しで良く見えるようになった方ばかりで、年齢的に近くをメガネ無しで見えた方が良いと考えるのは間違いではありません。

 

ただ、大きい内斜位(眼位異常)がある場合は、眼内レンズで屈折異常を修正しても、内斜位値までは変わりません・・・・

 

でも大丈夫です!!眼内レンズの度数に合わせたΔ(プリズム)メガネをかければ、遠くも近くもしっかり見えるはずなのでご安心いただき退院ごのご来店をお待ちしております。

(1年前の矯正視力は0.5ぐらいだったので、手術後に作るメガネはもっともっと視力が上がる事が予想されます)

 

ほとんどの方は大丈夫だと思いますが、特別な度数のメガネをかけている方は、白内障手術前にかかりつけ眼鏡店にも相談すると良いかも知れませんね!

(メガネが要らなくなることをあえて阻止しようとするメガネ屋さんはいない事を願いたい)

 

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「眼鏡作製技能士」第二回国家試験

技術的お話

明日全国8会場で、昨年誕生した「眼鏡作製技能士」の国家試験に約1000人が挑みます!

 

当店は第一回目の試験で2名の「一級眼鏡制作技能士」が在籍しています。

↑本物はA3とデカいので

 

 

↓A4のレプリカを作って本物が痛まないように無くさないように、証書は本人個人で管理しています。

当店からは、第二回目の一級国家資格に1人がチャレンジします。

(来年にも1人、再来年も別の1人が挑む予定)

 

その眼鏡制作技能の国家認定の実技試験の項目には「①検査②レンズ加工③フィッテング」の3項目あるのです。

国も度の入ったメガネを作るうえで大変重要な3項目と考えている訳です。

 

ただ、この3項目は一般的に価格の無いプライスレスな項目なんです・・・

 

当店もこの三項目は最重要と考えているので、手を抜く事の無く常に高みを目指しています!!

 

プライスレスとは、メガネを販売するにあたって、「フレームの価格」「レンズの価格」は表記されていて、その合計でメガネの価格が決定しているのですが、3項目の価格は???

フレーム代金とレンズ代金に含まれていると小売店は考えて価格設定をしています。

 

当店の①検査機器は、システム検眼器、オートケラトメーター、検眼レンズ、その他の機器、秋には約400万円するOPDスキャンも導入予定で、余裕で1千万円を超える機器を使用しています。②の加工機器も最上位機種の加工機や、レンズメーター、その他の機器でこちらも1千万円に近い機器を揃えています。

決して高く売りたいから、機器を揃えている訳では無く、(きれいごとを言うと)顧客満足度を上げて快適なメガネをお届けしたいから、それが長く持続できる商売だと思って努力しています。

 

過去に認定眼鏡士の重鎮の方(現在は亡くなっています)認定眼鏡士となるもの「メガネの通販はダメだ!」と強く声を上げていた方がいました。

おっしゃる通りで③のフィッテングがきちんと出来てて初めてメガネの度数が生きてきて、それを放棄している通信販売は認定眼鏡士としてはいけない、との主張だった気がします。

凄く同意して、当店も通販は致しておりませんが、時代の流れと、眼鏡士だけが通販を禁じられるのは違うかな・・・(メガネの通販を肯定している訳ではありません)

 

メガネの通販業者も、今持ってるメガネの度数や処方箋の度数でできますよ、としているところが多いですが、測定する機器も知識も手間もいらないし加工も拘らなければ、その分の経費が要らないので、安くする事も可能なんですね・・・

(通販するにも努力と別の経費は必要ですが)

 

当店では、同じレンズでも3通りの価格設定をしています。

A・メガネフレームと同時にご購入いただいた場合

(価格表のレンズ代金から単焦点は-3,000円累進レンズ-4,000円レンズ代をお安くしています)

B・過去に当店でご購入いただいているフレームにレンズを入れる場合

(価格表のレンズ代金)

C・他店でご購入のフレームにレンズを入れる場合

(価格表のレンズ代金+加工代として2,000円)

 

A・は店内のレンズ込のセット商品との価格差を少なくするため。

B・は普通ですね

 

C・を始めた当初は不安でしたが、お客様にもご理解いただいています。

(ご理解いただけない方はレンズのみを購入しない)

(加工代2千円を足しても当店のレンズ代金はお高くない)

 

C・はフレーム代金にはレンズ加工代が含まれるとの考えからです。

レンズを当店で入れる場合にも、簡単なフィッテングしか出来ません。

当店で取扱いの無いフレームに何かあった場合には責任が持てないのと、フレーム代金にはフィッテング代金もが含まれているという考えからです。

 

メガネって他にはない特別な商材で、かけているうちに曲がったり歪んだりして、メガネがズレ落ちるようになったり、見え方が悪くなったり、耳や鼻が痛くなったりしてメンテナンスがいつ迄でも必要なんですね・・・・

 

国家認定の実技試験の項目には「①検査②レンズ加工③フィッテング」の習得は試験項目にもなるぐらい簡単ではありません!!

当店も技術を売りにしていますし、技術の安売りはしたくありません。

 

是非信頼のおけるかかりつけメガネ店を見つけてみてください。

当店も候補の一つに入れてくれると幸いです、

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光の波長(紫外線)

技術的お話

光の波長の実験で、「メガネレンズは紫外線をカットしているのか?」を検証してみました!

 

真ん中のレンズは紫外線で着色する、調光レンズの上にセイコーの「フロンティア」を下方に、通常のUVカットレンズを上方に置いて、紫外線発光装置を被せてみました。

 

一応レンズの位置を反対にしたのも・・・

セイコー「フロンティア」は420ナノメーターの青色光を約80%カットするレンズです。

UVカットレンズは400㎚を99%以上カットするレンズ

 

波長

 

紫外線は、400㎚より低い波長で・・・

(昔は380㎚だった気がする・・・)

 

通常のUVカットレンズを若干通しているという事は、

このUVライトの波長は、405㎚ぐらいか・・・・

 

よくメガネ屋さんで行っているデモンストレーションのペンライトの波長は、410㎚なので通常のUVカットレンズは通過して、UV420(フロンティア)のレンズは当然通過出来ない・・・

 

レンズ素材メーカーの努力で、無色透明で可視光線透過率が高くて、紫外線を通さないレンズレンズが出来上がった訳です。

現在ではUV400を通すプラスチックのメガネレンズは淘汰されていると言ってもいいと思います。

 

紫外線は眼に対しては害があるのは間違いないのですが・・・・

紫外線は眼に対しては害があるのは間違いないのですが・・・・

紫外線は眼に対しては害があるのは間違いないのですが・・・・

紫外線は眼に対しては害があるのは間違いないのですが・・・・

 

僅かな10㎚の差をこのような実験で恐怖を煽るのは・・・・

(可視光線は400㎚から800㎚まで)

(波長が短い方がパワーは強い)

 

メーカーさんはこの差を開発するためにものすごい努力をしたのは間違いがありません。

 

はい、当店がUV420レンズの販売実績がほとんど無い言い訳でした(滝汗)

 

ちょっとでも波長の強い光線をカットしたいお客様は、是非ご指定下さいませ!!!

 

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