技術的お話
両眼視機能の為のプリズム補正
眼鏡は福井県の地場産業です!!
その福井県の助成を受けて開発中の眼精疲労軽減眼鏡!!

特許まで取れました!!!
特許の理論は、両眼視機能検査のプリズム補正理論を応用し、眼鏡フレームによってプリズムを発生させておこなう簡単なものです!!
当店では、構想した5年前頃から、ルーティーンで簡単な眼位測定を行うようにしております。
一番簡単で確実なのが、カバーテスト
左右の目を交互にカバーし眼球の動きの量を目分量で見ます。
度数測定の簡単な流れの中でも、問診→他覚検査→雲霧からの片眼検査→両眼解放バランス検査→抑制検査→上下左右斜位量検査→調節ラグ検査 等々と手際よく・・・・
斜位量に問題がありそうだと、シェアードの基準
「正常な両眼視を維持する為には、輻輳力・開散力が斜位の2倍と等しいか、またはそれ以上なければならない」
の原則から、外斜位量が多ければ輻輳余力を内斜位の場合は開散余力を測定します。
ここまでは、そう時間がかかりません・・・・
福井県の助成を受けた為の報告書が必要だったので、眼鏡を買いに来た約200人のデーターを集計分析してみれば、約20%の方が、このシェアードの基準値以上の斜位量だったのです!!
極端な話、計算上は、斜位量と余力値がイコールなら、複視等の問題は出ないのですが、めいいっぱいの眼筋力を使用して、物を見ている事を考えたら、疲労感は半端ない事を想像するのは容易な事です。
一定の目安「シェアードの基準」以上の方に更なる問診をすると、検査前の問診には答えなかった様々な自覚症状を認識して語り出します。
そこで、その方の眼の状態を説明して、持って生まれた自身の目の状態を認識してもらいます。
希望者には、更なる検査(遠く近く調節等々)をしていくのですが、ここからの検査は時間がかかりますし検査の為に目のと脳の負担も相当なもんです・・・・
今、両眼視機能検査を取り入れてる眼鏡小売店は、全体の数パーセントしかないと言われております・・・・
上に書いた「シェアードの基準」以上の眼位異常の方でも生まれ持っての事なので、こっちが「こんな症状やあんな症状ありませんか?」と聞くまで、目が原因との自覚がない場合が多いのです。
見えるだけの眼鏡を作るのは簡単なので、両眼視機能検査が普及しないのですね・・・・
両眼視機能検査を取り入れている眼鏡店でも二分していて、アメリカ式、ドイツ式と言われている二つの考え方が有ったりします・・・・
シェアードの基準はアメリカ式で、斜位が有っても輻輳力(開散力)をトレーニングして、ズレを補正するプリズムは少な目?にしましょう的な・・・
ドイツ式は、ズレがあれば補正プリズムレンズで楽にしてあげましょう的な
絶対的な数値が出ないのも、普及しない原因ではないでしょうか・・・・
見えるだけのメガネの度数は簡単ですが、当店が目指すものは「楽に見えるメガネ」!!!
奥が深いです!!!
[コメントする]プリズムレンズ(フレネル膜)編
某大学病院眼科の処方箋

右・20△IN 左25△IN
個人情報を隠しているのが、フレネル膜本体です。
実際25プリズムのレンズを制作するととんでもない厚さになり、小っちゃい25プリズムのレンズをいっぱい一列に並べたら、薄い25△のフレネル膜になります。
これを円形に並べると、カードルーペになります。

話が逸れました・・・・
当店で、過去フレネル膜を使用ている例は、小児のプリズム矯正、事故等後天性眼位異常で、いずれも眼科処方箋です。
当店の検査でプリズムを処方する場合は、度付レンズにプリズムを組み込んでしまいます。
が、25プリズムもは組み込んだレンズの製作は無理ですし、片眼25プリズムもの強度のプリズム自体を処方した実績も処方する勇気もありません。
当社で測定をしていなくて、お客さんにお話を聞いただけですので詳しくは解りませんが、眼科で斜視の外科的手術を希望しており、事前に複視が出ないかのチェックをするためのメガネらしいです。
一般的に人間の目は、左右に一つずつあり、右目の像と左目の像がほぼ一緒なら、一つの物と判断し融像し一つに見えます。左右の像の視差から立体視が生まれ、近い遠いが判断出来ます。
見る機能は、9歳ぐらいまでに仕上がり、生まれながらに眼位異常・左右の視力差・眼瞼下垂等で片目しか使っていない場合は、使用していない目は弱視となり、見る機能自体が育ちません。
現在の日本の医療システムでは、様々な乳幼児健診で弱視になる可能性はほとんど無いと思います。(9歳までの弱視矯正用の眼鏡も医療保険が適応されます)
このお客様の目を当社で測定している訳では無いので詳しくは解りませんが、交代制斜視等成長期に片目づつかわりばんこに使用していた、とか、幼児時期にアイパッチ等で訓練していた場合は弱視にならずに両目共に片眼矯正視力は良好にでます。
ただし、強い斜視の場合、融像視ましてや立体視は出来ないと言われています。
人間の目は、右目で見た像と左目で見た像が非常に近い(形・距離)像の場合は一つの像ととらえ、融像します。
左右の像が違っていたりすると、二つのものと捉え、二つに見える(複視)場合と、大概は片方の画像が脳で抑制がかかり、不要な像は見えなくなります。
試しに片目の前にペン等で遮ってみて下さい。ペンが透けて見えなくなってませんか?
先天性強度交代制斜視の場合、片目は抑制がかかっている場合がほとんどで、成人してから手術やプリズム眼鏡等で左右の像が融像出来る距離にした場合、複視が生じる場合が多いように思います。
もし、左右の画像が融像しても、今までは単眼で楽に見ていたものが、脳と目が必死になって両眼視を強いられて、逆に疲れてしまう場合もあります。
両眼視機能検査で「寝た子をおこすな」とも言われている由縁です・・・・
斜視目は、人からの見られ方にもコンプレックスにもなる事が多いです。
前にも書きましたが、日本の医療システムの乳幼児健診で、発見される場合がほとんどですが、両眼視がちゃんと出来ているかは、親も注視する必要があると思います。
これ書いてて思ったのですが、360度方向の視野を持つ草食動物は、両眼視視野が10度しかないと書かれてます・・・・完全な固視ズレですな・・・・・
テレビを見ていても、固視ズレしてそうな有名アスリートも見かけますが、空から見る目という広い視野を持っているのでしょうか(笑)
話がずれてますね・・・・・
で、眼鏡が仕上がりました!!

メガネ持ち込みのフレネル膜のみのオーダーだったので、リスクを最小限にするために「表面の貼り付け」でよいとの了承を貰っていたのですが・・・・
見た目と当店プライドからちゃんと裏面に貼りました!!
この方の今後が非常に気になります・・・
うまく行ってくれれば良いのですが
PS
この眼鏡を嫁に掛けさせ、カバーテストをしてみたところ、当たり前ですが強い内斜視の動き&強烈な複視・・・・
[コメントする]クロムハーツ 修理
クロムハーツのメガネが・・・・・

バッキ・・・・
特に寒い時期になると、セル生地に弾力が無くなり、強い衝撃でフレームが破損しやすくなります。
でも、大丈夫!!
修理は可能です。
割れたセル生地の中に金属の繋ぎを埋め込んで、セル生地同士を溶着するのです。
ただ、思い入れのある、高価なクロムハーツの眼鏡にそんな修理をしたくない・・・・
そんな場合は、フロントの前枠自体を新しいパーツに交換してしまいます!!!
正規代理店にしか出来ない方法です!!!
(但し交換パーツが有る場合のみ)

フロントパーツ交換済

鼻パットは前回販売した際、日本人用にカスタマイズしておりました。
ちゃんと鼻モリし直して、レンズを入れて完成です!!

(画像はガードテープや削りカスが付いた状態ですが・・・)
修理より多少高額になりますが、正規代理店ならではの選択肢をご用意しております!!
[コメントする]SEIKO
セイコーさんから、腕時計のハガキが送られて来ました!!!

時計との兼業店と間違えて送られてきたのかと思ってよく見たら、セイコーの眼鏡レンズを買って応募したら、腕時計が当たるかも!!!
とのキャンペーンハガキでした!!
SEIKOと言えば時計のイメージが強いですが、眼鏡レンズもしっかり開発しております!!
今回新発売のレンズが、単焦点インディヴィジュアルレンズ!!

フレームの形状と目の状態に合わせた、超オーダーメイド設計のレンズです!!!
遠近両用レンズは、高設計・高価格のレンズ性能と、安価なレンズとの性能差は凄く有るのは自覚していたのですが・・・・・
単焦点レンズは、度数による厚みの違い以外そう感じなくて、無理なグレードアップを推奨してませんでした(ハイカーブフレーム以外)

今回新発売のレンズは、ライフスタイルに合わせてチョイス出来、眼鏡を装用している際のフレームのカーブ、そり角、頂点間距離、前傾角までをも測定し、レンズ設計に生かします!!
測定する方も技量を試されるレンズです!!
レンズ研磨技術が進み、レンズ単体での設計は最高地点に到達しています。
次は、眼鏡フレーム形状と装用者の目の状態とを考慮したレンズ設計がダイレクトに一枚一枚個別に出来るインディビジュアル時代に突入しておりますが・・・・・
測定者の技量が無ければ、折角の高性能のレンズを台無しにしかねません。


当店では、最新のデジタル機器を導入して測定しております!!
さらに目の両眼視の状態まで考慮し、レンズと枠入れの相性(歪み等)まで考えつくして制作しております!!!
が・・・・・・・
一番の問題は、かなり高額なレンズをお勧めする押しの弱さ・・・・・
良いのは解って入て、きっちり測定も出来るのに・・・・・
結構インディビジュアルレンズって値段も高いのよね・・・・・・・
お客さんの方から、「高くても良いから、目に合った良いレンズが欲しい」って言ってくれるといいのにね・・・(笑)
追記・・・
この時期、福井でセイコと言えば


セイコ蟹!!
美味しくいただきました!!
[コメントする]眼鏡士 試験結果!!
このブログで、嫁が眼鏡士の認定試験に挑戦したことを書いてますが、ついに結果が送られてきました。
結果から報告すると、初挑戦で合格は出来ませんでした・・・・
これも先生役になった俺の力不足でした・・・・
でも、8教科中7教科は合格しておりました!!

学科5教科は、本人の勉強次第で、加工・調整は本人のセンス次第・・・
実技の中でも、測定が一番師匠の腕の見せ所なのに・・・・・
来年は、残り1教科だけ受験して合格すればいいので、しっかりやってもらいましょう!!
一つだけ言い訳をすれば、通常していないかけ枠でのクロスシリンダー等慣れてない検査方での試験で、当店で導入している最新システム機で測定できたら合格していたに違いない・・・・
ただ、検査理論がちゃんと解っているか等は、デジタル機器では判断しにくいので致し方なしか・・・・
誰かが、一般試験で眼鏡士取れるんなら、眼鏡学校行かなくても・・・みたいな事を言う人もいましたが・・・
眼鏡学校出身の僕から言わせると、眼鏡学校は眼鏡士の試験に合格させる為の機関ではなく、幅広く深く、いろんな事が学べるので、断然眼鏡学校の方が上っていうか別物です。
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