技術的お話
究極の薄型仕上げ!!
https://heart-land.jp/archives/2031
(以前書いた記事↑)
前にも書きましたが、プラスレンズを薄く軽く仕上げる一番の方法は、眼鏡の玉型を小さくして、玉型の中心に瞳孔が来るようにし、玉型ギリギリのレンズ径でレンズを制作する事なんです。

レンズの度数は、表面カーブと裏面カーブで決まるんです。
上の図の4枚のレンズの度数は皆同じ!!!
表カーブが+5カーブ裏カーブが0カーブなら+5D
眼鏡を小さくしても、レンズ径が大きいと逆に分厚く仕上がる・・・・
プラス度数の薄型レンズ(高屈折レンズ)などは、標準径が大きかったりするもんだから、径を小さく制作しなかったら、逆に分厚く重くなったりします・・・・

今回の度数は+3.75のまあまあのプラス度数で加入が+2.25(一番強い所の度数が+6.25等価球面)
使用レンズがHOYAのMSVというハイクラスの遠近両用
このハイクラスの遠近レンズは、フレームの形状や目の状態を細かく設定できるレンズで、フレームトレーサーにかけて、その形状でレンズカットして送られて来るレンズなのです。
今回のフレーム形状がナイロール(レンズの側面に溝を掘った)タイプのフレームで、普通に発注かけると、最小コバ厚が結構分厚くなってしまうのです・・・・
で今回は、カットレンズなのにアンカット仕様・・・・

で、こんなに薄く仕上がっております!!!
このレンズを当社のマシンで、更にカットして溝を掘っていきます!

この度数なのに、この薄さ!!!

しかも、オリジナル玉型よりレンズシェープを大きくして!!!
[コメントする]ビジョントレーニング
地域密着型の当店は、多くの小学生の児童も眼鏡を購入してくれています。
検眼の後に、「目の体操学校でやってる?」と聞くと「???」「ほら、両手を左右に伸ばして、親指を目だけで左右に見るやつ」と聞くと「ビジョントレーニングね」と答えてくれます。
僕の時代は、「目の体操」だったのに・・・・
当店の地域では、かなりの確率の小学校が取り入れて、学校でしているみたいです。
身体(眼球も)の成長期に、近くばかり集中して見ていると、環境に適応してどんどん近視化してしまうのです・・・・
子供達に「あまり目が悪くならないように、ビジョントレーニングを家でも頑張ってやってね」と言うと、ほとんどの親御さんは、学校でのビジョントレーニングの事を知らないですね。

当店で、ビジョントレーニングで有名な「ブロックストリング」を自作してみました。
手前の百円均一のスーパーボールで作った自作2号(ほぼ一緒な記念すべき自作一号は、内斜位な児童にプレゼントしました)

スーパーボールのカラーもはっきりしていて、そう悪く無かったのですが、糸が細すぎて、非常に絡まる・・・
「手芸センタートウカイ」で購入した、一番太い紐と、ウットビーズで作った、試作3号の方が、簡単に出来て、糸も絡まない!!!

輻輳力と開散力を鍛えるビジョントレーニング「ブロックストリング」です!!
つくり方と使い方は、店頭で!!!
[コメントする]インディビジョン 遠近両用
今年はインデビジョン遠近レンズ元年とも言われ、各レンズメーカーから様々な高性能遠近両用レンズが発売されております。
僕がこの業界に入った時(約30年前)の遠近両用レンズは「境目の無い遠近両用HOYAバリラックスⅡ」が境目のあるバイフォーカルレンズからの切り替えの時期でした。この時は、ガラスレンズとプラスティックレンズの需要が半々・・・(現在ほぼプラスティックレンズ)レンズ価格も凄い高額でした・・・
その当時の遠近両用レンズは、大変高額の割りに使いにくかったイメージがあります。
(当時の僕は20代で実際装用したことが無いので感覚ですが)
現在の遠近両用レンズの進化はレンズ単体の設計だけではなく、フレームの形状・そり角・傾斜角を計測した上での、ユーザーの眼の状態・使用目的・左右別目の幅・寄せ具合等々を考慮して、完全オーダーメードで仕上げていきます!!!!
そう、測定する人の技量が問われるレンズなのです!!
適当に測って作った高価なインデビジョンレンズは、安価な汎用タイプのレンズより劣ってしまうのです。
http://www.nikon-lenswear.jp/sp/ai/ai/cyber.htm
まずは、自分の眼鏡で制作して試すのが、一番!!!
この業界に入った頃は老眼の方の気持ちは、聞いた感覚しか解らなかったのが、今は自分で体感出来る年齢に来ております(笑)
http://www.nikon-lenswear.jp/sp/ai/ai/cyber.htm
今回使用するレンズはNIKONの新発売レンズ「AIサイバー」
フレームの状態と目の状態を計測するのは、「アイメック」
http://www.eyemetrics.co.jp/eyemec

この機械で4か所のカメラで撮影します。

使用フレームは、先日鼻モリモリしたクロムハーツPENETRANUSⅡ

そり角は、その眼鏡だけで解るのですが、傾斜角はその人が実際にかけてみないと解りません
僕の左右の目の中心は、フレーム中心から左右に違いが出ていて、輻輳量(目の寄せ幅)も左右で違っておりました。

念の為、実際に装用して、アナログで目視で確認!!
僕の目の動きを確認して、レンズをオーダー!!
当然見え方だけではなく、眼鏡の見た目も考慮してレンズカーブまで指定!!
スペシャルな眼鏡に仕上がりました!!!!
HOYAの定規を使用しておりますが、レンズはニコン最上位レンズ「AIサイバー1.74ブルーカットコート」
[コメントする]鼻モリモリ!!
カラーのハナモリ編
僕個人が所有しているクロムハーツ(PENETRANUSⅡ)のメガネ!!

日本製(鯖江)なんですが、全世界に供給しているブランドだけに、鼻パットがちょっと低めなんですね・・・・単に僕の鼻が平たいだけかもしれませんが・・・・・
(鼻が低いというよりも、太り気味の為ほっぺに当たり、ぽっちゃりの証の汗をかくためレンズが曇っちゃうんですよハイ)

こんなニッパで、元々付いているパットを切断!!

ガードテープを張って、荒ヤスリ

細かいヤスリ → 紙やすり

バフをかけてピカピカに!!!
通常だとこの後に、金属のアームが付いた鼻パットに交換(金属アームのパットは、付けた後に高さや角度調整がしやすい)なんですが・・・・
今回は見た目を重視して、カラーのアセチパットにカスタマイズします。

ブラックの高さが高めの通常パットか、もっと高い長靴型の微調整可能なパットか、両面テープで仮付して、鼻のあたりや高さを確認いたします!!!

でぶっちょの僕ちゃんは、高い長靴型のパットに決定!!!
特殊液で溶着していきます!!
接着じゃ無く、溶かして溶着です!!

一晩たてば出来上がり!!!!
レンズを入れて、パチリ!!

自撮りは難しいデス・・・・ハイ

ついでに、カラーパットも色々な色を在庫しておこうと思ったのですが、カラーの種類が豊富過ぎるのと、付ける元の眼鏡のカラーが確定しないと組み合わせがイメージ出来ないので、「その都度身に来たら」の提案通りにする事にしました。
眼鏡産地で営業しているメリットですね!!!
[コメントする]認定眼鏡士
三年に一回「認定眼鏡士」の登録証が送られてきます。

例年ですと、「会費が振り込まれておらず、更新出来ません」とか「講習の回数が足りず更新できません」とかが事前に通知されて、慌てて会費を振り込んだり、通信講義を受けたりしていたのが、今回は何の不備もなく、知らぬ間に届いておりました。
(交通安全協会は良い運動をしております・・・半強制的に集金のシステムがどうかと思うだけ)
利権の塊と思われる運転免許書の交通安全協会には入会しないのに、高い会費の眼鏡士協会には入会しちゃってるのよね・・・・・
日本の国家試験じゃない認定眼鏡士は、日本の眼鏡店にとって必須じゃないのよね・・・・・
年に一回以上の眼の勉強の講習を受けないと更新出来ないシステムで、志が高くないと「認定眼鏡士」の資格が無くなるので、ある程度の目安になるのは間違いがないはず!!!!
最近真剣に取り組んでる、「両眼視機能検査」知れば知るほど、眼鏡の調整度数に不安要素が湧いてくる・・・・
知らなければ、こんなもんかで済んでいたのが、勉強すればするほど、本当にこの度数で大丈夫なのか・・・・・
測定科目も増えるし、当然測定時間もお客様の眼の負担も増えてくる・・・・
これもお客様の為、しいては当店の為に日々勉強!!!
話は微妙に変わりますが、ちょうど一年前から福井県の助成を受けて、眼精疲労を軽減するための眼鏡を開発してきました。
研究の為に、当店で眼鏡を購入時の度数測定の際に、特別な目の状態のデータを取らさせていただいておりました。
(今までは症状を訴える方やあきらかにおかしい方を対象の検査を、大多数の方を対象に行うと想像以上の結果が!!)
そのかいあって、先日、特許庁から特許の内定ももらえました!!!!
(詳しくは後日)
それよりも、お客様からこの眼鏡をかける事により、「肩こり等が楽になった」とか、ある学生さんからは、「もうコンタクトレンズじゃダメ」という嬉しい事を言ってくれる方が増えてきたことが良かったです。


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