技術的お話
脳卒中後の複視(物が2つ見える)
昨日からの寒波で、雪が積もりました・・・
例年ですと「クリスマス寒波」と銘打ってクリスマス時期に雪がパラつくのですが、今年はちょっと早めですね!!
まだまだ地球は氷河期で、TV等で言われてるように本当に今後温暖化して人類は滅亡するのでしょうか???
気温が下がって、空気が乾燥すると「アレ」が猛威を振るうと警告されていますが、なぜだか日本は流行ってませんね・・・・
誰が何の目的で不安を煽っているのでしょうか??
雪が積もると、車椅子の方は本当に不便になります・・・・
当店では車椅子の方も安心してご来店いただいています。
ただフォロプター検眼器は車椅子の高さには対応していないので、一旦車椅子から専用の椅子に座り替えていただかなくてはいけませんが・・・・
(メーカーさんそこら辺の改良お願いします)
(車椅子でも座高が高い場合はそのまま車椅子で検眼出来ます)
そんな車椅子のお客様(61歳)
脳卒中をきっかけに複視(物が2つ見える)になって困っているとの事で、当店を調べて来店いただきました。
現在、手造りで自作して使用していたメガネがご覧の通りで、片側(左眼)を黒い布で覆いサイドも光の干渉を防いだ感じになっています。(レンズは入ってませんでした)
片眼づつの視力は良好ですが、片眼を塞がないと不便みたいです。
カバーテストでは大きな内斜位で、眼球の動きもスムーズではありません。
色々装用テストを踏まえたうえで制作したのが、
このメガネ!!
度数は入っていません(-0.00)が7Δ(両眼で14Δ)のベースアウトを入れる為、レンズ厚を極力抑えるため薄型の高屈折のレンズを使用しました。
(色収差(アッベ数)の少ない高屈折レンズが有れば良いのに)
度数が無くてもプリズムが多く入るとレンズが厚くなってしまいます。
(全メーカー制作範囲外の度数ですが作ってくれるメーカーさんを探します)
先天的に内斜位が有って、脳卒中がトリガーとなって発症したのか、脳卒中の影響で発症したのかは発症前のデータが無いので解りませんが、大変不便になっているのは間違いないです。
長らく片眼のみを使うモノビジョンの生活を続けていたので、このメガネをかけて即解決とはなりませんが、リハビリをしっかり続ければある程度の不自由は無くなりそうな感じですので作らせていただきました。
(納品時にも視線がしっかり合いました)
両眼を上手に使う一番有名で簡単なトレーニングが「ブロックストリングス」です。
必要だと思われる方には、店頭で紙に印刷した↑これはお渡ししていますが、
https://heart-land.jp/archives/42562
↑簡単に自作も出来るので、長めの紐で作ってみてください!!!
当店もいろいろこのブログで発信していますが、なかなか困っている方の目にとまりません。
なぜなら、ほとんどの方が眼で困っている自覚が無いからです。
5・6年前、1か月ちょい当店のお客様数百人の眼を測り、「シェアード」の原理から外れる目をお持ちの方の割合の統計を取ってみたことがありました。
(シェアードの原理は余力も測らないといけない事から、眼に負担がかかるため、現在は必要な方のみを対象に検査しています)
その原理から外れる割合は○○%でした・・・
(詳しい方が何かのデーターと一緒ぐらいだねと言ってくれてたのでタブン正確です)
シェアードやパーシバルの原理も1つの目安なので、そこから外れたら絶対では無いのですが、その中の○○%の方は、結構困っている方なのです。
(多分当社のデータはそれなりに確かだと思います)
困っていてもそれは決して病気ではありません。
(病気だと認定されると、両眼視に取り組んでる眼鏡店は全店NG)
(それだと困る方が困る)
当店では年間累計3桁の方々プリズムレンズを入れています。
そのほとんどの方が、たまたま当店でメガネを作るときに発見されて、納得された方だけがプリズムレンズを利用しています。
(困っていてブログを読んでそのため来店された方はほんの僅かな方しかいません)
(両眼視記事を読んでいただいて来店された方も当てはまる方は多くはいません)
ご安心下さい!!
ほとんどの方が大丈夫です!!!!
ただ、ほんの一部の方が、困る眼をお持ちですが、そのうちかなりの方が自覚がありません。
(良いのか悪いのか解りませんが、自覚が無くてもこちらで説明すると、自覚が出てきます)
(けっして、パーナム効果ではありません)
お手元用のメガネも同時購入いただきました。
同行いただいたご主人も、上下斜位が見つかり一緒に購入していただきました。
一緒にご来店いただいた娘さんが、輪投げ大会で飛び賞に入賞されてました((笑))
[コメントする]検眼室の改装
検査室の改装を手造りでいたしました!!
コロナ禍になって、アルコール消毒液機器用、検査員の手指の消毒液、椅子等の消毒液、レンズクリーナー、マスクによる検眼レンズの曇り取用ヒーター、等衛生用品が色々並んでごちゃごちゃしてたので・・・・
ベロア生地で目隠しをしました・・・・・
どうもベロア生地は、毛の向きがあるのでしょうね・・・3枚が逆方向のような気がします・・・
写真でとると余計解るので、生地を縫った嫁にその事を言うと・・・
なんだか倍返しで言われたので、このままでいきます(汗)
生地をサイズに切って、切端の処理をしてもらい、マジックテープを縫い付けて、両面テープでディスプレイに張り付けたのですが、重みで両面テープだけでは耐えられないので、ネジ釘で補強しました。
当店の検査室は、省スペース式視力表を採用しているので、なるべく近接性調節が入らないよう、視標を壁の中に組み入れ、視標の枠が気にならないようにして、暗室にした時に別な物が眼に入ると調節が入る可能性があるため、ガチャガチャした物を排除したいのです。
「VRゴーグル」と同じような感じをイメージしていただければ良いかと思います。
(余計解りにくいかな?)
その反対側に、今回お付き合いで購入した加湿器!!
空気が乾燥すると、検査時の検眼レンズが大変曇るので、ピンポイントに加湿出来るこの機器は、義理買いですが購入して本当に良かったと思いました!!!
ちょっとでも良かれと、色々努力いたしております!!
経済は義理人情でも回っています、引き続き応援のほどよろしくお願いします!!
追記
検眼スペースは個室に感じられたら間違いで・・・
被検者のすぐ横は、ドア無しで開放されておりますし
すぐ後ろは店内の様子がわかるようになっています。
あっ・・・
改装と大袈裟に書いてますが、ベルベット生地で目隠ししただけです(汗)
[コメントする]眼鏡士問題 焦点距離
先日購入したルーペ
https://heart-land.jp/archives/43638
(その時の記事↑)
が、天井のLEDスポットの光を集めていた・・・・
ところから、こんな問題を思いついた・・・
LEDスポットライトと、光の焦点の位置関係は上の写真の通り
「このルーペの度数は何ディオプトリー?」が問題です!
現在の眼鏡士の問題は5択から選択するので、
①約1D
②約2D
③約3D
④約4D
⑤約5D
当店には眼鏡士が3名在籍しているので、余裕です・・・タブン・・・
計算式は・・・
ガリレオの湯川教授並みの計算式で解くと・・・・
③番が正解でした!!!
これが天井のLEDなので計算が複雑になるので・・・
距離が1億4960万キロメートル離れている太陽からの光ならどうなるか考えてみてください???
無限遠方と考えていい太陽光の場合は・・・・
「発火して火事になる」が大正解!!!!
一応、焦点距離が30.7㎝(又は33.3㎝)になると答えた方も正解にします(汗)
コロナの影響で、伸び伸びになっていた眼鏡士の昇級テスト(S級➡SS級)を受けた当店スタッフの井上さんの結果は!!!
約1か月後に発表されます。
[コメントする]ミス から 改善
先日、お店でミスが発生・・・・
ある程度ミスは仕方が無いのですが、そのあとの対応が悪かったため、お客様にご迷惑をかけてしまいました。
(大変申し訳ありませんでした)
ミスの内容は、レンズマークの拭き残りがあった事・・・
(↓この画像は別の眼鏡のレンズマーク写真です)
遠近両用等累進レンズは、レンズの焦点が一か所ではない為、店頭のレンズメーターだけでは正確なアイポイント(レンズ加工の基準点)が解らない為、レンズに隠しマークが刻印されています。(比較的視野の邪魔にならない上の写真では赤い点)
この隠しマークからアイポイント等を算出出来るのです。
レンズ自体にも解りやすく加工しやすい用に、加工後拭き取れる特殊なインクで、光学中心点や、遠方や近方基準場所が印刷されているのです。(上の写真)
この特殊印刷されたインクは、加工後特殊溶液で拭き取るのですが、今回拭き残りが有ったためお客様に誤解が生じてしまいました。
今後このような拭き残しのミスが出ないように改善策を考えて・・・・
この電子顕微鏡を購入したのですが・・・・
倍率デカすぎ・・・・
大きく見える事に問題は無いのですが、一番先の部分に複数でリング状のLEDライトが発光してしまい、影を完全に無くしてしまうのです。
拭き残しやレンズマークは、全方向からのライトには、逆に見えにくくなってしまうのです。
説明書を見ても、色々操作してみても、ライトを消すモードがありません・・・
倍率が高すぎて、レンズ全体を見るのにも適していませんでした。
で・・・・・・
次なる策は・・・・
アナログな、ルーペでございます!!!
光源も一か所で、乾電池でいいので配線不要でクリップで止めれてとてもいい感じ!!!!
で、使い物にならなかった電子顕微鏡を、娘にメルカリかヤフオクで処分しておいてねって頼んだところ・・・・・
到着して試してダメだったその日に、ネットのプラットホームの会社に返品処理をして直ぐ発送していた・・・・(ゆえに商品画像はネット画像を使用してます)
最近の若者は直ぐ返品するんだ・・・・
俺が出品業者なら、プラットホーム会社から返品処理要請が来ると思うとぞっとした・・・
ちなみに、メガネ機器メーカーから、
レンズの歪や、レンズマークを見やすい用にとこのような機器もあって備えているのですが、これもいまいち使いずらい・・・・
レンズの歪(ヒズミ)を見るのはこれが断トツ見やすいです!!
(タレックスのプロショップにしかない備品となってます)
これも構造は単純なので、
↑(近見視力器)これ同様偏光膜を利用すれば自作も可能です!!!
https://heart-land.jp/archives/34651
その自作記事↑
当店は色々ミスをしますが、同じミスを繰り返さないように努力していますので、引き続き応援よろしくお願いします!!!!
[コメントする]特殊レンズ加工
緊急事態宣言、あけましておめでとうございます!
今となっては、緊急事態ってかなり大袈裟な言い方に聞こえますが・・・
あける前と後は、新年があけた時と同じようなものなのでしょうか?
特殊なデジタルとアナログなレンズ加工実例2例を紹介します。
デジタル編
段落ち的なステップ加工
普通のレンズ縁の加工はヤゲンと呼ばれる山状の加工をして、フレームの溝に合うようにするのですが・・・
今回は山の内側だけ、ザックリ削り取ります。
なんの為にこの様なレンズの縁加工をするというと、オークリーのサングラスは、万が一レンズが外れた場合、レンズが眼の方に行かないようにフレームの溝の目側(内側)だけ高くしてあります。
度の無い厚みの薄いサングラスレンズの場合だと、その内側の高い溝に干渉する事なく収まるのですが、度数が入ったふち厚が厚めのレンズだと、その部分に干渉してしまってレンズが収まらないため、その部分のレンズを削り取る必要が出てきます。
(オークリーのフレーム特性を良く理解していないメガネ屋さんでレンズ加工は注意が必要です)
当店のレンズ加工機は、
設定をしっかりすれば、機械が3D(立体的)できっちり削ってくれます!!
(この設定値を導くため初めて加工するフレームの場合は何度も試し摺るが必要になります)
(レンズ加工機械には、のべ何枚レンズ加工したかカウンターが付いているので、加工機メーカーはそのお店の繁盛状態が解るのですが、当店の場合試し刷りが多いため加工機メーカーはちょっと誤解してるかも知れません)
加工したフレームは、オークリー・アイジャケット・リダックス
(1994年に発売されたアイジャケットをアップディトした新型フレーム)
レンズのフレームカーブに合わせた、度数補正・プリズム補正を施した、ハイカーブ内面非球面レンズです。
レンズカーブは度数を考慮して若干浅めですが、レンズヤゲンカーブをフレームカーブに合わせ、歪やレンズ外れが無いようにきれいに加工しています。
当然プリズム補正は、その方の両眼視を考慮した補正値になっています。
色々考えてちゃんとしているのが伝わればOKですが伝わってますでしょうか?
アナログ編
けっこう強度のプラスレンズの遠近両用調光レンズ
プラスレンズはレンズ径を考えないと、とても分厚いレンズが来てしまいます
この画像は過去に何回も使用した画像です
上から2番目と、4番目が同じ度数ですが、発注を間違えると、こんなに厚みが変わってしまう例ですが・・・・
今やこんな事はあまり起こりません・・・・
最近はフレームをトレースしたデーターをデジタルで送ると、レンズ厚みを含め、端端までのレンズ設計までフレームに合わせたレンズがカットして届くのです!!!
ただ・・・・若干大き目で・・・・・
こんなに天地が狭く、角角したフレームは、フレームサイズに対してレンズがちょっとでも大きいと、ネジを締めるとレンズにヒズミが出てしまいます。
(角が無くまるくて大き目のレンズシェープだと分散されてヒズミが出にくいです)
裸眼では解りませんが、特殊フィルターを通して見てみると・・・・・
向かって右側がヒズミが出ている状態、向かって左側がヒズミを除去した状態
右側も最初はもっとひどかったのですが、除去してる途中にこのブログ写真を撮ろうと思いまだましの状態です。
レンズヒズミ除去作業には、フレームの修正(補正)も使うのですが、
ご覧のリム厚の為、フレーム修正はほとんどムリ・・・・
で、レンズをちょっとずつ、手で削っていきます!!!
(これがアナログです)
けっこうなプラスレンズなので、分厚いところと薄い所、8角形デザインですので角(頂点)が沢山あります。
手で削れば、薄い所は削れやすいし、角は無くなりやすいです・・・
ミクロの世界を手で感じて削る訳ですね!!!!
(ミリの単位の下がマイクロ(ミクロ)ですが、なにか)
昭和の僕の場合は、眼鏡学校でガラスレンズをダイヤモンドレンズカッターでカットし、カギ箱(死語)でガリガリして、セラミック砥石で手摺りしてたので頑張って出来ますが、これを若い人に承継する事は可能なのでしょうか・・・・・
眼鏡士の実技試験(加工)も平刷り(ヤゲンを作る前)から始めてたのが、ヤゲンの若干大き目からになったのも時代の流れ(加工機の進化)ではないでしょうか。
外からは解らない見えにくい事ですが、大変重要なことなので、手を抜かずに頑張っています!!!!
なにとぞ応援よろしくお願いします!!!
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