技術的お話
水晶体の調節機能とメカニズム
最近TV放送で、近視の番組が放映されてますね
関連記事
https://heart-land.jp/archives/41570
そこで目の調節機能の基本をおさらいすると、
目が良いとされる、「正視眼」
遠方の像を角膜と水晶体のレンズによって、網膜の中心窩に焦点を合わせてます。
近くを見る時は、屈折値を変えないと焦点(ピント)が網膜上で合いません。
それで、水晶体の屈折値を変えて(調節)(水晶体を膨らませて)
近方にピントを合わせます。
カメラ(機械)にも同じようなオートフォーカス機能がありますが、生物の眼より勝るものはまだまだ無いのでは無いでしょうか。
それで、近視のメカニズム・・・
遠方の像が、網膜に焦点が合っていません・・・
そこで、マイナスレンズを用いて
焦点を網膜上に人工的に合わせます。
どうして近視になるのか?
所説ありますが、遺伝と生活環境にあるといわれています。
日本人は近視が多いと思われてますが・・・
パソコンやスマホが普及する30年以上前、多くの漁師さんたちの眼をオートレフで測定した事があって、遠視寄りの方が多いと思った事があります。
たぶん江戸時代の日本人の眼を測定しても、現代ほど多くの近視の方はいないように思います。
(あくまで僕の主観)
江戸時代には細かい文字を見る事は無いし、夜は寝て昼は屋外で活動していたはずです・・・
近視の原因の一つに、水晶体が膨らんだ状態が続き(調節したまま)経年(成長)して、近視化するのではないのか?
(医師の指導の元、寝る前に調節麻痺(散瞳)剤を点眼する眼科的治療もあります)
最近のTV等では、軸性近視
眼軸が伸びて、近視になっているという放送がされてます。
(昔から強度の場合には軸性近視と言われてました)
(この図は成長期の児童が水晶体の無調節状態を続ける(近視の未矯正及び弱弱矯正)と成長の過程で眼軸が伸びるという僕の見解の仮説の図)
眼軸長が測れる機械の発達で、より説明がしやすくなってTV放送になったのでしょう。
(関連記事で計算しているデータでは1㎜で3Dだから上の作図ぐらい伸びたら!!!!)
赤ちゃん時代は眼球自体が小さいため、ほぼ遠視眼になります。
ただ、余りある強い調節力で、
(加齢と共に調節力は低下していきます)
しっかりピントを合わすことが出来るのです。
しかし成長と共にどんどん近視化されていきます。
遠視が近視化されて正視で止まれば良いのですが・・・
更にどんどん近視化する場合が多いのです。
近視になる予防方法は無いのか??
ここからは僕個人の主観になります。
近くを見続ける為には、水晶体を調節し続ける事が必要になります。
①水晶体が長時間調節し続けるのは大変なので、眼軸が伸びて水晶体を助けるために眼軸が伸びるのでは(仮説)
近視の未矯正や弱すぎる度数の矯正
②近視なのに眼鏡をかけていなかったり、弱すぎるメガネしかかけていないと、水晶体が調節が不必要となり調節しなくなります。すると近くにしかピントが合わなくなり、遠くにピントを合わす事を脳がしなくなり、近視化が加速する(仮説)
(上から7番目の図参照)
要は、遠方視をしっかりして目と脳を鍛えることです。
アフリカで、遠方のライオンを探す毎日を過ごせば近視化を防げるはずです。
(遠方をボ~~と見ていてもダメですヨ)
僕がお客様に説明しているのは、マイナス調節をしっかり使う事
水晶体の安定位では、若干網膜の前に焦点を合うようにして
しっかり遠方を見る時にマイナス調節を働かせて、網膜上に焦点を持ってくること。
図で書くには簡単ですが、実際の水晶体の状態は簡単には判断が出来ません。
過矯正や弱弱矯正の度数では、このマイナス調節が働かないのです。
当店で眼鏡を購入いただく際には、水晶体の状態を推測しながら丁寧に測定をして、このような状態になるようにメガネのレンズを調整しております。
しっかり適正な度数で合わせて、水晶体も網膜もしっかり機能させて働く事で、近視の進行を抑制し、視機能を低下させません。
職業ドライバーの方等、長時間遠方視を必要な方には、水晶体の安定位での度数調整をお勧めしたりもしてます。
(マイナス調節をし続けるのも疲れるため)
お客様にとって一番快適な度数を提案するために、いろんな生活環境の事をお聞きしたりしてますが、決して興味本位で聞いてる訳ではありません。
必ず年齢もお聞きしますが、そういう理由からです。
僕が20代の頃は、年齢を聞きにくかったりして、生年月日から計算したりしてましたが、堂々としっかり聞くようにしたら、お客様もしっかり答えてくれるようになりました。
お客様も聞きにくい様子を感じると、答えにくくなるのかもしれませんね。
話を戻して、眼鏡店がよく使う「完全矯正値」の定義は、
「最高視力が出る最弱度」なのですが、
測り方によって水晶体の状態が変わり、「完全矯正値」の測定度数値が変わってしまうのです・・・・・
まとめると・・・
当店では、しっかり考えて度数調整を行ってますというのを・・・・宣伝したかったのです・・・
[コメントする]ムぺンバ効果 と マルヤマ効果
ムぺンバ効果とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%90%E5%8A%B9%E6%9E%9C
「高温の水の方が低温の水よりも短時間で凍る事がある」という事
僕の頭の中でいくら理解しようと思っても、ありえないと思ってしまう。
小保方さんのSTAP細胞もその一種かも・・・・
コロナの影響で皆さんマスクが必須になって、メガネレンズの曇り止めが爆売れしています!!
レンズが曇るのは、撥水性のレンズコーティングが細かい水滴(息)を付着させることによりレンズが曇ります・・・
曇り止めは、その水滴を親水性のコーティングを塗る事により、水滴(粒)を粒じゃなくして、ベチャ~とレンズにくっ付けることにより曇らなくしているのです(表現があってるかどうかは?)
界面活性剤(普通の洗剤)を塗るだけでも多少の効果はあります。
他にもレンズが曇る原因に、温度と湿度が関係していて、温度が高いとたくさんの水分が維持できる。即ち気温が低い冬場に、体温の水分の多い息が冷たいレンズに吹きかかるとレンズは曇ります。
現在コロナの影響で、検眼する場合、検者も被験者もマスク着用になってますので、どうしても検眼レンズが曇りやすくなります。
検眼レンズに曇り止めを塗れば良いのですが、大量にあるし常にレンズを拭くために、ちょいと無理があります。
たぶん一番良い方法が、検眼レンズを体温(人肌)まで温めれば、曇りにくいように思いますが・・・(笑)
最近気が付いたのです、店頭の加湿器付き空気清浄機2台がフル稼働しているのですが、水を入れ忘れた時には、検眼レンズが曇りやすく感じるんですね・・・
普通、店内の湿度が高い方が、レンズは曇りやすくなると思いませんか?
湿度が高い方が、ウイルスには厳しく、お肌には優しく、メガネレンズは曇りにくい!!!
この効果をマルヤマ効果となづけて、ここで発表します!!!
[コメントする]軸性近視・・・計算シテミマシタ・・・
NHKスペシャル 「わたしたちの“目”が危ない 超近視時代サバイバル」
ガッテン︕ 「75年の物語 近視の研究者が私たちに警鐘を鳴らす︕SP」
あさイチ 「私たちの目が危ない︕今日からできる対策編」
等NHKで「近視」のテーマで放送されています。
軸性近視とは、右端から左端までの距離が伸びて、焦点が眼の中の方になる
二年前に眼鏡店の方々とクロージングのオンラインサイトで「眼軸が1㎜伸びるとどれくらい度数が変わるか」の議論の中で計算してみた計算式をコピペしてみました。
・・・・・引用・・・・
あズート考えていました(汗)
角膜の屈折力が43.5D水晶体の屈折力が19.11D
計62.16D として
100÷62.16=1.6㎝(焦点距離と仮設)
100÷(1.6+0.1)=58.8D
62.16-58.8=3.7(いろんな誤差含む)
が計算式ではないでしょうか?
中学校以来こんな数式考えた事ないので、本当に勉強になります(笑)
丸山 道則
管理者
投稿者
角膜と水晶体が平行にあるからややこしくなって・・・
二つのレンズを一つだと考えた場合、62.16の屈折力の焦点距離は1.6㎝(100÷62.16)と考えて、
1mm長くなったので(1.6+0.1)の1.7㎝焦点の屈折力を考えると58.8D
元の62.16Dと1㎜長くなった58.8Dの差が3.7D
で、1㎜長くなると約3D変化する!
まあまあ合ってる気がする・・・
今日の午前中モヤモヤしてたのが自分の中でスッキリしました(笑)
・・・・引用終わり・・・・・
教科書には、計算式は書いていませんが・・・・
大きく間違っていない気がします(笑)
当店の電子カルテには22年分の膨大なデーターの蓄積が入っています。
個人の変化だけではなく、親子や兄弟、孫のデータまで揃ってる場合が沢山あります、
個人のメガネを作るには20年前のデータはあまり役には立ちませんが、研究するには面白いデータが取れるかもしれません。
お客様のデータは個人情報保護法に基づいて厳重に管理いたしております。
[コメントする]調節の介入(プロ編)
眼鏡技術者向けのブログ内容ですが・・・・
オートケラト測定器データ から
1回目
2021/3/2 15:29
S-11.75C-0.75
2回目 15:38
S-10.50C-0.75
3回目 15:49
S-9.50C-0.5
これ41歳女性の同じ方のデータなんです。
オートレフは1回が普通なんですが、レフ後自覚検査で違和感があり、もう一度レフを取り直す事はあるのですが、3回はあまりありません。
当店スタッフ全員測定する時は必ず雲霧状態から測定を始めるのですが、そうする事により過矯正度数にする事を防ぐ事が出来ますが、調節が残ったままだとあまり意味がない事にもなりかねません。
たまにオートレフの原理を聞かれるのですが、詳しく説明できるほど理解出来て無いので「カメラのオートフォーカスと同じような原理」と答えてますが・・・・正解かどうかは解りません(汗)
カメラの被写体は、太くなったり細くなったりしませんが、目の中は調節が働き度数が変わる場合があります。
今回のオートレフでの度数変化の原因は、大きい外斜位・・・
常に調節と輻輳を使って、眼位を安定させてるケースだと思います。
瞳孔径が、1回目4.7㎜ 2回目4.9㎜ 3回目5.8㎜と、段々散瞳している状態が数値で出てますね。
調節と縮瞳(散瞳)はセットで動きます。
一般的に外斜位の場合、遠用度数(マイナス)を強くすれば、斜位量は少なくなり、弱くすれば斜位量が多くなります。(AC/A比も関係するので一概には言えませんが)
この例の場合、最近はやりの、両眼開放融像視力検査だけしていると、近視度数は強くしか出ないので注意が必要です。
今回の場合は、近視度数を落とたうえプリズムレンズを使って両眼視を維持するか、強めの度数にして両眼視を維持するか・・・・
ご本人にご自身の眼の状態を良く理解してもらって、納得のうえ度数を決めていきます。
ん~~今回のレアケースだと自覚検査だけで20分かかってる事が解るな・・・
忘備録&スタッフに連絡
お渡しの時「調節機能測定AA-2」で解析データを取らさせてもらってください。
[コメントする]深視力 必須
深視力とは、 物体の遠近感、立体感、奥行き、動的な遠近感を捉える目の能力であり、車の大型免許や二種免許を取得更新するためには、必須となっています。
先日、僕自身が5年ぶりの免許更新に行ったときに、お願いして深視力測定をしてもらいました。(僕の免許証では深視力必要ないのですが)
5年前の測定器と比べて新しくなっていました。
(たぶんLED照明になったような気がする)
「前より解りやすくなりましたね」と試験官さんに言ったら、「解りにくくなった」と答える人が多いらしいです。
それは測定器のせいでは無く、そう言った方の目の方が加齢(老化)したせいのような気がするのですが・・・・
先日、深視力機難民として、当店に設置してある深視力測定器を求めて来店された50代男性
いろいろ伺うと、大型免許を新たに取得するために、どうにかしたいとの事
深視力計で測定すると、全然一致しない・・・
片眼づつの視力が良くても、両眼立体視がちゃんとしているかは、視力とは別物です。
度数測定すると、大きな外斜位と上下斜位
カバーテストでは、遠方斜視の動きですが、近方立体視は出来ていました。
人間の目は、左右の目で見た同じ像を一つの物と感じた場合、一つに融像して立体的に見る事が出来ます。
近方視は調節輻輳をおこすので、より目のきっかけが出来やすいため遠方立体視が出来てなくても近方立体視の出来る方は多いのです(外斜視の場合)
一般的に立体視が出来る人間の脳は9歳までに出来上がるとなっており、その時期までに習得しないと立体視は出来ないと言われてます。
(斜視・不同視・強度乱視等々片目の視力だけ悪く一方の目を使用してない場合の弱視と同じ感じ)(アイパッチ等での訓練でも両眼視を意識する事が重要)
当店の深視力機は、壁の中・・・
アイメックのために開けた穴は現在・・・
ノートパソコンの位置を変えて、コロナ対策のための送風機の穴になってます((笑)
話を戻して、その大きい穴の上の小さい穴に
三本の棒があり、真ん中の棒が前後に移動して、両サイドの棒と平行になる地点でボタンを押して止める測定方法。
横からみると・・・・
この緑のテープの中に3回連続止めれれば、深視力は合格となります。
この方両眼視検査をしてみると、大きな外斜位を上下斜位・・・
(既に書いてるし)
遠方視は限りなく斜視・・・
で、
プリズム入りのメガネをご注文いただいたのですが、お渡しまでの1週間の間、両目をしっかり使うトレーニングをしてもらいます。
ビジョントレーニングで一番有名な、ブロックストリングス
このブログで過去にも作った記事を書いてますが、改めて手作りしてみました!
100均(セリア)で購入してきた、フエルトのボールと、糸
合計200円(税抜き)
6メートルの糸に、24個のポンポンボールなので、200円で大量に出来ますが、一つ試作して出来る事を確認できれば・・・途中で飽きちゃうのが、僕の性格・・・
(たぶん紐は白じゃない方が良いかも・・検証する気力がム・・・)
(両眼視近点視力表も出来る事が解った段階で飽きちゃいました)
お客様にお渡ししてるのは、A4の紙に印刷した、当店オリジナルのこのシート!!
画像のイラストの位置に紐を持っていき、両目で球を見る!
ポイントは、紐が画像のようにクロスに見えている事!
片側の紐しか見えてない場合は、両目で像をとらえていません。
輻輳力と開散力の強化には、最適なトレーニング方法です!
ただ、眼位の関係でトレーニングだけではどうしようもない事がありますが・・・
そこでアシストするのがプリズムレンズ!!
斜位量(遠方・近方)を測定し、輻輳力・開散力を測定し、最適なプリズム度数を算出し、装用テストを経て、メガネを制作しています。
出来上がり後メガネの写真を撮る前に取りに来られたためメガネの写真はありません。
この1週間しっかりトレーニングを積まれていたので、固視ズレして遊んでいた左目もしっかり機能してました。
新しいメガネをかけてもらって、深視力機で測定すると、あれほど合わなかった三款法が、本当にピッタリと止めていました!!!!
お客様以上に感激しました!!!
今回のこの方は、大型免許が絶対必要で、難民として当店にたどり着きましたが、
普通免許では深視力が必須でないため、立体視が出来て無かったり弱かったりしても自覚がありません・・・・
運転やスポーツには、距離感がほんと大切です!!
当店でメガネを作る場合、眼位検査は必須項目に入っていますので、いかに自覚が無いのかが良く解るし、自覚があっても原因が解っていない方がほとんどです。
長々と書きましたが、僕が何を言いたいかが理解できた方は、是非当店で・・・・
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