メガネのハートランド
福井県鯖江市産の眼鏡を販売。認定眼鏡士のいるお店。
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技術的お話

スタッフブログ

カテゴリー技術的お話

レンズの熱クラック

技術的お話

PL法(製造物責任法)が始まった頃は、プラスチックレンズのマルチ(多層膜)コートの使用上の注意を、お渡しの時に説明してました。

「プラスチックテンズの反射防止(多層膜)コーティングは熱に弱く、素材のプラスチックと金属コーティングの熱膨張率が違うためにひび割れが起きる現象の事を熱クラックといい、夏場の車中の放置だとか、サウナとか焚火だとかに注意してください」みたいな・・・


今回のお客様、サウナにメガネ着用のまま入られて・・・・

写真では解りにくいですが、コーテングがバキバキです・・・・

高温のサウナに入っていたらこうなったそうです・・・・・

特殊フィルターを通してレンズを見てみると、レンズ自体が変形してしまってます。(当店で販売・加工したメガネは全て歪計でチェックしてます。販売時にはこのような変形はありませんでした)

僕が眼鏡業界に入った時は、ガラスレンズとプラステックレンズの割合が半々ぐらいだったのが、現在はよっぽどの指定が無い限りプラスチックレンズとなってます。(安全面・重さ等から)

当店オリジナルの取り扱い説明書には詳しく解説しておりますが、周知の事実だとなってきているので、説明は簡素化されているのが事実です。


初詣などの焚火にも注意してくださいね・・・・

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スマホ老眼(ピントフリーズ)

技術的お話

最近、スマートフォーン等の普及でスマホ老眼等が問題になっております。

長時間画面の小さいスマホの画面を凝視し続けることで、ピント筋(毛様体筋)が収縮した状態が常態化して、元の状態に戻らない状況です。

正視で無限遠を見ている状態



正視で近方視をしている状態

眼は近くを見る時に、水晶体というレンズを膨らましてピントを合わせているのです。

当店に設置しているオートレフケラという測定器で、他覚的(覗いてるだけ)で測定した結果です。
13歳中一の女の子です。
見方は、12月8日 一回目14時19分 右S-2.00 (近視の度合いで数値の大きい方が視力が良くない)(乱視等は割愛)
が、9分後の14時28分 右S-1.00 と半分の数値になっています。
(こんだけ度数が変わっているのに角膜のカーブと度数は変化なし)

これは、近くを見ている状態のままの水晶体(二番目の図)がフリーズして、戻りきらずに他覚検査をしてしまうと、実際の眼よりも強く(S-2.00)出てしまい、調節(フリーズ)を解除してやる事により、本来の度数(S-1.00)が測定出来た事を示します。

当店が使用しているレフケラ(ARK-1s)は比較的新しい機種で、調節が入らないよう雲霧を自動的に行っている機種ですが、それでも上のデータみたいに数値が大きく変わって出る事があります。

ピントフリーズしたままの状態を気が付かずにそのままメガネを作ってしまうと・・・・・・
実際の眼の状態よりも強すぎる度数のメガネになり、近視が進んでしまう原因の一つになりかねません。

当店のスタッフは、そうなら無いような測定方法をとってますし、そうなら無いように注意して測定しています。
(特に弱年齢層のお客様には、近視抑制のアドバイスをなるべくしています)


この内容のブログを書こうとした数日後の別のお客様

12歳の女の子
12月13日 1回目17時40分 2回目11分後の15時51分

通常時間を離して2回づつオートレフケラ(他覚測定器)をする事は無いのですが、ブログで紹介しようと思い測らしてもらいました。

12歳の女の子の方は、13歳の女の子よりも強めに調節を外す作業を行ったのですが、結果は1回目の測定とほぼ変わらず・・・・
(ピントフリーズでは無いと)

眼科では、調節麻痺剤(目薬)を点眼して、お薬により調節を解除して測定する場合があります。

当店では、低年齢の児童の初めての眼鏡の場合や、眼科受診を先にした方が良いと判断した場合等は、まず眼科さんの受診をお勧めしています。




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バカネジ

技術的お話

メガネのテンプル(ウデ)を止めるネジとレンズを止めるネジの太さは、ほとんど1.4㎜の太さのネジを使っております。
国際的にも1.4㎜が主流です!!

そんなネジがバカになる・・・・

メガネのネジが空回りしてうまくとまらない事があります。

ネジ自体の山が削れて空回りしている時は、ネジ自体を交換すればよいのですが・・・

眼鏡の方のネジ山が削れている時は・・・・

当店の場合は、まずはバカ止めネジを使用します!!
バカが治る訳ではありません・・・

1.4㎜よりも少しだけ太い「バカ止めネジ」(名称)を使うのです!!

それでもとまらない場合は、







ネジ穴を、1.4㎜から1.7㎜に大きくして、1.7㎜のネジを使用します!!

当店の前身は、僕の両親がやっていた眼鏡製造工場なので、ネジ山を切るタップや、タップやドリルを付ける柄の部分(なんと呼ぶのでしょうか)もたぶん40年以上前の物です!!!

メガネの調子とり(フイッテング)に使用する工具も、親父が既成の工具を削って作った物などもいまだに使用しております!!!

嫁もお袋から手ほどきを受けてますので、誰よりもその工具を使っていたのですが、違う流派に入門したため、今はその流派の工具を使用してますが・・・・



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マドックス桿・視力条件

技術的お話

昨日のブログで、運転免許書の条件に三桿法(立体視)の事を書いて思い出したのですが・・・・

「 三桿法 (サンカンホウ)の 「桿 」(カン)の字が単漢字でも出てこなくわざわざ「操縦桿」(ソウジュウカン)で入力して操縦の部分を消す作業が・・・」(マドックス小 桿 も同様)(どうでもいい話)

「斜視検査出来ますか?」みたいな内容の電話予約がありました。
訪れたのは、10代後半の好青年!!

普通に電話問い合わせで「斜視検査」「両眼視検査」「斜位測定」「複視」「深視力」等々のキーワードで訪れて来る方は、中年以降の方が圧倒的多数なんです。


色々話を聞いてみると

好青年「視力検査のマドックス値が範囲外だったんです」

俺「・・・・・」

好青年「マドックスって解ります?」

俺「もちろん解るよ!ただ当店はフォン・グレーフェ法を主にしているよ」

と、一般の人からマドックスと言うワードが出てきたので、唖然として、普通に業界人に返すような受け答えをしてしまったのですが・・・・・
もしかして、他のメガネ屋さんに「マドックス」の事を言っても解らない場合が多かったのかもしれません・・・・

さらに話を伺うと、身体検査の合格基準の中の眼の項目は、
①視力(裸眼・矯正・遠距離・中距離・近距離)②斜位③輻輳近点④眼球運動⑤色覚⑥深視力⑦視野⑧夜間視力
の8項目
なんかこちらが勉強になります(笑)

問題だったのが④の斜位で、マドックスの測定値が外斜位で6Δ内斜位で10Δ上下が1.5Δ以内との事
(何故に内斜位が外斜位より大きい数値なのか?逆じゃ??とその時は思ったのですが、今書いていて測り方によって運動性融像や輻輳・調節が作用して内斜位方向に数値が出やすいのを考慮しているのかなと・・・・)

その好青年を測定してみると、確かに外斜位があり、輻輳近点もその合格基準値の中ではあるもののちょっと遠め・・・・

マドックス値も頑張ればその合格基準値内・・・・・

ガンバレバ・・・・・

マドックス斜位0の状態

ただ、裸眼じゃなく眼鏡での矯正値でOKなので、しっかりメガネで矯正は可能です!!!

その場合はその仕事中にすぐかけなおせる予備の眼鏡を携帯しないといけないらしい・・・・
一般の人もそうなった方が業界の為だが・・・・
まず俺が常に予備眼鏡を携帯しよう・・・・(笑)

追記、身体検査の合格基準は航空学校の入学基準でした。

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深視力・三桿法・大型免許

技術的お話

福井出身・大阪在住・40代後半の女性が、大型けん引自動車免許を取得するのに、深視力が通らないので眼鏡を作りたいとの事で来店。

大型免許や二種免許等の運転免許には、普通免許よりも良い視力と、さらに立体感・距離感・奥行(深視力)が必要となります。

その深視力を測定する方法が「三桿法」で、三本の棒の真ん中の棒が前後に移動し、両サイドの棒と一直線に並ばないといけない検査法(誤差前後2㎝)

深視力測定器

当店には深視力の検査器があります!!

上の写真で、真ん中の棒は両サイドの棒と平行に並んでいるでしょうか?

写真に撮った画像では解らなくて当然です!

人間は左右に目があり、それぞれの違う角度から物を見、それを一つの画像と認識する事により脳の中で、立体感・奥行・距離感が生まれます!!

単眼のカメラで撮った画像では、奥行きは解りにくいのです。



ちなみに前の写真では、真ん中の棒は、両サイドの棒に比べて2センチ以上前にあって、深視力の検査では合格範囲外です・・・・

一番右にある棒が真ん中の棒で、緑のラインが合格範囲

話を最初に戻して・・・・
来店いただいた40代後半女性の眼を測定してみると、近視よりのミックス乱視があり、更に外斜位・若干の上下斜位がありました。

既に大型運転免許は裸眼で所得出来ていたところを見ると、加齢による色々な眼の調整力の低下によるところと思われます。

裸眼での深視力の検査は、ボロボロでしたが・・・・
しっかり矯正した眼鏡での検査では、しっかり合格ラインに収まります!!


次の再検査ではしっかり合格出来ると思います。

運転免許書には、眼鏡等(大型牽引時)と書かれて、普通自動車運転時には、眼鏡をかけなくても良いのでしょうね・・・・
条件は付かなくても、安全に運転するのと、眼鏡での見え方を脳がしっかり把握する意味でも、常に眼鏡をかけといた方が良い事はお伝えしてあります。




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