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水晶体の調節機能とメカニズム パートⅡ

技術的お話

前回のブログ記事は、片眼だけを考えた場合です。

 

人間の眼は左右に二つあるから、更に難しくなってきます・・・

 

図

今回は外斜位の事例で考えてみます。

 

前回に語った「完全矯正値」も、片眼の測定値と、両眼を使った融像視の測定値には違いが出るのです。

特に上のような強めの外斜位の場合、調節を使って輻輳両眼視をしている時の「最高視力の最低度数」は片眼測定の「完全矯正値」と比べて「完全矯正値」は変わってくるのです。

 

書いてても何を言ってるのか理解してもらいにくいですね(笑)

 

 

この場合、近視進行をマイナス調節を使って抑制したい場合は、

図

BINプリズムレンズを使用して、度数が緩めの「完全矯正値」を狙わないと、マイナス調節は起こりません。

ただたんに弱めの度数にしただけでは、両眼視に支障をおこしてしまいます。

 

じゃあ内斜位の場合は・・・・

(内斜位は作図してませんが、眼位は外斜位の反対です(汗)

 

遠方視は弱めの度数で良いのですが、近くを見る時に調節と共に輻輳が入るので、近くは度数が弱い方が見やすいのです(近視の場合)

そうすると、遠方視はピントが合わずにマイナス調節は働かない・・・・近方はプラス調節も働かないため無調節状態が続く・・・やはり近視化が進んでしまう可能性があります。

 

説明が難しい・・・・・

 

眼鏡士の両眼視の考え方の一つに、AC/A比を用いた視機能分析があります。

(AC/A比とは、1D調節すると、どんだけ輻輳するか)

 

遠見眼位・近見眼位・AC/A比の3つ を「高・普通・低」の3つに分けて、3×3×3=18分割して分析していく考え方ですね・・・・

 

眼鏡士のSSS級の試験にならないと、この問題は出ません。

 

偉そうに書いてますが、僕が所持している眼鏡士の級は・・・SS級です(汗)

 

一時問題集を取り寄せて、試験勉強をすることも考えなかった訳では無いのですが・・・

問題集をペラペラしただけでめまいがしました

試験問題には、実践とは別に記憶しないといけない知識が多く含まれます。

(どのような資格試験も一緒ですが)

 

嫁が独学でSS級を取得出来た事で、SS級を取得するための勉強会のオンラインサロンを立ち上げ、ゆくゆくは皆でSSS級を取りたいと思っていたのですが・・・

十数名が参加してくれて、凄く勉強になり大変楽しく運営していましたが、主催した僕自身のふがいなさとプレッシャーから、現在は放置状態に・・・

また復活したいな~と思っていますが、会を運営するプレッシャーは僕には無理なような気がします(笑)

協会や組合やグループを立ち上げて運営出来る人ってスゲーなという事も勉強出来ました。

 

 

なんか話がずれまくっていますが・・・・・

 

色々考えて、度数を測定している眼鏡屋さんが当店です!!!!

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水晶体の調節機能とメカニズム

技術的お話

最近TV放送で、近視の番組が放映されてますね

関連記事

https://heart-land.jp/archives/41570

 

そこで目の調節機能の基本をおさらいすると、

 

図

目が良いとされる、「正視眼」

遠方の像を角膜と水晶体のレンズによって、網膜の中心窩に焦点を合わせてます。

 

 

 

近くを見る時は、屈折値を変えないと焦点(ピント)が網膜上で合いません。

それで、水晶体の屈折値を変えて(調節)(水晶体を膨らませて)

図

近方にピントを合わせます。

カメラ(機械)にも同じようなオートフォーカス機能がありますが、生物の眼より勝るものはまだまだ無いのでは無いでしょうか。

 

 

それで、近視のメカニズム・・・

図

遠方の像が、網膜に焦点が合っていません・・・

 

そこで、マイナスレンズを用いて

図

焦点を網膜上に人工的に合わせます。

 

 

どうして近視になるのか?

所説ありますが、遺伝と生活環境にあるといわれています。

 

日本人は近視が多いと思われてますが・・・

 

パソコンやスマホが普及する30年以上前、多くの漁師さんたちの眼をオートレフで測定した事があって、遠視寄りの方が多いと思った事があります。

 

たぶん江戸時代の日本人の眼を測定しても、現代ほど多くの近視の方はいないように思います。

(あくまで僕の主観)

江戸時代には細かい文字を見る事は無いし、夜は寝て昼は屋外で活動していたはずです・・・

 

 

近視の原因の一つに、水晶体が膨らんだ状態が続き(調節したまま)経年(成長)して、近視化するのではないのか?

 

(医師の指導の元、寝る前に調節麻痺(散瞳)剤を点眼する眼科的治療もあります)

 

 

最近のTV等では、軸性近視

眼軸が伸びて、近視になっているという放送がされてます。

(昔から強度の場合には軸性近視と言われてました)

(この図は成長期の児童が水晶体の無調節状態を続ける(近視の未矯正及び弱弱矯正)と成長の過程で眼軸が伸びるという僕の見解の仮説の図)

 

眼軸長が測れる機械の発達で、より説明がしやすくなってTV放送になったのでしょう。

(関連記事で計算しているデータでは1㎜で3Dだから上の作図ぐらい伸びたら!!!!)

 

 

 

 

赤ちゃん時代は眼球自体が小さいため、ほぼ遠視眼になります。

図

 

ただ、余りある強い調節力で、

(加齢と共に調節力は低下していきます)

図

 

 

しっかりピントを合わすことが出来るのです。

 

しかし成長と共にどんどん近視化されていきます。

 

遠視が近視化されて正視で止まれば良いのですが・・・

 

更にどんどん近視化する場合が多いのです。

 

近視になる予防方法は無いのか??

 

ここからは僕個人の主観になります。

 

 

近くを見続ける為には、水晶体を調節し続ける事が必要になります。

①水晶体が長時間調節し続けるのは大変なので、眼軸が伸びて水晶体を助けるために眼軸が伸びるのでは(仮説)

 

近視の未矯正や弱すぎる度数の矯正

②近視なのに眼鏡をかけていなかったり、弱すぎるメガネしかかけていないと、水晶体が調節が不必要となり調節しなくなります。すると近くにしかピントが合わなくなり、遠くにピントを合わす事を脳がしなくなり、近視化が加速する(仮説)

(上から7番目の図参照)

 

要は、遠方視をしっかりして目と脳を鍛えることです。

アフリカで、遠方のライオンを探す毎日を過ごせば近視化を防げるはずです。

(遠方をボ~~と見ていてもダメですヨ)

 

 

僕がお客様に説明しているのは、マイナス調節をしっかり使う事

 

図

水晶体の安定位では、若干網膜の前に焦点を合うようにして

図

しっかり遠方を見る時にマイナス調節を働かせて、網膜上に焦点を持ってくること。

 

図で書くには簡単ですが、実際の水晶体の状態は簡単には判断が出来ません。

過矯正や弱弱矯正の度数では、このマイナス調節が働かないのです。

 

当店で眼鏡を購入いただく際には、水晶体の状態を推測しながら丁寧に測定をして、このような状態になるようにメガネのレンズを調整しております。

 

しっかり適正な度数で合わせて、水晶体も網膜もしっかり機能させて働く事で、近視の進行を抑制し、視機能を低下させません。

 

 

職業ドライバーの方等、長時間遠方視を必要な方には、水晶体の安定位での度数調整をお勧めしたりもしてます。

(マイナス調節をし続けるのも疲れるため)

 

お客様にとって一番快適な度数を提案するために、いろんな生活環境の事をお聞きしたりしてますが、決して興味本位で聞いてる訳ではありません。

必ず年齢もお聞きしますが、そういう理由からです。

 

僕が20代の頃は、年齢を聞きにくかったりして、生年月日から計算したりしてましたが、堂々としっかり聞くようにしたら、お客様もしっかり答えてくれるようになりました。

お客様も聞きにくい様子を感じると、答えにくくなるのかもしれませんね。

 

 

話を戻して、眼鏡店がよく使う「完全矯正値」の定義は、

「最高視力が出る最弱度」なのですが、

測り方によって水晶体の状態が変わり、「完全矯正値」の測定度数値が変わってしまうのです・・・・・

 

まとめると・・・

 

当店では、しっかり考えて度数調整を行ってますというのを・・・・宣伝したかったのです・・・

 

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ムぺンバ効果 と マルヤマ効果

ムぺンバ効果とは

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%90%E5%8A%B9%E6%9E%9C

「高温の水の方が低温の水よりも短時間で凍る事がある」という事

僕の頭の中でいくら理解しようと思っても、ありえないと思ってしまう。

 

小保方さんのSTAP細胞もその一種かも・・・・

 

 

コロナの影響で皆さんマスクが必須になって、メガネレンズの曇り止めが爆売れしています!!

 

レンズが曇るのは、撥水性のレンズコーティングが細かい水滴(息)を付着させることによりレンズが曇ります・・・

曇り止めは、その水滴を親水性のコーティングを塗る事により、水滴(粒)を粒じゃなくして、ベチャ~とレンズにくっ付けることにより曇らなくしているのです(表現があってるかどうかは?)

界面活性剤(普通の洗剤)を塗るだけでも多少の効果はあります。

 

他にもレンズが曇る原因に、温度と湿度が関係していて、温度が高いとたくさんの水分が維持できる。即ち気温が低い冬場に、体温の水分の多い息が冷たいレンズに吹きかかるとレンズは曇ります。

 

現在コロナの影響で、検眼する場合、検者も被験者もマスク着用になってますので、どうしても検眼レンズが曇りやすくなります。

 

検眼レンズに曇り止めを塗れば良いのですが、大量にあるし常にレンズを拭くために、ちょいと無理があります。

 

たぶん一番良い方法が、検眼レンズを体温(人肌)まで温めれば、曇りにくいように思いますが・・・(笑)

 

最近気が付いたのです、店頭の加湿器付き空気清浄機2台がフル稼働しているのですが、水を入れ忘れた時には、検眼レンズが曇りやすく感じるんですね・・・

 

普通、店内の湿度が高い方が、レンズは曇りやすくなると思いませんか?

 

湿度が高い方が、ウイルスには厳しく、お肌には優しく、メガネレンズは曇りにくい!!!

 

この効果をマルヤマ効果となづけて、ここで発表します!!!

 

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軸性近視・・・計算シテミマシタ・・・

技術的お話

 

NHKスペシャル 「わたしたちの“目”が危ない 超近視時代サバイバル」

ガッテン︕ 「75年の物語 近視の研究者が私たちに警鐘を鳴らす︕SP」

あさイチ 「私たちの目が危ない︕今日からできる対策編」

 

等NHKで「近視」のテーマで放送されています。

 

 

 

図

軸性近視とは、右端から左端までの距離が伸びて、焦点が眼の中の方になる

 

二年前に眼鏡店の方々とクロージングのオンラインサイトで「眼軸が1㎜伸びるとどれくらい度数が変わるか」の議論の中で計算してみた計算式をコピペしてみました。

 

・・・・・引用・・・・

あズート考えていました(汗)
角膜の屈折力が43.5D水晶体の屈折力が19.11D
計62.16D として
100÷62.16=1.6㎝(焦点距離と仮設)
100÷(1.6+0.1)=58.8D
62.16-58.8=3.7(いろんな誤差含む)
が計算式ではないでしょうか?
中学校以来こんな数式考えた事ないので、本当に勉強になります(笑)

丸山 道則
管理者
投稿者
角膜と水晶体が平行にあるからややこしくなって・・・
二つのレンズを一つだと考えた場合、62.16の屈折力の焦点距離は1.6㎝(100÷62.16)と考えて、
1mm長くなったので(1.6+0.1)の1.7㎝焦点の屈折力を考えると58.8D
元の62.16Dと1㎜長くなった58.8Dの差が3.7D
で、1㎜長くなると約3D変化する!
まあまあ合ってる気がする・・・
今日の午前中モヤモヤしてたのが自分の中でスッキリしました(笑)

・・・・引用終わり・・・・・

 

教科書には、計算式は書いていませんが・・・・

大きく間違っていない気がします(笑)

 

当店の電子カルテには22年分の膨大なデーターの蓄積が入っています。

個人の変化だけではなく、親子や兄弟、孫のデータまで揃ってる場合が沢山あります、

個人のメガネを作るには20年前のデータはあまり役には立ちませんが、研究するには面白いデータが取れるかもしれません。

 

お客様のデータは個人情報保護法に基づいて厳重に管理いたしております。

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調節の介入(プロ編)

技術的お話

眼鏡技術者向けのブログ内容ですが・・・・

 

オートケラト測定器データ から

1回目

2021/3/2 15:29

S-11.75C-0.75

 

2回目 15:38

S-10.50C-0.75

 

3回目 15:49

S-9.50C-0.5

 

これ41歳女性の同じ方のデータなんです。

 

オートレフは1回が普通なんですが、レフ後自覚検査で違和感があり、もう一度レフを取り直す事はあるのですが、3回はあまりありません。

 

当店スタッフ全員測定する時は必ず雲霧状態から測定を始めるのですが、そうする事により過矯正度数にする事を防ぐ事が出来ますが、調節が残ったままだとあまり意味がない事にもなりかねません。

 

たまにオートレフの原理を聞かれるのですが、詳しく説明できるほど理解出来て無いので「カメラのオートフォーカスと同じような原理」と答えてますが・・・・正解かどうかは解りません(汗)

カメラの被写体は、太くなったり細くなったりしませんが、目の中は調節が働き度数が変わる場合があります。

 

今回のオートレフでの度数変化の原因は、大きい外斜位・・・

 

常に調節と輻輳を使って、眼位を安定させてるケースだと思います。

 

瞳孔径が、1回目4.7㎜ 2回目4.9㎜ 3回目5.8㎜と、段々散瞳している状態が数値で出てますね。

調節と縮瞳(散瞳)はセットで動きます。

 

一般的に外斜位の場合、遠用度数(マイナス)を強くすれば、斜位量は少なくなり、弱くすれば斜位量が多くなります。(AC/A比も関係するので一概には言えませんが)

 

この例の場合、最近はやりの、両眼開放融像視力検査だけしていると、近視度数は強くしか出ないので注意が必要です。

 

 

今回の場合は、近視度数を落とたうえプリズムレンズを使って両眼視を維持するか、強めの度数にして両眼視を維持するか・・・・

 

ご本人にご自身の眼の状態を良く理解してもらって、納得のうえ度数を決めていきます。

 

ん~~今回のレアケースだと自覚検査だけで20分かかってる事が解るな・・・

 

忘備録&スタッフに連絡

お渡しの時「調節機能測定AA-2」で解析データを取らさせてもらってください。

 

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