技術的お話
調光レンズ
紫外線を浴びると、着色する調光レンズ
大昔はガラスレンズしか無かったのですが、最近はプラスチックレンズで、着色する色も様々です!!
今回は「ニコン」さんの調光レンズをご紹介!!
最近は紫外線だけではなく、可視光線にも反応するレンズが発売されております。
最近の自動車のガラスはUV(紫外線)カットガラスが当たり前になってきていて、自動車の中では着色してサングラスにならない場合があります。
そんな時は、可視光線で着色する調光レンズをお勧めいたします!!
今回オーダーいただいたカラーは、サファイアブルー!
青く色ずくのが希望です。
あまり濃くならない方が良い場合は、HOYAレンズの「サンテックミスティーブルー」がお勧めです。
室内では、ほぼ無色で
外に出れば、濃いサファイヤブルー!!
紫外線が少ないところでは、薄いブルーカラーです!!!
静止画の写真だと、どんな感じで色が付くのが解らん!!!
で、動画で撮ってみました!!
試したのは、可視光線調光、アクティブブラウン!
紫外線調光よりも、強く変わるのは知ってましたが、瞬殺過ぎて、カラーレンズを袋から出したみたいになってしまいました(汗)
嫁に強力を仰いで、試してみました!!
スゲー早く変わりますね!!!
退色は、全然ゆっくりです・・・・
一本有ると凄く便利ですので、是非是非ご用命は当店で!!
本当はユーチューバーみたいな語りを入れた動画を取りたかったのですが・・・・
[コメントする]不同視 とは
「ふどうし」とは、右眼と左眼の屈折力の差が2D(ディオプトリー)以上ある場合となっております。
視力機能が発達する乳児の時に、左右眼の視力差が有った場合、良く見えてない方の目が弱視(矯正しても視力が上がらない)になる場合があります。(特に近くが見えにくい遠視眼)(乳児は眼球が小さくほぼ遠視眼)
30数年前、僕は眼鏡学校では不同視が強い場合は「強い方の度数をゆるめた度数にした方が良い」と習っていました。
これには根拠があって、眼鏡レンズから角膜までの距離12㎜・角膜から網膜までの距離25㎜離れている為、右眼の像と左眼の像の大きさが違うため不等像となる。左右の大きさの差が5%以内までが望ましいという理由からでしょうか。
今でも多くの眼鏡店や眼科さんでは、左右差が大きい場合は強い方の眼の度数を弱めてる傾向にあると思います。
今回ご紹介するお客様もそんな不同視をお持ちの、当店では初めての方です。
当店では、最初に測る他覚測定器「オートレフケラ」のプリントアウトした用紙(僕の昔からの癖で旧度数・その視力・年齢等を一旦メモします)
ここで解る事は、右眼は強い近視・左眼は強い乱視・左右度数差5.0(等価球面値)(日付が1カ月前(汗))
お持ちの眼鏡の左右度数差は2.0D(等価球面値)に抑えていますね・・・
(乱視度数は左右差を無くしたかったのか?乱視完全矯正値)
矯正視力差は、(右)0.05 (左)0.8
「レフケラ」の良いところは、ケラトメーターが付いていて角膜の曲率半径も測れるのです。
この方の左眼の強い乱視は、角膜乱視で有る事・左右の曲率半径がそう大きく違わない事から角膜の屈折率は同じぐらいで、右眼の眼軸が左眼に比べて2mm近く長い事。
で結論から
当店で決定した度数は、
左眼はそのままの度数で、右眼をドーンと上げております。
もちろん装用テストを十分にして、総合的に判断した度数です。
この方の主訴は、近くがおかしい・・・
加入度(老眼)も若干出てきてますが、一番の原因は、右眼と左眼の近方の見え方・・・
最近手に入れた武器が役に立ちます!!!
近方用、両眼視偏光テスター とでもいいましょうか・・・
この機械製造が終わって、メンテナンスも終了している古い視標なんですが、ひょんな事からで未使用品で手に入りました!!!
ズ~ト欲しかったので、数万円でも良かったけど、なんと数百円!?で!!!(未使用品ではありますがあくまで中古)
あまりの嬉しさに、キズを付けたらいけないと思いアイパット用のガードテープを貼ったら、偏光機能が無くなったのでスグ剥がしました(笑)
話がズレましたが・・・
この機械は近方斜位量も測れますが、今回は近方両眼バランスを測ります。
眼鏡の左右の度数は、左右の視力値を合わすというより、左右の調節を合わす方が快適です。
この方の古い眼鏡は、左右の度数差を少なくして遠くを左眼でしか見てません
遠くは左眼だけのモノビジョンで問題無いのですが、近くは焦点が合う地点が2か所・・・・・・・あってピントが上手く合わせられない状態になってました。
今回右眼の度数を本来の適正度数にしたことで、視力も調節も左右差が無くなりました!!!!
ただ、注意しないといけない事は、左右の大きさが違う不等像になっていないか?と
レンズの中心から外れたところで見る(特に上下)左右のプリズム効果による違和感・・・・
人間の眼と脳の凄いところは、良くも悪くも慣れちゃう事!!!
悪い方に慣れるのは問題かな・・と思いますが、良い方に慣れれるのなら慣れた暁には快適になります。
(遠近両用レンズが良い例)
この方の新しい眼鏡をかけた感想も、「コンタクトの時の見え方とおんなじだ」との事
左右の調節を合わすことで近くも安定し、単焦点でも見やすくなりました。
このような左右差が大きい不同視の場合、定説どおり強い方の度数の方を落とした場合が良い場合もあります。
が、しっかり検査をして、お客様の主訴をしっかり聞いて、一番ベストな度数で提供できるように頑張っています。
見えるだけ度数を出すだけなら比較的簡単で、人間の眼と脳は調整してちゃんと見えますが、快適に見える度数を出すのはそう簡単ではありません。
[コメントする]間欠性外斜視
「かんけつせいがいしゃい」
詳しくは下記の「日本弱視斜視学会」のホームページから
https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/strabismus/strabismus2
https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/strabismus/strabismus2
大きい斜位がある為に、時々斜視になりますよみたいな・・・
斜視になっている時は、利き目じゃない方は利き目と同じ方向を向いてない場合が多く、二つに見えると困るので、利き目じゃない方の見えているはずの画像は脳でシャットダウン(抑制)されている場合が多い。
ま、普通の生活にはそう支障がありません。
が、距離感が解りにくかったり、見ようとすればするほど疲れます。
今回のお客様の当店のカルテをひも解くと、14年前(05年)に初めてお買い上げいただいた時は、ハードコンタクトレンズと併用の強い-10.0の近視度数・・・
その後8年前(11年)にお買い上げいただいた時は、弱い度数で、上下左右のプリズムレンズを入れさせていただいてます。
8年以上前にレーシック手術をして、近視度数がが要らなくなったレベル・・・・
強度近視レンズ-10.0の場合、中心より1㎜ズレるだけで1プリズム発生するので少々の斜位は気にならない!?感じですが・・・
このお客様レーシック手術により近視は矯正されたのですが、眼鏡が必須となりました(確か関西の眼科さんでのオペだったはず)・・・・・
(福井県で現在レーシック手術をしている眼科さんは無いように聞いてます・・・・)
今回製作するメガネで、プリズムを入れるのは3本目になります。
最初は「どうも両眼視をしてないみたいで、今回はプリズムを抜いてみようかな」と来店されたのですが、
確かに両眼視していない、モノビジョン(片眼だけで見ている状態)の眼には、プリズムを入れようが入れまいがそう関係なく、逆に複視(物が二重に見える)になる場合もあります。
今回プリズムを入れたメガネと抜いたメガネを掛け比べてみてもらうと、抜いたメガネは掛けてられない事が体感でき理解いただきました。
で、今回はプリズムを抜くでもなく弱める訳でもなく、逆に強めました。(以前もこのブログで違う方で同じような内容を書いた気がします)これは斜位量がだんだん大きくなるわけでは無く、40代半ばの年齢になって、加齢による眼筋が弱くなり輻輳余力が弱くなったせいだと考えられます。
前置き!?が長くなりましたが、
上下4プリズム、左右14プリズムの制作範囲外のオーバー手配最大度数ですが、まだプリズム量が足りない為、球面レンズ設計でPDをずらしての更なるプリズム度数を上げました。
強度のプリズム度は、外面非球面より球面の方が球面より内面非球面の方が適していますが、内面や両面非球面はそう多くはプリズム度が入りません。
プリズムを抜きたい主訴の一つにレンズの厚さ・・・
度数が弱くてもプリズム度が強ければレンズが厚くなります。
外斜位の場合はレンズの内側(鼻側)が厚くなるのですが、なるべくメガネフレームを小さくする事によって、レンズの厚さを抑えます。
こういう検査は時間がかかりますので、時間の余裕をもってご来店ください。
当店は予約制ではありませんが、こういう検査ご希望の際には留守にしている場合もありますので、ご連絡をいただいてからの方が無難です。
また、眼鏡を作らずに精密検査だけ、というのは受け付けておりませんのでご了承下さい。
[コメントする]プリズムメガネ
当店では、両眼視機能検査に力をいれております。
片眼づつの視力が良くても、両眼で機能的、立体的に像を捉えるのを苦手にしている方もけっこういたりします。
精密機械で作られたわけでは無いので当たり前ですが、図のように寝ている時や意識の無い状態では、ほとんどの人間の眼位は、多かれ少なかれ左右の眼は別々の方を向いております。
物を見ようと思うと、無意識に左右の眼が同じ対象物にロックオンします。自律神経を使って6本の眼筋や調節筋を動かすのです。
右眼と左眼は離れたところに付いているので、同じ物を見ているのですが、左右微妙に違う角度の為、像が違うのです。それを頭の中の脳が一つの物と判断して、右目の像と左目の像を融像させて立体的に見えるのです!!距離感も右眼の像と左眼の像が近いと遠くに感じ離れていると近くに感じる・・・・
なんか凄くないですか!!!!!
一時流行った3D映画とかも、偏光レンズ等を使って右眼と左眼の画像を強制的に別々に見させて、ドーンと飛び出して見えるのです!!(最近は家電売り場でもめっきり見なくなりましたね・・・)
ただ左右眼のズレが大きい方や、調節(輻輳等)する力が弱い人はちゃんと立体的に見えているけど、超疲れてしまいます。
人間は目を寄せる力(輻輳力)は強いけど上下に寄せる力や、眼を開ける力(開散力)は弱いのです。
眼位のズレの量や調整する力や、その他もろもろ両眼での機能を測定するのが、両眼視機能検査です。
光を屈折させるプリズムレンズを使えば、左右眼のズレが多い場合や調整力が弱い等を助けてあげる事が出来ます!!!
前置きが長くなりましたが・・・・
今回ご紹介する例は、37歳黒人のアメリカ人
ま、外国語はペラペラなので、検査の会話コミニュケーションはバッチリです!!!!!
僕じゃないですよ、アメリカ人のお客様が日本語バッチリなのです(笑)
お話を聞くと、当店にいらっしゃる前に眼科さんを受診されていました。「最近近くを見たり遠くを見たりした時にピントが合いにくくなったので」との事。「眼病は無いので、眼鏡の度数を弱めたら良いですよ」との事。
確かに主訴は老眼と同じ症状で、片眼遮蔽度数検査では、度数を弱めても視力はちゃんと出ます。
ただ、両眼視機能検査では、大きな外斜位・・・
度数を弱めてしまうと、両眼視に問題が生じます。
輻輳するときに調節を使って見ているので、片眼では見えていても両眼では視力が落ちてしまうし、輻輳するきっかけが無くなってしまうので複視(物が二つに見える事)になりかねません。
結果、度数を弱めた上で、上下左右を調整したプリズムレンズでメガネをお作りいただきました。
調節力も十分にありますので、老眼にはまだ早いです。
学校の先生なので、学校で行っているビジョントレーニングを生徒さんと一緒に頑張って下さい!!!
[コメントする]弱近視の外斜位 @ 13歳
若年、特に小学校低学年以下の初めてのメガネを作る場合には、先に眼科受診をお勧めしております。
理由は、調節力旺盛な小児の場合、緊張等で調節をしたままの状態で度数測定をしてしまうと、遠視なのに近視のメガネを作ってしまう不幸がおこりうる可能性がある事です。
眼科では医師しか使用できない目薬(調節麻痺剤等)を使用して度数測定が可能で、完全に調節を除去した眼の測定が出来ます。
(ちなみにアメリカでは業務独占国家資格(Dr.オプトメトリスト)が薬剤の使用を認められていて、眼科(眼病)と眼鏡士(眼鏡度数測定)の分業制となっております)
今回の事例も一応眼科受診をしてもらってからの再来店となりました。
眼科では、眼に問題が無く経過観察となったのですが、本人は見えにくさを訴えております。
片眼(遮蔽)づつの視力はそう悪くはないのです。
ただ普通の状態(両眼)で遠くの物を見よう見ようとすればするほど見えにくくなります。片眼遮蔽の度数測定とハンスフリ法での両眼解放度数測定では約2段階以上度数が変わります。
https://heart-land.jp/archives/33982
↑ここでも説明している隠れ斜視
外に開いている目を寄せるのですが、ある一定まではスウーと寄ります(緊張性輻輳)一定を超える輻輳が(調節性輻輳)調節しないと目が寄らない状態
これが、両目で見ようとすればするほど視力が落ちる原因となっております。
(わざとプリズムレンズで負荷をかけて強制的に輻輳させる事により数値を測定します。)
この場合眼鏡でどう矯正するか、選択肢は
①球面調整「調節した状態での度数で矯正」 過矯正による度数で制作
②プリズムレンズを用いた「プリズムレンズ」矯正
この場合、近方視する時の斜位量も考慮しないといけません。
一つのレンズで遠用と近用のプリズム量を変える事は出来ません・・・
下手に遠用に外斜位用のプリズムを入れる事により、近方では内斜位になる最悪の事もあります。(AC/A比の測定)
じゃどうする??
①遠方眼鏡と近方眼鏡の使い分け
②遠方過矯正メガネ又は「プリズムメガネ」を遠近両用(近方加入)にしたレンズでの矯正
ただ僕としては、まだ成長期のお子様に「プリズムレンズ」や「遠近両用レンズ」を積極的に使用するのは否定的なのです。
なぜなら、プリズムや遠近を入れる事により、眼が楽しすぎて、調節力や輻輳力が損なわれる恐れがある事(諸説あり)
僕個人としては眼位異常は持って生まれた物と思っておりますが、成長の中で近方視ばっかりしていたら眼自身が近くを見やすい様に近視化(諸説あり)するように、成長期に輻輳力を鍛えてると外斜位が緩和(かなり否定的ですが)されたりはしないか??
で、今回の度数決定は・・・
当店の秘密兵器、調節微動測定器!!若干の調節緊張はあるもののそう問題無し、グラフ一番左端のfog(マイナス調節)もうまく行っている事から
https://heart-land.jp/archives/33212
↑マイナス調節記事
ゆるめの近視 プラス ゆるめのプリズム のハイブリッド度数
昔のシェーアードさんが考えた、当たり前?の度数決定!
幸いこの子の場合、調節性輻輳(A/C accomodativ convergence)はノーマルで内斜位になる事は無いため、この眼鏡で遠くも近くも問題無く見る事が出来ます!!
あと、越前市の小学校ではビジョントレーニングは必須で、全員が知っているため引き続き、自宅でのビジョントレーニングも推奨しております!!
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